木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





第23話 監督:川頭義郎
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健は電気屋の車で自宅に帰宅する。
途中で友人で八百屋ののぼるを見かけると健は
ステレオを
買った
ので後で遊びに来ないかと声を掛ける。

自宅に着くと、電気屋に手伝い購入したステレオを家の中に
運ぶ健。
大学の合格祝いに耕作が買って与えたもので、健が
頑張った為にこれくらいはプレゼントするという。兄の雄一も
レコード一枚プレゼントすると告げる。
電気屋の主人は今では高校でも当たり前の様に購入する時代で
健がこんなに喜んでいるのを見るといじらしく感じるという。
健は兄さんも最近機嫌が良いねと指摘すると、父は外国に行く
事が決まっているので当然ではないかとするが、本当にそれだ
けかと突っ込む。
兄も父も出かける中、電気屋からサンプル用のレコードを
受け取り試しに聞いて見る。すると右から左に音が流れていく
のを聞いて健は感動する。

雄一は敬子と
ドリームランドでスケート・デートをする。
別れが近い為寧ろ離れがたくなっており、二人だけの時間を
大切に過ごしていた。

父は競輪場で再会したかつての後輩・吉本と逢っていた。
吉本は耕作に対して、もちあげるだけ持ち上げ、
退職後の仕事
を世話をする
とし、柴田のことを
重役で迎えたいと言っている
会社がある事を告げる。小さな工場だが、工場を拡張する計画
が有るとし、
耕作の退職金を投資し出資してくれたら、重役と
して迎える
のだという。幾らくらいかかるのか?と問う耕作に
対して、工場の経営者と話をして欲しいとするが、多分100万円
くらいだという。喫茶店で会話しているのをたまたま同じ
喫茶店にいたハルさんが話を聞いてしまう。

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大学に合格した健は開放感に満ちあふれ、更には合格祝いに
父親からステレオを購入してもらうことに。
兄も留学までの間敬子とのその日その日を楽しく過ごすが、
いよいよ出発日が来月に決まってしまう。
そんな折り、父親・耕作の退職金を狙って怪しい陰が近づいて
くる。

高度経済成長期を反映しているのか、ドラマの流れを見ると
途中で電話機を導入していたけど、今度はステレオを導入して
喜ぶ姿が有った。
まさに庶民的感覚の視線でみられるのと同時に、時代を反映
していて、日本のドラマらしい一面が有るのかなと。
真っ先に明子に聞かせても良かったのではないかという気も
するけどね。

父親の流れに於いてはハルさんが神レベルの対応をしてくれそう
だ。父親は課長にはなったけど、定年を前にして重役という言葉
の響きに憧れを感じている様で、こういう時に一人ものだと判断
を見誤りそう。周りで見ていてくれる事の有りがたさを感じるね。

兄と敬子の関係は例え二年間の壁があってもその困難を
契りや約束という形で保っていきそう。今の価値観だと二年間
は長く感じるけど、当時の価値観ならばそう簡単に次の恋愛に
進むと言うことも考えづらいので、十分に二年間くらいは許容
の範囲内だと思う。ただ今と違って結婚適齢期は違うと思う
のでそうあんまりは待たす事は出来ないのかなと。

戦争に送り出す前に昔の人の中には、結婚するなんて事も
有ったのだから、出国前に結婚しても良いのかも知れない。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)
佐藤 …… 遠藤剛 (雄一の同僚の社員)

のぼる …… 鶴田忍
吉本 …… 江幡高志 (耕作の後輩)

吉田義夫、北竜介、渡辺国夫、三浦仁

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