太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第42話 知らない街で....

脚本/小川英、中野顕彰 監督/土屋統吾郎
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ゴリはアパートの前で徹夜して張り込みをしていた。
中からはスーツケースにサングラスの男性・西二郎が出てくる。
ゴリは西のことを尾行すると切符を買って改札を入り、電車に
乗り込む。ホームでゴリはデンカとすれ違う中、
アンパンを
落としていく
。ゴリはギリギリ西を追って電車に乗り込むこと
が出来た。

デンカは七曲署につくとゴリと駅のホームでぶつかってアンパン
を落としていったことを話す。山さんは死んでも食べ物を
離さないゴリさんの身に一体何が起きたのかと告げる。今のと
ころ署としても特別な事件は扱っていないはずだという。
それを聞いていたボスはオレもゴリ本人も
事件性があるかどうか
は分からないがその疑いがある案件を捜査している
とのことだ
った。夕べ勤務明けにゴリがスナックで食事をしていると、
違法駐車している車をパトロール警官が店に問い詰めた際に、
客の一人が警官を見て反応を示したのだという。ゴリは何か
ど偉い悪事を働こうとしているのではないかという勘が働き、
その報告を受けたボスはゴリが気の済むまで捜査しろと許可
したのだという。

ゴリと西は、
北和泉という街に降り立つ。
尾行していたゴリがスナックに入ろうとしているのを、北和泉
署の警察官、新谷裕二と相棒の山本刑事が見ていた。
ゴリは西の後を追ってスナックに入るが、入り口のところで
如何にも暴力団関係者だと思われる男に入店を断られていた。
ゴリは店の奥に女性と共に西がいることに気がつくと、店内に
入ろうとして構成員たちと乱闘騒ぎになる。それを嗅ぎつけた
刑事の新谷と山本が割って入り、署に現場で暴れていたものたち
を連れて行く。ゴリさんも一緒に連れて行かれるのだった。

ゴリが七曲署の刑事だと知ると、署の責任者の係長・新谷は
別の署の人間が何をしているのかと問う。ゴリは
街で見かけた
男が不審な感じがしたので追ってきただけ
だとするが、この
街は我々の管轄であり、
例え男が犯罪を犯したとしてもゴリ
に捜査権はない
として、東京に戻るよう告げる。ゴリが尾行
していた男は
新宿でバーのマスターをしている西次郎という男
で一緒に居た女性は黒岩という暴力団・
黒岩興行の社長、
黒岩の情婦だという。ゴリに対して勘だけで動くなんてどうか
していると告げる新谷。
そのやりとりを聞いていたベテラン刑事の一人・古山は、突然
係長に対して
あんたは銃を撃ったことがあるのか?と問うと、
係長は撃ったことはないが射撃訓練では常に上位の成績を収めて
居る事を語る。古山はゴリに対して、
この人は物事は計算通り
にいき全ては理屈通りに行くと考えている人物
なのだという。
新谷は上司に向かって失礼だと言わんばかりに睨み付けるが
オレの愚痴が聞けるのも明日限りだとして、無礼講だろうと
ばかりに口を出す。ゴリは警察官として行動を起こさないので
おれば問題はないだろうとして、バッヂと銃を北和泉署に
預かってもらい捜査を再開する。

ゴリは署から出るとデンカに現在北和泉街にいることを電話
報告する。ここの警察官は最悪で、青臭い若造の上司と、
定年後の金勘定をしているベテラン刑事しかいないと愚痴
る。オレは不審者のしっぽを掴むまでは決して帰らないと
伝えて置いて欲しいと語る。

ゴリは町中を探し回り、以前に乱闘騒ぎを起こしたスナックに
停めてあったものと同じ
赤い車種の車を見つけて中に入ると
案の定そこには西と女性の姿が有った。しかもそこには
暴力団の構成員たちが数名集まっている事を知る。
ゴリは低姿勢になり、先ほどは済まなかったと謝罪し、自分も
警察で絞られてきた事を語る。黒岩という男のせいでとばっちり
を受けたのだと告げると、目の前にいた男は、私が黒岩だと
告げ、迷惑をかけたとして、ステーキをゴリに振る舞ってくれ
る。ゴリはダンスホールで用心棒の仕事をしていたがクビに
なりこの街に来れば仕事があると言われたから来たのだと告げる。
黒岩はゴリを気に入り雇ってくれることになる。
そんな中、ゴリたちの前に新谷刑事と女性がやってくる。
黒岩たちによると、女性は古山刑事の娘のヨウコだという。
二人は付き合っている事を知る。

ゴリは黒岩と共に黒岩興行に戻ると、そこで待っていたのは
なんと古山だという事が分かる。

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■ゴリさん単独のエピソード

ちょっびり突拍子もない事から始まる今回の事件。

見切り捜査な上に他の管轄の領域にも足を踏み込むという
こと。まるで援軍のない中でのヤクザや殺し屋と対峙しなけ
ればならない状況のでの捜査ということでネタ的には結構
無理があるような話にも思えた。

■警察とヤクザの癒着?

今回のエピソードを見ていると、北和泉署の刑事の誰かが
暴力団と精通しているのではないかなということは容易に
想像がつくところだったけど、それが誰なのかということ。

結果的には古山が精通しているといえば精通していた感じ
だけど、その関係性に関してはそんなに悪いことをしている
間柄には見えない所も有ったな。

■ゴリさん潜入捜査

北和泉署の刑事とゴリさんは面が割れていることも有った
ので刑事と会う度にヒヤヒヤさせられる展開だった。
ただ冒頭でゴリさんが不自然に暴れまくったお陰で上手い事
暴力団からの信頼を得るような流れに繋がった。

■北和泉署

悪者はどう見ても課長の新谷だろうという感じだった。
しかし実際には古山の方がヤクザと精通していて、ヤクザ
を使う方が犯罪を防げることも多いと考えたようだ。

係長の方は単純に経験値が低いキャリアの人間だったのかな。

目撃証言をする際に、何か言おうとしていたのを古山が止めて
いたけど何を言おうとしていたのだろうか?

■定年前にやり残したこと

明日が定年だとしながら、なんだかいつ定年なんだみたいな
時間の流れが有った。そもそもゴリさんも夜勤明けからずっと
寝ていない感じだったしね。

古山はかつてこの町が田舎だった頃に、犯罪者との対峙に
於いて黒岩に助けられた事が有ったようだ。
その時の縁もあって、これまで関係性が有耶無耶になった
まま定年の時を迎えてしまっていた感じ。

■銃に対する複雑な心情

太陽にほえろと言えばやはり銃に対するそれぞれの刑事の
思いというのが色んな意味でドラマを盛り上げている感じ。
初めて銃を使用する時の心情なり象徴的なエピソードの
使われ方は多いね。
今回の古山もまだ若い時代に銃を撃ったことがない時代に
始めて銃を使う場面に於いて、ビビッて銃を落としてしまい
拾えずにいた事が分かる。

最後、黒岩と西を検挙に向かう際に、誰の銃弾が当たった
のかが分かりづらいものがあったけど、最後のやりとりで
実際にあの時銃弾を当てたのはゴリさんだった事を知る。
ゴリさんって銃嫌いで有名で、銃を持たないとしていた時も
有ったよなぁ。

■マカロニ出ず

今回マカロニの姿が全く見られなかった。
最近マカロニが出ないことが多い。やはり当時のショーケン
は忙しかったのかな。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

古山刑事 …… 小栗一也 (北和泉署)
黒岩社長 …… 神田隆 (黒岩興業)
新谷裕二 …… 久富惟晴 (北和泉署・係長)

戸部夕子、京春上、貫恒実、松本伊佐武
石川隆昭、築地博、久本昇、岡本隆、金子富士雄


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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