木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





第8話
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健が朝10時頃洗濯を干していると、突然家政婦のハルがやって
くる。健の父親が家のことだけでなく、江ノ島に行ったりして
息子がなかなか勉強をする時間が持てないだろうと思い気を遣
った格好だが、既に掃除も洗濯も終わった頃に来た事も有り、
文句を言う。父親も家政婦を雇うならば僕に言ってくれないと
意味が無いとつぶやく中、ハルは健に今すぐ勉強を始めるよう
指示する。健は一仕事終えてゆっくりしたい時だと告げる。
ハルからは勉強する前にぞうきんがけするのでバケツと雑巾を
用意するようつげ自分はタバコを一服。嫌がる健に対して、
良い体つきをしているだの、二枚目なのでラブレターをもらう
のではないか?とおだてて働かせようとするのだった。

10時半になると、勉強をしていた健にまたしても声がかかる。
ハルは庭の手入れをしていたが、枯れ木だとして勝手に父親が
楽しみにしている木を引っこ抜いてしまう。そのことを指摘する
と私がもっとすばらしい庭を造ると告げるハル。

再び勉強を始めるが、またしてもハルから声をかけられ、昼飯
は何が良いか?と訪ねられる。ウナギにするか?と言われるが
そんな贅沢は出来ないとすると、昼は栄養のある物を食べて
夜に質素なものを食べる方が科学的にも体に良いのだと聞かさ
れる。栄養をとって勉強しなければならないとするが、勉強を
邪魔しているのはハルさんだとクレームを付けるのだった。
ハルはビフテキにしようとして200円の肉を買ってきて焼くの
だった。

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いよいよ雄一が健と敬子の繋がりを知るという事で期待する
物が有る流れが形成されていた。
しかしそれまでの流れは、多少日常生活を描いた物で、
時代性こそ感じられるが、ややまったりとした家政婦と息子の
やりとりが続いた感じがする。

黒電話を敷いたこととか、帰宅した雄一が敬子の写真を見て
動揺してパチンコ屋にいくシーンがあったけど、手動式の
パチンコだという時代性を感じさせるネタであふれていた。
そういえば自分も固定電話の権利を持っていたけど、あれって
今どうなったのかな。
保証金として数万円は取られた気がするけど、大学時代に
アパートを引き払って以降どうなっているのかよく分からない。

家政婦がこの家庭に関わりたい事情は分かるし、父親にアプロ
ーチをかけているのだろうけど、やたらとウザったらしく感じる
のは気のせいか?
これまでの中では気の良いおばちゃんって感じだけど、既に
気を許したのか、健に対する扱いがまた凄すぎて笑える。
現在でこんな仕事をしていたら速攻で首だろうと小一時間。
それよりも凄い勢いで金を使い出して、自分の分まで高い昼食
を食べるところがなんとも惨い。

弟が敬子の写真を見せたことでまたしても気持ちが揺れ始めた
けど、試験の結果がどうなるのかは分からない。
出世コースに乗るまでは一切他の事にかまけないとは言っている
けどね。悶々とした気持ちを引きずりながらも試験には合格出来る
のか。落ちたとしても、ある意味敬子の存在が滑り止めのような
形で有るのはちょっと都合が良い感じがするので、自ら選んで
行って欲しいけどね。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)
須藤兼一 …… 森幹太 (敬子の父)
小林 …… 近藤洋介 (雄一の先輩)
洋子 …… 川口恵子 (薬局)
のぼる …… 鶴田忍 (八百屋、祭囃子)

遠藤剛、矢野宣、荘司肇

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