木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





第9話 監督:川頭義郎
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電車、町中で見かけたあの女性の事を忘れようと努める雄一。
海外留学の為には恋愛・結婚は邪魔な存在でしかなかった。
しかし弟・健が江ノ島で撮った写真の中に再びあの女性が写っ
ていた事で、偶然にしては恐ろしいと感じる。まるで神様の
仕業ではないかと。

電話が来るが、未だに開通はしていなかった。
健は掃除をしながら勉強をしていると、突然薬局の洋子がや
ってくる。ハルさんに頼まれて薬を届けるよう言われたという。
貴方の父親の血圧の薬みたいだと。多分ハルさんは貴方の父親
の事が好きみたいだと。洋子は忙しいので薬を置いたらすぐに
帰ると告げ、勉強頑張ってて声を掛けられる。健は彼女を留める
事も出来ず、モテない男だと自虐する。
そんな中、電話局から開通を知らせる電話が鳴る。
今から使えると言われると、健はとりあえず父親の会社に電話
しようかと考える。電話しようとしているとハナが突然やって
くる。健は薬をプレゼントするなんて困るというが、お父さん
はきっとホロっとくるハズだというハナ。洋子が来るよう私が
頼んだのだと告げ、健にも気を使った事を語る。これから別の
家で家政婦の仕事があるというハナは林檎を一個置いて健の元
から立ち去る。健は電話が開通したのでいつでも電話してくれと
語る。

健は父に電話するが、忙しいのでと言って一言で切られる。
兄の職場にも電話するが同様の理由ですぐに切られてしまう。
仕方なく健は、明子に電話すると電話が家に開通した事を話、
これからも色々と話をしようと告げる。健は電話が引ければ
色んな人と会話が出来るとウキウキしていた。健は明子に片思い
の洋子の話をすると、明子はデリカシーが無いとして電話を
切られてしまうのだった。

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雄一は弟の健が持っていた写真の中に、気になる女性・敬子
の顔写真が写っていた事を知って無視出来なくなってしまう。
電話が開通したのを機に、雄一は色々と行動を起こすように
なって行くが・・・

電話によって広がるコミュニケーションの形ということで、
当時の電話の普及率がどれほどの者なのかはよく分からない
けど、健が期待をもって語っている様に人との繋がりが出来た
ように感じてうれしいのだろう事は伝わってくるものがある。

何より邪道ではあるが目と目を合わせず会話できるという事
で、普段では言えないことも話せるという利点もある。
電話が来るか来ないかとする新たな期待感や失望感も増えて
人生がより彩り鮮やかになるであろう事も想像がつくかな。

面白いのは本人たち以上に周りが気にしている事なのかな。

良いきっかけが出来てデートする事が出来たけれど、試験と
恋愛のどちらをとっていくのか益々気になるものになってきた。

しかし雄一もある意味凄い大胆な行動に出たね。
これまで如何に我慢していたのかって事なのかな。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)
洋子 …… 川口恵子 (薬局)
雄一の同僚の社員 …… 遠藤剛

原田あけみ、川路美奈、城戸卓、光映子

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