太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第50話 俺の故郷は東京だ!

脚本/小川英、中野顕彰 監督/山本迪夫
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宿直だったマカロニは朝、登庁してくるゴリと長さんに起こさ
れる。夜勤で疲れている中で、マカロニは夜勤明けにはデンカ
と共にロックコンサート(マカロニはJAZZと語る)に行く事に
なっていた。
七曲署を出たところで、同僚の警察官からマカロニに話がある
としてカップルが来ている事を語る。古屋三郎(サブ)野口アサコ
(アコ)と呼ばれる二人で、友達が殺された事を語る。死体が
この人のアパートの部屋にあるのだという。
マカロニは二人のことをボスたちの元に連れて行くと自分は
彼らに任せて帰ろうとする。しかしボスはそれを許さなかった。

二人から事情を聞くと深夜映画を見てから帰宅すると遺体が
部屋にあったと語る。私たちは二人で今夜9時5分に船
"ぶーげんびりあ号"に乗って帰郷しようとしていた事を語る。
二人は福岡の玄海島の出身で国に帰って結婚式を行うのだと
いう。被害者である片桐ヒロシも同じ島の出身である事を聞く。
仲間が亡くなったのに悲しそうではないのではないかと問うと
ヒロシは最近とても冷たかった事を告げる。

現場のアパートでいろいろと質問をしながら証拠を見極めて
いく。ヒロシが殺害されたナイフはサブのものだった。持って
いく必要がないのでテーブルに置いておいたというものだった。
壁にかけられているコートは誰の物なのか?と問うゴリにヒロシ
のものだと語る。コートの中からは黒い手帳が見つかる。

PM 1:00。デンカはマカロニと待ち合わせしていたカフェで待って
いたが、こない事に憤りを感じる。

一方サブとアコのことを別々に七曲署の取調室で話を聞く。
二週間前に購入した船のチケットで、三人で5年前一緒に島を
出てきたのだという。三人でセントラルレコード東京工場
入社とたという。しかし取り調べをしていたものたちは、その後
アコは喫茶店で働いているし、ヒロシは本社で秘書課で働いて
いる事を指摘し、三人の境遇が違い過ぎるのではないかという。
あいつは取り入るのが上手いので出世したのだという。
アコとサブが婚約したのはいつなのか?と問うと、元々島を出る
時から付き合っていたが、正式に婚約を申し出たのは一ヶ月前
のことだという。
どうして故郷に帰ろうとしていたのかという問いかけに、
アコは東京の暮らしに疲れた事を語る。

そんな中、聞き込みの結果、サブとヒロシが夕べ口論していた
という情報が入る。ヒロシから話を聞くと28万円を彼に
貸していたが、帰郷する前に返してくれる約束だったが、
返してくれなかったのだという。金ができ次第に送るとは言って
くれていたとのこと。
死亡推定時刻は22時前後だという事だが何処に居たのかと問う
と、ヒロシは野球を見た後に故郷の先輩である清さんの店に
居たのだという。DOELLというスナックでバーテンダーをして
いる事だという。

アコはマカロニたちがサブの事を疑っていることに憤りを感じる。
人を殺せるような人ではないこと分かるとマカロニは告げるが
アリバイの確認はしないといけないとのこと。
アコたちが9時に船に乗るように、俺も今日は夜勤明けにJAZZ
コンサートにいく予定だった事を告げ、チケットが無駄になった
と語る。

アコとマカロニで清さんの店でサブのアリバイを確認しにいく中
でデンカは二人の姿を対向車線に居るのを見つけて尾行する。
スナックDOELLにいくと、デンカは外で車から二人の様子を
監視。マカロニとアコは清さんからサブの昨日の足取りを尋ねる
と、彼が店に来たのは8時だったと語る。野球が始まった頃なので
よく覚えているのだという。アコは清が嘘をついているとして
激怒するが、清は嘘はつけないとし、サブならば別のことで
容疑は晴らせるだろうと語る。ヒロシについて尋ねると、彼は
とても無理をしていた事を告げ、いきなり工場の主任に抜擢され
そして本社の秘書課に勤務したのだという。
サブのアリバイが崩れたとして改めて容疑の目を向けると、
アコはマカロニの事も信じられないとして、自分でアリバイを
調べると出て行く。するとアコは二人組の男によって誘拐されそう
になる。マカロニは犯人の車にしがみつくが振り落とされる。
外で待機していたデンカがなんとかアコを助けるが、車は
逃げられてしまう。
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■マカロニの元に一組のカップルが・・・

福岡県の玄海島からやってきた、サブとアコというカップルが
やってくる。サブの家で殺されて発見されたとするヒロシの事
を話しに来る。三人とも同郷の仲間で、そのウチの一人が殺さ
れたことで、痴情のもつれを感じさせるが有った。

凄いのはサブは殺されたということを知りつつも面倒なことに
なるので通報はせずに帰郷しようとしたということ。
同郷の友達と言ってもかなり冷めているような印象が有る。

■アコとサブは今夜の船で帰郷しようとする

9時5分に出発する船"ぶーげんびりあ号"で帰郷して故郷で結婚
しようとしているとのこと。
その為に今回は太陽にほえろ!では珍しい形の時間を意識した
捜査・演出が行われる。

ボスは例えアリバイが証明されても今夜帰郷することは難しい
ことを告げるが・・・

チケットは二週間前に購入したということ。
カップルが二週間前から計画的に殺害を決行していった可能性も
排除できない。

■チケット

チケットと言えばデンカとマカロニは今回ロックのコンサートに
一緒に行こうと考えていたようだ。
マカロニはロックではなくJAZZだとしていたけど、その辺は
本当のところどうだったか分からない。

デンカが交差点の対向車線でマカロニの車を見かけて尾行する
という流れは面白く出来ていたな。デンカとしてみれば
マカロニは女性とコンサートに行こうとして裏切ったと思った
のだろうか?

■ヒロシの人物像に迫る

ヒロシは会社でどんどん出世していったことを聞く。
最初は工場主任から始まり今では本社での秘書課の社長秘書という
肩書きを持つ身であるらしい。

しかし聞き込みしていくウチにヒロシという人物が徐々に明らかに
なっていく。

サブからは30万円を借りるも返済せず。
倉田工場長は彼を主任にしたのは、脅されていたからのもの。
不倫をネタに強請っていたようだ。

宝亭というトンカツ屋の主人も競馬のノミ行為を行っていること
をネタに30万円も支払っていたということ。

■アリバイ

今回はアリバイ捜査がメインだった。
特にヒロシのアリバイを証言するスナックDOELLのマスターで
同郷の先輩の清さんがヒロシが語るアリバイとは違うことを
語ったことで一気にヒロシの犯行説が強まる。

殺されたヒロシの交友関係から、三人の人物がピックアップ
され、
K = 倉田工場長
T = トンカツ屋宝亭の店主
J = ???
となる。
Jは社長ジュニアだということが判明し、調べるとジュニアたち
はスナック"L"の常連客で、ヒロシはジュニアたちも脅していた
のかに思われた。

ジュニアたちのアリバイも証明されたことで、最終的にはアコの
アリバイだけが証明されていないことに気が付いていく。

■意外な事実

アコが襲われたことと、ヒロシが殺害されたことで何か秘密がある
ことを疑う。

ジュニアの出世に対してアコがジュニアと寝ていたことが判明する。
協力するアコも有る意味凄いけど、三人のウチだれか一人でも
出世出来れば良いと考えていたようだ。

ヒロシのトイレでマリファナが発見されて、それを巡って争いが
発生している事が分かる。

■犯人は・・

結果的にスナックで麻薬の取引をしていた清さんが犯人だった。
清の一番のお得意さんがジュニアであり、そのマリファナを
ヒロシがかすめ取ったことが原因だったようだ。

アコという人物は純粋で真剣すぎるところがあるということで、
アコ犯人説も出たが・・・

■東京が故郷

東京という街に関して、汚いことを口にするアコたちに対して
東京出身のマカロニとしてはそんな印象のまま帰郷させたくない
と考えた様子。
ボスも東京出身だが、故郷だと考えたことがなかっただけに
マカロニの言葉が斬新に写ったようだ。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)

野口アサコ …… 坂口良子 ("アコ")
古屋三郎 …… 頭師佳孝 ("サブ")
本田セイジ …… 園田裕久 (スナック DOELL)
加賀高志 …… 亀谷雅彦 (セントラルレコード・社長の息子・ジュニア)
倉田工場長 …… 松尾文人 (セントラルレコード)
宝亭店主 …… 本田三千雄 (トンカツ店・競馬ノミ行為)

松尾文人、中村俊男、磯村健治
武田昌之、中島公子、富士野幸夫、小坂生男


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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