木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





第10話 監督:川頭義郎
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ある日曜日。
明子は敬子が雄一とデートした事を聞いたが、その後どうなっ
たのか知りたくて、その後どうなったのかを尋ねる。
母は明子に対して勉強するならば自分の部屋でしなさいと告げ
敬子がデートしようがしまいが貴方には関係が無いでしょという。
母は台所で使用する踏み台を一生懸命作っていた。男手が無い
のだから私が作るしかないのだという。
明子は年頃の女性が一日中部屋に居るなんて変だとするが、母
は敬子を擁護し、毎日仕事で外に出ているのだから、たまの休み
くらい家に居させてあげても良いでしょという。
敬子は明子の追求が面倒になり、一度だけ私から彼を誘ったが
忙しいという理由で断られた事を告げる。それを聞いた明子は
雄一の態度に呆れ、母親もまたお前ほどの女性を無下に扱うなんて
と憤る。明子は私が健に電話して話をつけるという。

明子は健に電話。
みんな掃除中で手が話せない柴田家。なんとか雄一を経由して
健に電話が取り次がれる。明子は件に対して貴方の兄はとても
失礼な人だと告げ、うちの姉の事をなんだと思っているのかと
いきなり憤怒する。もしも
三日以内にデートに誘わなければ
姉ももう相手にしないと言っているとし、私も貴方とは絶交する
と言われる
。そう貴方の兄に言って起きなさいと言われる。
一体どういう女性だと健は呆れ、あれは中性だと呟く。

健は掃除をしていた兄・雄一に明子から言われた事をそのまんま
伝える。兄は放って置くのが一番だとしながらも、突然出かけて
くると言って近所の公衆電話に駆け込み、敬子をデートに誘うの
だった。

敬子が着飾るのを見て明子は雄一とデートなのか?と問うが、
学校の友達と会うだけだという。
健もまた兄が正装しているのを見てデートするのかと問うが、
出かけるだけだという。

明子と健は二人が出会った港で逢うと、兄たちは絶対にデート
だと話し合う。しかし二人とも僕たちと違ってお金を持っている
のでこんな所でデートするハズは無いと告げる。

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雄一と敬子はようやく互いの身分・素性が明らかになりデート
するも二度目のデートの機会がなかなか訪れずにいた。
それを心配した敬子の妹・明子は健を経由して、三日以内に
姉をデートに誘わなければもうチャンスは無くなると告げた事で
健は兄を焚きつけることになる。もしかすると敬子は結婚する
相手が他に居るのではないかと。急いで連絡を取る雄一は二度目
のデートで、現在自分の置かれている状況を説明するが・・

ここに来てまさかの沢野の存在感が浮上した感じ。

沢野が敬子と雄一がデートする姿を見てショックを受けている
かのようにも思えたし、敬子との関係に於いては、当然若くて
美人の敬子側に恋愛のイニシアチブが存在しているのかに思えた
けど、よくよく考えると敬子には父親が居ないので、沢野の
様な年上の男性に惹かれる理由としても当然存在している事は
明らかだと思わせるものが、この駆け引きに於いても面白く
作用している事は確か。

色々と男性の影が有るかと思われたけど、思った程に敬子に
近づく男性の中にピンとくる人物がなく、雄一と沢野の二択
って感じの様相になっている。

敬子も雄一も互いの気持ちを探り合うデートでのシーンは
男女のやりとりとしてはシンプルだけど、興味深くなっているし
時に大胆にも失礼なことを発したかと思うと、それを互いに
受け流したり、気持ちの一つとして受け取ったりする姿が有る
ところは、上手く感じるところだ。

敬子の母がナチュラルなまで娘達に、金を稼いでくる良い婿を
捜して欲しい的な圧力をかけていたりするところは、まさに
出世欲の強い雄一が相手としては十分だという事を示唆している
しね。

健と明子の関係もなんだか憎めない間柄となっている。
ラーメン屋に立ち寄っていたけど、コーヒー70円、ラーメンが
100円台で売っているところが驚きのジェネーレーションギャップ
だ。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)

沢野の女性 …… 川口敦子 (4年付き合った)
雄一の同僚の社員 …… 遠藤剛

原田あけみ

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