太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




第36話 危険な約束

脚本/市川森一、山田正弘 監督/山本迪夫
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午後7時10分。
七曲署の刑事たちは餓死寸前で発見された子供たちの親の事情
を探るためにボスと山さんを除いて出払っていた。
マカロニはボスに電話を入れると、既に勤務超過の彼は、現在
二丁目のマーケットで万引き事件が有ったので、ゴリさんが
そこに向かい、待ち合わせしているのにゴリさんが来ないこと
を告げる。待っている間にポン引きに間違われたとしてマカロ
ニはご機嫌斜めだった。ボスは近くにスナックでも無いのか?
と尋ねると、
スナック"旅路"がある事を告げると、ボスは
そこでゴリのことを待っていろと告げる。8時過ぎにはそこに
ゴリを向かわせる事を告げる。ただしマカロニに酒は飲むなよ
と釘を指し、とりあえず
8時になったら一度俺に連絡を入れろ
と告げる。

山さんはボスに
城北署圏内で起きたピストル強盗事件はまだ
捕まっていないらしい事を告げる。被害者の保険外交員は
腹部を銃で撃たれて重傷だった。630万円をその時に盗まれて
いるが、山さんは犯人の立場からすると、その金で何が欲しか
ったのだろうかと呟く。

スナック・旅路でマカロニはとりあえずカウンター席で
ゴリの到着を待っていた。

スナックの客には・・・
明日ヨットに乗りいくという学生のケンヨウコ
舎弟になりたいとしてヤクザにまとわりつく若者・池田とヤクザ。
出張にいくとして実はホステスのタエコと不倫しているトクラ
赤い服を着ている若者・坂口
スナックのマスターと、カウンターに座っているマカロニに
話しかけてくる老人だった。


9人目の客の男性・瀬木(城北署刑事)が一人店に来店する中で、
老人はマカロニに対して、誰か待っているのか?と問うと、若い
人は待ってくれる人がいて良いなと告げる。
待っている内が
人生だ
という老人。どんな女性を待っているのかと問うと、
待っているのはゴリラだと告げる。そんな中、老人はマカロニ
の背広に触れると、銃がポケットに入って居ることに気がつく。
老人はマカロニに対して、あんたはカタギの人じゃないだろう?
とし、ポケットにあるのは銃だろ?と語ると、突然後から入って来た
男性がマカロニに対して、お前は坂口だろう?とし、マカロニ
に対して襲いかかってくる。争っている中で瀬木は所持してい
た銃を床に落とすと、それを見た
赤い服の坂口は銃を拾う
瀬木に対して、銃口を向ける。瀬木は自分は城北署の刑事で
あり怪しい人物ではない事を告げるが、坂口は一発壁に向けて
発砲する。そこで初めて、
瀬木はマカロニが強盗犯ではなく
銃を拾った男性こそ、自分が逮捕しようとして追っていた坂口
だという事を知る
。坂口は瀬木の事を手錠で動けない様にする。

坂口はマスターに指示して表の看板の電気を消して営業して
いないよう装わせる。
坂口が店から一向に逃げようとしないのを知り、何故逃げない
のかと問うが、坂口は答えようとしなかった。
坂口はマカロニに対して今何時なのかと尋ねると、8時ちょうど
だという。坂口は夕べのピストロ強盗だとすると、瀬木が
所持していた
銃・コルト38SPをいじる。坂口はマカロニに対し
て自分も同じ口径の銃を所持している事を告げてそれを見せる。
モデルガンを改造したものだと知る。マカロニは手錠で繋がれて
いる瀬木に対して、そのモデルガンの銃口を向け、引き金を
弾くが銃弾は入って居ない事を知る。その行動を見た坂口は
マカロニの事を信用していくが・・・

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■スナックでの出来事

今回の舞台はスナックだった。
太陽にほえろのエピソードの中でもかなり秀逸な部類に
入る作品で、後に「刑事貴族」などでもこのエピソードは
リメイクされている。
もちろん沢山の突っ込み所は存在するのだけどね。

■スナックに居合わせる人たちの人間性

どのカップルも男性が不甲斐なく描かれていて、人は窮地に
陥るとどんな行動を取るのかという人間の心理・行動を
眺める上では興味深いものが有る。
まぁこの狭い空間内に面白いほどにバラエティ溢れるキャラ
クターたちの人生なり素材が詰まっている感じだ。

一番面白いのが、ここに居合わせる老人だった。
人生を達観しているのかどうかは分からないけど、とにかく
自分だけ逃げようとするものの行動に対して、静かに突っ込
みまくる。お前が行ったら警察を呼んでくるわなと、お前が
一度出て行けば二度と戻ってこないんだろうとか。

■刑事として男としてそして約束として

ドラマとしてもっとも優先すべき事は何なのか。
刑事としての本文は忘れてはいけないのだろうし、それでも
犯人を一人の人間として見なければならない一面も有る。

普通のマカロニならばどこかで隙を突いて戦いを挑むなり
ボスに連絡を取ることも出来たが、敢えてそれをやらなかった。

■犯人の境遇

話を聞いていると犯人の母親はサラリーマンと駆け落ちして
沼津でホステスをしているらしい。
ホステスの女性、不倫している男には、かなりの嫌悪感を
抱いている事は間違いない。

■マカロニは上手く坂口の共感を得た

改造のモデルガンの中に弾が入っていないことを知りつつ
刑事に対して銃口を向けたであろうシーンは上手く出来て
いた。そしてトイレにいく称して警察だと分かってしまうもの
を全て隠して置いたところも上手く出来ていたような感じ。

■ボスからの電話に泣くボスからの電話に笑う

ボスは七曲がり署の刑事がいることを電話で話してしまった
が為にマカロニは窮地に陥った。しかしボスはこのスナック
の営業状況がどうなっているのか。そしてマカロニからの
連絡がないことに不審を抱いて上手く警察を送り込んだ。

■マカロニ・フルボッコ

いつもならば無双化するマカロニだけど、今回はやけに
城北署の刑事にしてもマカロニにしても犯人によって戦いを
挑みはじき返されるシーンが多くなった気がする。
しかも最後犯人から殴られた跡のあざがあまりに凄すぎて
引く。メイクさん頑張りすぎだろうみたいな。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (ボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

沖田駿一、中井啓輔、小林千鶴子、波多野憲、岸野小百合
高山秀雄、高橋征郎、竹内照夫、山岡徹也、真屋順子
宮坂将嘉

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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