太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第23話 1972年12月22日 愛あるかぎり

脚本/永原秀一、峯尾基三 監督/金谷稔
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七曲署は地元警察と連携し、旅館"春光亭"の奥座敷で行われて
いる賭博のガサ入れを行う。激しい争いの中、
デンカが発砲
された弾丸に倒れ救急車で運ばれる
。弾丸を摘出し事なきを得
るが、手術している姿を見て山さんは、妻・高子の事を思い
出して居た。高子は元々心臓が弱く手術の際にも立ち会えなか
ったことを思い出す。心臓の左室が拡大しており、無事手術で
なんとか治療するも、正常に戻ったとはいえず、新しい血液の
流れが適合するまでは時間がかかり、それまでは絶対安静が
必要だという。
心労をかけることはよくなく、刑事の生活を
止めることも望ましい事
を聞かされる。
デンカの手術を見守っていたゴリさん、長さんは、物騒な仕事
だと語る。

帰宅した山さんは、妻・高子からデンカの手術が無事済んだ事
を喜ぶ。ニュースを見て見守っていたとし、病院にも電話した
のだという妻。後は回復するのを待つだけとの事だった。
高子はデンカの事を心配するあまり食欲がないと告げ、あなた
は遠慮なく食べてと言われる。山さんは明日非番なのでオジキ
の元にいくという。

翌日背広に身を包んだ山さん。
高子は退院してから初めての休みねと告げ、途中まで私も一緒に
買い物にいくという。

その頃七曲署では、デンカは入院しマカロニはつきっきりで
看病、山さんは非番の中、署内に居たのは長さん、ボス、ゴリ
さんだけだった。ゴリさんは珍しく食欲がない事を告げ、今頃
非番の山さんは何をしているのだろうかと長さんに語りかける。
大方推理小説でも読んでいるのではないか?という。
ゴリさんが落ち着かない事を目にしたボスは、デンカの所に
見舞いにでも行ったらどうかと告げ、もしも何か有れば連絡する
と語る。

山さんと高子は町中を歩いていると、
三人の若者がサラリーマン
を相手にカツアゲしている
のを目にする。高子は非番の時だから
として山さんが関わるのを止めようとするが、一市民として
対応するという山さん。
山さんは2人の若者(戸塚シロウ織田イサオ)と一人の女性に、
怒らせる気はないが見てしまったからには見過ごすことは出来ない
とし、サイフを返したらどうかと告げる。円満に過ごそうと。
すると若者たちは山さんに殴りかかると、豚箱にぶち込むぞと
して若者達を押さえ込む。しかしシロウは突然高子を見ると彼女
にナイフを突きつける。山さんは
現在公務ではないので見逃す
ので妻を自由にしてくれ
と語るが、妻を人質にして歩き出す。
そこまでして逃げる若者たちに何かあるなと感じる。

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■山さんが主役の回

デンカが撃たれたのでデンカ的エピソードなのかと思ったけど、
それを発端にして山さん自身が自分の刑事としての仕事と
心臓の弱い妻との関係を見つめ直していくというものだった。

山さんの家庭が描かれるのは初めて。

■違和感のある逃走・追跡劇

人命がかかっているのに、延々と山さんは若者を追い詰めない
ようにして後に付いていくだけ。

若者が罪の意識も少なく罪を重ねていくというのも分かるのだ
けど、それに対して何もしないというのもかなりの違和感のある
話だった。

若者にありがちな、意味も無く警察官を信じられないとする
身勝手な主張だけが盛り込まれている。若者が国家権力を信じ
られなくなるに至るバックグランドがないと辛いシナリオだ。

■ゴリさん、山さんの張り込み

張り込みしていても結局何をする訳でも無くただ張り込み。
隙を突いて何らかの対応をするのかなと思ったけど、たた動くの
を待っている。

それに対して他の刑事達に協力を求めないというのもかなり
歪なエピソードだった。

■ボスも不動

今回は完全に山さんとゴリさんだけで動いていたね。
ボスもいつでも協力するとは言ってずっと署で待っていた
格好だったけど結果的には何もしなかった。

■高子の病変が心配

高子が心臓の病を患っている(正確には手術をしたので回復途中)
ので、ただでさえ状況は不利なのに、極度の緊張の中、凶器を
ちらつかせられたり、徹夜させられたり、走らされたりと。

見ていて不測の事態も考えられたので常に緊張感があったところ
は凄かった。

■食べ残しのリンゴを完食しろ!

犯人の一人がそれを山さんに要求する。
凄く泥と砂が付着していたけど、食べる段階の時のリンゴの状態
はチョコレートがついていた感じ。

高子に対してナイフを突き立てる中で、山さんが犯人の少年に
根拠なく近づいていくところで、マジックナイフで刺すという
辺りの青年たちの態度には、ホント嫌悪感が出るシチュエーション
だった。

■ピーナッツ作戦

森の中で迷子にならないために通った後に道しるべとして蒔いて
いくというネタはある。コメディならばそのピーナッツを
何者かに食べられてしまい結局道に迷うとするオチが用意される
であろうこと。
高子が夫婦の阿吽の呼吸でその作戦を利用したけど、流石に
展開としてはちょっと無理があったな。都会のジャングルを
上述したような森に見立てたのかもしれないが、犯人も罪の意識
も無ければ逃亡への執着心もなんだか曖昧。ただ拉致・監禁など
も含めて、相当凶悪な事件だった事は言うまでもない。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

山村高子 …… 町田祥子 (山さんの妻、心臓の病気)

弘松三郎、鷹市太郎、奥山正勝、遠山智英子
新井一夫、中川加奈、根岸一正

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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