木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





 

第7話
--------------------------------------------------------
11月の中旬。雄一は会社の留学の為の試験に挑む中、弟の健は
ひょんな事で出会った稲葉明子と共に
江ノ島にいく。すると
明子は姉の敬子を連れて来る。
電車で江ノ島に向かう中、互いに自分たちの家族について話し
逢う。健は自分の家は男性ばかり3人の家族だとすると、敬子
たちは家は全く正反対に女性たち3人の家庭だと語る。炊事など
はどうしているのかと尋ねられると、健は自分が担当している
事を告げ、そういう仕事もキライではないのだという。大変
でしょという敬子に明子は、男性が炊事をやると大変で女性が
炊事をするのは当たり前だと思われているとして、文句を告げる。

いよいよ江ノ島に到着。
砂浜をみんなで歩く中で、健は敬子があまりに綺麗なために、
彼女の写真を何枚も取り、敬子に気を使う姿が有った。それを
見た明子は気分が悪く、自分も写真を取ってくれる様頼むが、
邪険にするのを見て憤りに感じる。

見晴らしの良い高台へと昇るが、妹の明子が来ていない事に
気がつく。健は気にする必要はないとして二人きりになろうと
するが、敬子が様子を見に行くと話したために自分が捜してくる
と告げる。明子は健が探しに来るのを見かけると、隠れてやり
過ごし敬子に合流する。敬子は健が貴方のことを探しに行った
事を告げるが知らないという。明子は敬子に対して、姉ばかり
がチヤホヤされてずるいと告げる。姉さんが気晴らしがしたい
と言ったので連れてきたのに・・と告げると、姉は鎌倉にいる
友人の元にちょっと顔を出してくるから二人で楽しんでと告げ
その場を後にするのだった。

--------------------------------------------------------

雄一が留学の為の試験を受ける中で、健は偶然知り合った
明子と江ノ島に行く約束をする。当日明子と共にやってきた
のは姉の敬子で、健はその美しさを見て明子そっちのけで
写真を撮っていく。

雄一と敬子の繋がりを外堀から築き上げていく様なエピソード。
ちょっとした休暇の一コマだけど、健が雄一と敬子の事情を
知らずに関係を含めていくところや、明子と健の受験生・浪人生
としての繋がり感を強調したものだった。

この両家の関係が示すように、男性と女性という事を対照的に
描いており、面白く比較して見比べてみられるというのが
面白い所。

また今回敬子が結婚した親友との再会の中で、結婚するという
事はどういうことなのかを端的に描いた事も有り、安易な結婚
ほどつまらないものはなく、運命的な相手との繋がりを意識
させるものだった。

健と明子。
どちらかというと明子の方に異性を意識する意図が見え隠れ
している所が有るかな。
健にとっては片思いしている相手が居るわけだし、薬局の洋子
との関係がどうなるかのか気になる所だね。

また雄一は同僚のとやりとりの中で人間の価値について考察
するシーンが描かれた。
お金を多く稼ぐ人が優れた人物なのか。仕事が出来る人物が
人間としての価値が高いのか。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)
須藤兼一 …… 森幹太 (敬子の父)
小林 …… 近藤洋介 (雄一の先輩)
洋子 …… 川口恵子 (薬局)
のぼる …… 鶴田忍 (八百屋、祭囃子)

遠藤剛、磯部玉枝、本橋和子

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system