木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





第19話 監督:中川晴之助
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いよいよ健の試験の朝。
ハルは朝早くに柴田家にやってくると、耕作は朝から玄関を
清める姿が有った。ハルが来た事を知ると、耕作はハルに随分
とお世話になった事を告げ、今日はいつにも増して早いねと
語る。ハルは差し出がましいことでどうすべきか回ったが、
健はこのお守りを持って行ってくれないか?と告げる。昨日
一日中神社を回って集めたお守りだという。
雄一は話し声に気がついて耕作たちの前にやってくる。
雄一はご飯に芯があるので見て欲しいと告げると、ハルは
この家の炊飯器は水を多めにしないとダメだと語る。

健も朝起きてくる。
ハルが自宅にいることを知ってもうそんな時間なのかと驚くが
早く来ただけだと語る。夕べは眠れたのか?という問いかけに
二度寝してしまったという。ついにこの日が来てしまったと
語るといよいよ決戦の日だとハルは語る。

一方稲葉家でも明子がなかなか身支度をせず今頃になって暗記
ものの勉強をしている事に呆れる。意外と今朝勉強したものが
試験に出るというケースが有るのだと語る。姉は沢山のサンド
イッチを作ったので誰かと食べてと明子に渡す。彼だって
試験を受けるのでしょ?というと、明子は遠足じゃないのだから
として文句をいう。私は食欲も無いとしながらも、パンを貪り
食べる明子を見てあなた程ズーズーしくなれば嫁のもらい手は
無いと言われる。女三人暮らしだと色気が無くなるのも仕方が
無いという。姉は明子にこれまで一年よく頑張ってきた事を
告げると、その言葉が聞きたかった事を告げ、母にも応援の
言葉を求めると、母も同様に明子を励ましてくれる。

柴田家は全員で家を出る。
一緒に学校・会社にいく姿も久しぶりだという健。
終わったに温泉にみんなで行こうと告げると、ハルは健に今日は
頑張ってと告げ、今日の職場へと向かう。他人の家の事なのに
ハルのようなおせっかいは普通出来ないものだという。
健はお礼が足りないような気がして、ハルを追いかけると改めて
お礼を告げる。

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いよいよ受験の日。
一年間肩身の狭い思いをしてきた次男の決戦の日という事も
有り、家族の様に関わるハルさんも人一倍応援するが、あまり
に他の家庭に関与してくる事も有り、雄一としてもきっちり
線引きした関係を保つべきではないかと告げ、その事をハルにも
知らせていくことになる。

受験の日を迎えて、そんな子供を持つ家族のそれぞれの様子が
面白く描かれた。

この雰囲気の中、ハルさんに告白するのは難しいなと思わせたけど
なんとかその意図が伝わったことで、最小限のダメージの状態で
相手にも伝わったのかなと思う。

意外と受験に関してはあっさりとしたものだった。
まだ残り3校残っているとしている事からも、どうなるかは分から
ないけど、流石にどの大学も引っかからないという事は無さそう
だ。

耕作と似たような雰囲気を持つ老人宅でハルが働いている姿を
見ると、このドラマに出てくる人たちはどの人も憎めない所が
有る。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)
佐藤 …… 遠藤剛 (雄一の同僚の社員)

吉田義夫、佐藤正次

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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