太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

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第8話 1972年9月8日 真夜中の刑事たち

脚本/田波靖男、四十物光男、小川英 監督/竹林進
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9時15分。マカロニは仕事を終えるが、持ち合わせの金が無く
食事の金にも困る。ゴリさんにタバコをプレゼントするも、
マカロニの下心が見え見えで、貸す金なら無いと予め釘を刺さ
れる。ヤマさんにも借りようとするが・・・
そんな中シンコがマカロニを迎えに来る。ゴリさんは二人は
デートかと冷やかすが、今日は二人とも仕事でろくに食べられ
なかったので帰りにちょっと食事に行こうとしただけだという。
そんな中夜勤の
殿下がやってくると、入り口の所で女性の
酔っ払いに絡まれた
として嘆く。最近女性の酔っ払いもやたらと
増えたなと語り合う。
ゴリさんたちは、
最近通り魔が増えているので気をつけろと
シンコに声を掛ける。

酔った女性は男性によって尾行される。女性はすぐに公衆電話
から助けを求めて警察に電話するが、男性の腰に巻かれていた
革のベルトによって殴られ、更に男性は女性のクビを絞めて
殺害
してしまう。
被害者は山中トシ子。遺体からは
大量のアルコールが検出され
る。最近起きている通り魔事件は、
必ず酔った女性を狙うとい
うものだったが、殴ったり怪我を負わす程度だったが、ここに
きて初めて犯行をエスカレートさせ、ついには死亡者を出して
しまう。何故殺害したのか捜査員達は語り合う中で、ボスは
これまでの
被害者は容疑者の顔をよく覚えていないのが特徴
なので、慎重な犯人が今回は被害者に顔を見られた為に殺害
に及んだのではないかという。一度殺人の味を覚えたら、また
繰り返すかも知れないとして、捜査員たちも緊張感を露わに
する。

被害者の所持していたバッグからはサイフが手つかずで残され
ている事から強盗目的とは違う事。駅前の会員制の
ブランシュ
というバーの
ボトルキープ用の鍵を入っている事を知る。
被害者が全員女性だという事も有り、これまで捜査員達は
なかなかプライバシーの壁を破ることが出来ず、証言も聞き出
せなかった事を告げ、殿下とゴリに対して被害者の女性から
改めて話を聞きだしてくれと語る。長さんとヤマさんには、
被害者の当日の足取りを調査する様告げる。マカロニはボスに
対して自分は何を捜査すべきなのか?と問うが、邪魔にならない
様に電話番をするよう告げる。早速間違い電話が鳴り、ラーメン
の注文の電話が鳴る。

ブランシュに行き被害者の鍵を使ってボトルを開けると
相当量の酒が飲まれている事が分かる。マスターによると、
ボトルを入れたばかりなのに、凄くよく飲んでいたという。

殿下たちは市役所に行くと被害者の一人から話を聞く。
容疑者について尋ねると、
気がついたら後ろから殴られた
ので全く犯人について目撃していない
のだという。その日は
友達とあちこちを飲み歩いていた事を告げると、殿下たちは
その友達とは誰の事なのかと厳しく追及するるすると被害者の
女性は話す謂われはないとして、証言を拒むのだった。

殿下とゴリは被害者の女性が勤めている飲み屋に行く。
ビール一本で1万4400円も取られる事を知り驚く二人。
ツケにしてくれとして殿下たちは出て行こうとすると、突然
用心棒が出て来て二人に殴りかかる。二人は女性を恐喝の疑い
で逮捕するという。
しかし二人はその女性を
中華ソバ"春楽"に連れて行くと、通り
魔の件で話を聞きたいのだと告げる。以前捜査員が彼女の
バーを尋ねた際には、営業妨害だとして追い出された為に、
こういう作戦を取ったのだと告げる。女性は殿下を気に入り
何でも話すと言うが、女性もまた後ろからいきなり殴られた
ので分からないという。ただし最後に飲んだ店はブランシェ
だったと聞かされる。

殿下たちは被害者の一人、田中トモ子の元を尋ねる。
しかしトモ子は証言を拒否する。もうすぐ夫が帰宅するので
帰って欲しいという。夫は嫉妬深いので、通り魔に襲われた事
は内緒にしている事を告げ、犯人については何も見ていない
のだと語る。学校のクラス会が有った事を確認しているが、
クラス会が終わってから襲われるまでの間は何をしていたのか?
と問い詰める。ブランシュには行かなかったか?と問い詰める
がトモ子は口をつぐんでしまう。そんな中、夫が帰宅すると
殿下たちは近くに犯罪者が居たために証言を聞いて回って
いると嘘をつくのだった。

ゴリは殿下の捜査方針に疑問を呈する。
まるで脅迫しているような捜査だという。相手は善良な主婦
なのに脅しをかけるのは良くないとするが、殿下は善良な
人ならば嘘をつくようなマネはしないとして、トモ子が意図
的に何かを隠している事を告げる。人間ならば誰だって触れら
れたくない秘密は有るとするゴリに対して、今にもまた通り魔
が犯罪を起こそうとしているかもしれない事を告げ、捜査方針
は変えない事を告げる。

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■頻発する通り魔事件

通り魔が狙うのは酔っ払った女性だという事で、何らかの性的
暴力が有るのか、金目的なのかと思わせるものが有った。
しかし犯人は革のベルトでSMバリに女性を殴りつけるという。
しかし今回初めて殺害事件に発展する。

■被害者に共通するもの

女性の酔っ払いと、被害者が最後に訪れている店が駅前の
会員制バー"ブランシュという共通点"。
殿下たちは、バーの常連客、長沢という第一商事のエリート
社員の存在を疑っていく。長沢役は若かりし頃の村井国夫
さん。言われるまでちょっと分からなかった。

■殿下とゴリさんの捜査方針の違い

殿下が優しい刑事役、ゴリさんが粗暴な刑事役として役割
を持って被害者から情報を引き出すのかと思っていたけど、
寧ろ殿下の方が強引に被害者から話を聞いていく。
ゴリさんはその方針に非難している姿が有った。

■三人の被害者女性

冒頭の人は市役所職員っぽかった。
二人目は飲み屋の女将。
三人目は団地に住むごく普通の美人妻。

特に美人妻が何かを知っているのではないかと疑うも、
流れを見ていると本当に大した事は知っていなかったような
気がする。

■刑事の違法捜査

被害者のプライバーに配慮していないとの事だけど、警察への
捜査協力は国民の義務的なものが有るから何とも言えない。
そもそも隠している事自体意味のない事だった。

寧ろゴリさんとかが無銭飲食しようとして用心棒に殴らせる
というやり口の方が汚い感じがする。
ゴリさんもパンチを避けずに真正面から受け取るところが凄い。

■マカロニは単独捜査

シンコとマカロニ、今回は凄く良い感じになりそうだったのに
シンコを勝手に囮捜査に使うという暴挙。これならば最初から
シンコに協力を求めれば良かったのではないか?という気がする。

■殿下の強引な捜査が問題になる

いよいよ目撃者からの証言を聞く家庭で、トモ子はバーの常連
客・長沢と飲んでいてホテルの前まで行っていた事実が知られて
しまう。その一人の件で夫に勘ぐられて、トモ子は自殺未遂。
よく助かったなという感じだったけど、なんかプライバシーの
使い方が不自然だった。
結局自殺したのは、殿下ではなく嫉妬深い夫のせいなんでどゃ
ないか?という感じ。

■ボスは殿下を捜査から外す。

殿下のバッヂと銃を回収したボス。
警察官という職務から外れれば多少強引な捜査が許される
と感じているのか、それとも警察官としての責任を回避出来る
のか。

■マカロニの行動が若すぎる

酒場で長沢に自分の身分を名乗ろうとする辺りのやりとりは
はマカロニの無鉄砲さだけでなく、捜査に於ける無知さを
露呈した気がする。普通捜査の過程で安易に刑事で有る事を
バラす事も居ないだろう。ここに警察官がマークしていると
思われたら犯人だって逃げるだろうしね。

■シンコの囮作戦

シンコが殿下のために単独で囮作戦を行う。
もう少し誰か別の捜査官に話を通して於いても良さそうな物。
それにしてもシンコの酒豪っぽりは凄すぎた。

犯人は、母親がアルコール中毒で暴力を振るわれていた事に
怒りを感じていた様子。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
内田宗吉 …… ハナ肇 (めし屋「宗吉」の主人、シンコの父)
武田ウタ …… 賀原夏子 (タバコ屋、早見の下宿先の大家)

長谷川明男、宗近晴見、山田はるみ、三枝美恵子、小磯マリ
藤山律子、山崎猛、村井国夫、松本路子

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