太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

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第12話 1972年10月6日 彼は立派な刑事だった

脚本/長野洋、小川実 監督/金谷稔
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男5人にリンチされる若者・タカシ
タカシは粋がり、殺したければ殺せと男達に突っかかる。
しかしそんな中で突然ボスが現れると、もうそれくらいにした
らどうか?という。豚箱行きになるぞと。5人の男はボスに対し
て殴りかかると、ボスは大立ち回りで男達を殴り飛ばし返り討
ちにする。男達は覚えてやがれと捨て台詞を吐くと、その場か
ら立ち去っていく。タカシはボスの事が一瞬で気に入り兄貴と
すり寄ってくる。

ボスはおでん屋台に立ち寄ると、そこにも一匹狼のタカシだと
して先ほどの男がやってくる。
兄弟分の杯を交わして欲しい
いう彼だが、ボスは焼酎を頼むと、タカシの傷ついた顔を消毒
する。これで少しは身に染みたか?と問うと
馬鹿なケンカは
これ以上は辞めろ
と告げる。
そこにマカロニがやってくる。マカロニはタカシの姿を見て
不思議がる。タカシはボスに対してこのチンピラ(マカロニ)は
何なのか?と尋ねると、これでも七曲署の刑事だと語る。
それを聞いてタカシは初めて兄貴も刑事だという事を知り、
その場から逃げ去っていく。ボスは大笑いし、確かにマカロニ
も彼と似たようなものだという。

おでんを食べようとしていると、
突然銃声のような音が聞こえる。
ボスはマカロニに現時に行って調べてこいという。マカロニ
はパンクした音ではないのかとするが、現場付近を調べると
男が倒れている事が分かる。警察もやってきて野次馬が現場を
取り囲む中で、その
野次馬の中にはタカシの姿も有った。

山さんは被害者を見て、彼は
梶川組塚田だという。
次の組長候補の一人で有り、現在は確か恐喝の罪で服役して
いたハズだという。しかし調べると刑務所を出たばかりだと分か
り、今回は
暴力団対策課の捜査二課との合同捜査になるかも
知れないと語る。

捜査二課の係長・川本敏雄と事件について情報を共有する。
塚田は出所したばかりで目立った動きはしていないハズであり、
町のチンピラが名前を売るためにしでかしたものではないかと
いう。
そんな中、ボス宛にタカシからの電話が鳴る。
タカシは夕べの殺しの件で話があるとし、ボスには借りが
有るので話したいという。夕べ殺しの現場を目撃しており、
路地から男が出ていくのを見たという。その男はすぐ近くに有る
石部商事不動産に入っていったとの事だった。ボスはタカシに
何故昨日の家に知らせなかったのか?と尋ねると、ボスの手柄
にしてあげたかったので、警察が多く居る中近づくことが出来な
かったのだと語る。

一係の職員たちは、タカシの情報が信用出来るモノなのか疑問
に感じる中で、不動産屋を家宅捜索する。
男の家にしてはとても綺麗にしている事が分かるが、山さんが
押し入れを開けると、突然慌てて押し込んだような部屋のもの
が落ちてくる。しかし全く証拠らしきモノは発見されなかった。

一方殿下は塚田は元々キャバレーの女・ルミの家に入り浸りで
有った事を掴み調べていた。
鑑識からの報告では、
(弾)線条痕が無いとのことで、恐らく
手製の改造銃
だろうという。長さんは最近フィリピン製の密造
銃が発見される事件が有った事を告げるが、ボスは恐らく
モデルガンを改造したモノだろうと語る。

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■ボス大活躍

冒頭から5人を相手にケンカを挑む無謀な姿が有ったけど、
傷だらけの天使のショーケンが乗り移ったのような
乱舞が見られた。ちょっと太めなボスの事だからアクション
は難しいかと思ったけど、意外と軽快。

■タカシという人物

田舎から出てきた無鉄砲な若者って感じで、ボスの男気に
惚れて恩返しに助けようとする。
マカロニと似たようなやつだとしていたけど、役割的には
「傷だらけの天使」の水谷豊さん的立場な男。

彼は恩返しする為にヤクザに入ったのだろうか?
それとも本当に捨て鉢になっていて所属しようとしていたのか。

■ボスの説得

タカシが悪の道に進もうとしている姿を見て、ボスはタカシ
を色々な人物に引き合わせる。
ギャンブルですべてを失った物。詐欺にあって工場を手放した
もの。そして梶川組の若者に19歳の娘が襲われ自殺してしまった
とする母親。

ボスが川辺で話す際には、片足をガードに乗っけて話すシーン
は"裕次郎スタイル"なのか。

■事件は組の跡目争い

今回は珍しく捜査二課との合同捜査が行われる。
二課の係長・川本俊雄は跡目争いの事を否定していたけど、
内通者の一人だった為に否定していたのか。

塚田に敵対する横尾カツトシと精通していたけど、
横尾が強き過ぎるところがまた違和感が有った。
確かに川本の方が社会的地位が有るので脅されると不利なんだ
けど、タカシが信用されていない様に、横尾の証言が有った
としても川本が否定すれば証拠はない気がするしね。

■刑事の汚職、世に公表されず

死んだら罪は浄化されてしまうものか。
まぁ亡くなったのがヤクザの組長や構成員なので、心情的には
公表はしなくても良いって感じだけど、彼の情報によって人が
亡くなっている訳だし、罪に問われないというところは不自然。
家族に罪はないけど、立派な刑事だとするのも相当違和感が
有った。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
内田宗吉 …… ハナ肇 (めし屋「宗吉」の主人、シンコの父)
武田ウタ …… 賀原夏子 (タバコ屋、早見の下宿先の大家)

平田昭彦、天草四郎、吉野佳子、小柴隆、山中貞則、三木敏彦
大村千吉、菊地直美、川辺久造、寺田誠

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