木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 3人家族
1968/10/15〜1969/04/15 (火曜21時枠・TBS)

脚本:山田太一
監督:木下恵介、川頭義郎、中川晴之助
音楽:木下忠司
主題歌:「二人だけ」あおい輝彦、瀬間千恵
制作:木下恵介
ナレーション:矢島正明





第25話 監督:中川晴之助
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健の入学式の朝、健は朝から靴磨きをする。
父の耕作はオシャレして縞柄のネクタイを捜していた。とうとう
健の入学式が来たのだからオシャレくらいさせろという耕作に
対して、健はお世話になりましたと頭を下げる。しかし耕作は
まだこれから4年あるのだろう告げる。健が新しい靴を履くと
途端にはしゃぐ姿を見て、小学の時と変わらないと指摘される。
父さんだってちっとも変わらないとするが、頭が随分薄くなった
と自虐する。入学式にはとても気分の良い朝・天気だった。

明子は入学式が遅れていた。講堂を占拠している女子生徒が
居る為のもので、下手すれば5月くらいになるのではないかと
いう。その為に朝からソファーに寝そべりながら彼女は本を
読んでいた。その姿を見て、母・キクは指摘するも、買い物に
行ってくるという。ゴロゴロしてばかりいるなと言われる中、
明子の元に電話が鳴る。父・兼一からのもので、
明子が手紙を
送った
為に、
父はアラスカから羽田まで帰国していたのである。
まっすぐそっちに向かっても良いか?という父に対して、明子は
まだ母たちには話していない事を告げ、とりあえずホテルで
話が出来ないか?と告げる。くれぐれも母親に知られない様に
連絡をして欲しいとの事だった。

敬子の職場に写真家の沢野が現れる。
車の中で会話するだけだと告げ、二人だけで話したい事がある
という。彼はいつ旅立つのか?とすると一週間後の15日だと語る。
アナタは恋人は居ないと言ったのにしかし実際にはいたと指摘
される。二年も別れる恋人かと呟くと、何故恋人が居ないと
言ったのか?と問い、僕を釣るためのものだったのか?と聞かれる。
敬子は彼の事を好きになるまいと思っていたが、そう思う程に
惚れてしまった事を語る。
沢野は未練はあるが諦めると告げると
入り込む余地は無さそうだという。気が向いたら連絡が欲しい
と告げると、食事くらいは奢るという。アナタは馬鹿だとし、
二年も放って置く人を好きになるなんてと語り、一応諦めるが
僕の存在は時が経つ毎に大きくなるはずだと語る。あれほど
私の事を求めてくれた人が居ただろうかと振り返る日が来るの
だと告げると、敬子は彼と別れることを前提にした話をしている
事に卑怯だと語る。沢野はもっと格好良く別れたかったと
告げるが・・・

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いよいよ最終回前のエピソード。

沢野と敬子の関係はどうケリをつけるのか。
そして稲城家の母・キクは勝手に家を出て行った夫・兼一を
許すのか。雄一と敬子はホントに二年間別れるのか。
耕作の退職金を狙っている吉本との関係はどうなるのかという
事などが、とりあえず心配事として存在している状況である。

沢野は諦めるという言葉を繰り返し唱えているが、会話の
内容を聞いていると未練たらたらで諦めてないじゃないのって
ツッコミ処が多数存在しているところが有る。

雄一と同僚でライバルだった佐藤との会話も興味深く、彼は
5月に結婚するということ。留学試験に落ちて唯一の慰めみたい
な感じだったけど、雄一も2年後に結婚することを口にして
いたが、留学してすぐに帰国するのではあんまり意味がない。
通常は現地語を取得したら、その場に留まると思うけどね。

ポプラ製作所というところを紹介しようとしていた吉本。
ハルさんが神レベルのツッコミで、上手い事追い払った。
一筆書かせていたけど、途中から自分のラブレターみたいな
内容になっているところが笑える。

健は耕作に自分ももう大人なのだから話をして欲しいと告げ
耕作の抱えている問題などにも一緒に対峙していくことになった
けど、上手い事ハルさんの事をまた柴田家に戻したという所
かな。

稲葉家の問題はラストまで引っ張られた。
ただ明子は父親を家に招き入れたけど、容易にキクさんは受け入
れてくれるのか。許す事が悔しいとの事だけど、父親が諦め
ない限りは、キクさんもまた受け入れてくれそうだけどね。

柴田雄一 …… 竹脇無我 (長男、商社勤務)
柴田耕作 …… 三島雅夫 (父、サラリーマン)
柴田健 …… あおい輝彦 (次男、浪人)
稲葉敬子 …… 栗原小巻 (長女、航空会社勤務)
稲葉キク …… 賀原夏子 (母、ロシアレストラン)
稲葉明子 …… 沢田雅美 (次女、浪人)
春日ハル …… 菅井きん (お手伝い)
沢野敬 …… 中谷一郎 (写真家)
佐藤 …… 遠藤剛 (雄一の同僚の社員)

須藤兼一 …… 森幹太 (敬子の父)
吉本 …… 江幡高志 (耕作の後輩)

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