木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





第12話 監督:川頭義郎
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一つの生まれようとしている愛・・・既に二人は愛し始めて
いる。しかし互いに気持ちを話す事はなかった。それは雄一側
に独身が条件の留学の目標が有る事を知ったからだった。
敬子はなんとか彼の事を忘れようと努める。

佐藤から
明日が留学試験の一次試験の結果が発表されるという。
既に総務部の方ではみんなが知っている事だという。佐藤は
諦めていると言うが・・・

敬子の職場に沢野が現れ、大阪行きのチケットを取得する。
沢野は新年の挨拶をすると、出来れば貴方が了承すれば2枚チケ
ットをとりたいとアプローチする。敬子は困るとするが、
沢野は強引にランチをしようと誘う。沢野は自分が野暮なこと
をしている事は自覚しているとし、振られたときにはせめて
面目を保つ事を知らないといけない事、そしてテーブルから
離れる事をしらないといけないこと、優しい顔など見せては
いけないことなどを告げるが、貴方のことを愛しすぎているの
で僕にはそれらが出来ないのだという。40男がいうセリフ
じゃないと自虐すると、敬子は私の事は忘れて欲しいと頼む。
沢野は年齢の違いなのかと問うと、相手の女性も可哀想だと
指摘。沢野は既に別れた事を告げると、あなたは簡単に別れる
人なのねと告げる。簡単ではないとしながらも、沢野は
敬子が意外と古風な考えをしている事を指摘する。
沢野はやはりあの青年の方が良いのか?とし、以前食事に誘って
断られた際に、自分は敬子の跡をつけたのだという。あなた
がどんな人と逢っているのか知りたかった為のモノで、とても
ハンサムな青年だったと告げる。しかし敬子はあの人は妹の
友達の兄さんだとするが、それは嘘だと顔に書いてあると
指摘される。どっちにしても僕の気持ちは変わらないとし、
我ながらシツコイ男なんだと告げると、敬子はそんな
沢野の
押しの強さをこのまま交わせるか恐れていた
。この強さに
逆らうには誰かの力が必要だと感じているが・・・

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雄一の試験結果が明日に発表される中で、敬子は写真家の沢野
からの強引なアプローチに困り果ててしまう。
断り続けても土足で踏み込んでくる相手に断り切れないと考え
雄一との関係に助けを求めようとするが・・・

11話はクリスマスだった。
今回のエピソードは年明け。至る所で明けましておめでとうの
挨拶が有る。

敬子の方から雄一を誘うというのは当時の価値観からすると
珍しいことなのかどうか。

相談と称して敬子が困っていること、そして雄一との間で関係
をハッキリさせたい意向があるのは明らかなのに、それを言い出
せず、雄一の方も見て見ぬ振りをしているというところなのだろ
うか。

敬子が色々と複雑な心境を現すようにして、雄一とのデートを
"なんとなく楽しかっただけ"だと称したり、彼の様な生き方も
尊重するからこそ、言い出せない事情や現実というものが
痛いほど伝わってくる。さもしいけど、不合格を願うしかない。
ただ落ちたから一緒になるというのも、ちょっと心情的には
穏やかになれるのかどうか。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)
佐藤 …… 遠藤剛 (雄一の同僚の社員)

島伸行、古田茂久、川路美奈

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