木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





第2話
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雄一は何度も見かけた青い服の女性・敬子の事を気にするが、
今はそれどころではないとして頭から振り払おうとする。
会社が設けている留学制度の試験に合格すれば、ニューヨーク
の大学に通わせてもらい、そのままアメリカ支店で働く事も
可能だったからである。その試験の前提条件としては、独身者
である事が有ったのである。
通勤の電車の中で、似たような女性を見かけると、つい敬子
ではないかと考えるが、あれから一度も逢えずにいた。

耕作は帰宅すると、玄関からも聞こえる様な音で、次男の健が
鍋を叩いている音が聞こえる。暫くそれを聞いていると、長男
の雄一も帰宅する。一体何をしているのか。浪人すると勉強の
しすぎで頭が変になっているのだろう。
健は玄関で物音を聞くと不審者かと思いバッドを持ってやって
くるが、父と兄だと知り安心する。
今日は秋鯖が安かったとして、シメサバと味噌煮にしたという。
先ほど何を叩いていたのか?と問うと、太鼓の練習だという。



耕作は息子たちが勉強しているのを気にして、イヤホンでテレビ
を見る中で、健の姿がないことに気がつく。30分くらい前に
出て行く音が聞こえたが、散歩に行ったのだろうかと。
もしかしてアイツはやっぱりノイローゼ気味なのではないか?と
疑う。そんな中、遠くから祭り囃子の音が聞こえる事が判明。
もうすぐ祭りが開催されるので、健は練習に行っているのか?と
疑う。
健は友人達と太鼓の練習に精を出していた。
しかし目的は太鼓ではなく、踊り子として練習に来る薬屋に
勤務しているヨウ子に一目惚れしていた健だった。
帰宅した健は、兄から練習など受験に関係ない事は辞めろと
告げる。父は比較的寛容で、あと三日で祭りがあるのならば、
今更辞める事はないと言うが・・・

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雄一は出世欲を露わにする中で、心の中では出世の為だと言い聞
かせるも、かつて出会った女性のことが頭の中で膨らんでいく。

喫茶店で雄一が見かけた時にいた女性ともう一人の女性。
この二人友達かと思っていたけど姉妹のようだ。

柴田家が男性だけで、稲葉家は女性だけの家庭という設定の様子。

健が受験勉強の最中でも好きになった女性の事が気になり、
その女性がわざわざ家まで練習に来ない彼の事を心配して来て
くれる。ここまでされると気が有るのではないかと間違って
しまうよな。ただ流石に家の中にまではあがりこまなかった。
健の切ない気持ちが伝わってくる。

父とか兄は、そんな健の行動を見てノイローゼを疑うっていう
のが凄い。まぁ本気でノイローゼだとは思っていないからこその
アクションなのだろうけどね。

営業部の男性・高松が雄一にプレッシャーをかけてきた。
通信部は通信部の仕事をしてろとの事。確かにごもっともな感じ
もするけど。

意外だったのは雄一だけでなく、敬子もまた雄一を意識している
状態だという事かな。

あとテレビが凄く時代を感じさせるし、インスタントラーメンが
夕食になっている所がなんとなく凄かった。健が手料理を作る
姿とは対照的。男性と女性の性格・立場の違いを逆転させている
意味もあるのかな。

お父さん、一人でボタン付け。
会社の女性は結婚対象に有る男性にしかこびを売らないという。
ちょっぴり切ないけど、母親が37歳で亡くなり、それ以降10年間
父もパートナーを見つけずに居る。
兄はそんな父に後押しするも、結婚は苦労も多いとして、敬遠する
姿が有った。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)
須藤兼一 …… 森幹太 (敬子の父)
小林 …… 近藤洋介 (雄一の先輩)

近藤剛、川口恵子、高畑喜三、園部順子、柏田旦子
賀原夏子、菅貫太郎

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