太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html




 

第54話 汚れなき刑事魂

脚本/長野洋、小川英 監督/高瀬昌弘
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ジーパンは非番の時、パチンコ店に行き多数のタバコをゲット
する。帰宅すると母・たきからは、全部タバコに交換するので
はなく半分くらいは缶詰にしてくれたら良いのに・・と愚痴る。
缶詰は重いだろうというジーパン。非番とはいえ刑事が朝から
パチンコ出来るなんて世の中良くなったのねと皮肉る。

スナック・CHANELでは、ランチ時でカウンターには人が一杯座
っていた。従業員はコックの林和正、スナック経営者のママ・
滝田染子、そして見習いコックの牧恭一、客は入り口近くの
カウンターから、保全信用金庫に勤める川島健太郎、写真家の
梅津圭助、役者の小金井四郎木下哲也、竜神会組員の池上平吉
だった。
牧が厨房に入ると同時に突然ダイナマイトが爆発し、店は
ぐちゃぐちゃになる。

すぐに警察も現場へとやってくる。
店内に8名いたウチの、3名は即死で2名は意識不明の重体、
もう1名も命はあるが危ない状況だという。2名だけは軽傷だ
ということだった。
ジーパンも少し遅れて現場に入り、現状を見ると思わず現場の
凄惨さに吐き気を催し外に飛び出す。ボスは病院に行き、
山さんの手伝いをするようジーパンに告げる。2名が軽傷なので
話を聞いてこいとのことだった。
山さんは池上と牧から話しを聞く中で、ジーパンは牧の姿を
見て驚く。彼とは鶴岡町の派出所勤務時代からの顔見知りで
性格の良い学生だった。ジーパンは牧に話を聞くと一ヶ月前
からあの店で見習いのコックをしていたという。

署に戻ると鑑識からの結果が報告される。
店の入り口付近に有ったダイナマイトによって爆破されたこと。
目覚まし時計と電池の破片が見つかったことから、時限式の
爆弾であること。しかし犯人の狙いは一体何なのか。一人を殺す
為にみんなを爆破に巻き込んだという事なのか。それとも
無差別なものなのか。誰が狙われたか分かりづらいようにする
為に意図したものかもしれない事を語る。しかしダイナマイト
は素人には手に入れずらいものなので、ボスは長さんに出所
を調べるよう指示し、ゴリとデンカには店に出入りしていたもの
の捜査、山さんとジーパンには亡くなった被害者の家族から
話を聞くよう告げる。

ジーパンは初めて山さんと組んで捜査することになった。
牧はとても良い奴だというジーパンに対して、山さんは犯人
の可能性があることを忘れてはいけないと語る。刑事というの
は常に疑ってかかるものであり、今回の事件の軽傷者は2名で
あり、そのウチの一人が牧である事を語る。
牧に限って犯人なんてことはあり得ないとジーパンは語る。
牧のアパートに行ったり、被害者の一人・川島が勤めていた
保全信用金庫へと足を運ぶ。すると役員の一人・平井栄三
川島は次の理事長に内定していた人物だという。しかし社内
での噂として、理事長の座を巡り争いが発生しているのでは
ないかと言われ、自分が犯人のように言われていることを自虐
的に語る。

一方池上は敵対する戸川組のチンピラの事を追い回していた。
ジーパンたちはそれを見つけて止めると、池上から話を聞く。
戸川組のものがオレを殺そうとしたに違いないということ。
それを聞いてチンピラから話を聞こうとするが、いつの間にか
走って逃げるのを見つけ急いでジーパンが追いかける。
チンピラは戸上組のオフィスへと逃げ込むと、ジーパンはその
中に入り込む。戸川組・組長はジーパンを見て、池上の手下
の竜神会の組員だと勘違いし銃口を向ける。ジーパンは刑事
である事を告げ、銃刀法違反で逮捕すると語るが、組員たち
はこんな格好をした刑事は居ないとして襲いかかってくる。
多くの人数がジーパンに襲いかかる中、空手二段の彼の敵では
なかった。
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■爆破事件

今回はスナックで起きた爆破事件。
かなり物騒な事件だけど、ネタとしてはなかなか面白かった。
冒頭から客の全員に焦点が当たり、誰が容疑者なのか、
そして誰がターゲットにされているのかを一瞬で視聴者に
提示した格好だった。過去のエピソードでもスナックで居合
わせた客が・・・みたいなエピソードが有ったよなぁ。
まぁ冒頭からどう見ても容疑者は、水谷豊さんなんだけどね。

■ダイナマイトが犯行に使われている。

今のインターネットで何でも調べられる時代ではないので、
それなりに爆薬と起爆装置、時限式のタイマーを接続させる
という意味では容疑者は特定しやすいものがあるのかも
知れない。何故ダイナマイトの流れが容易に見つからない
のかが不思議だけどね。

■人は誰でも環境によって悪になるのか

不幸な境遇にあった過去の人物が犯罪に走ると言うケースは
ドラマではありがち。
ただ不幸な境遇にあったからと言っても犯罪者になるのか
と言われると大多数はそうはならない。
昨日視聴した刑事のまなざしの最終話でも、犯罪者は
不幸な生い立ちによって幼少期から青年期にかけて相当
辛いことを味わってきた人物だった。誰か一人でも支えに
なれる人が居れば人生は変わるのだろうけどね。

■ジーパンの無双っぷり

設定として空手二段だという事で、手が凶器そのものだと
いうゴリさんからの指摘があった。ジーパンの役割は
マカロニの領域を超え、ゴリさんの領域へと足を踏み入れて
いる。力技と言えばゴリさんの役割だったんだけどね。
ジーパンが登場して二話目なのでまだまだなんとも言えない
けど、白兵戦に於ける見せ所は殆どがジーパンがもっていった
感じだ。
暴力団に足を踏み入れた際に凄い勢いで倒していくところが
また凄かったね。アクションの殺陣もとても格好良い。

■山さんとコンビ

前回、ゴリさんのコンビの中でも刑事とはこういうもの
という問いかけがジーパンに対して行われていたけど、
今回は山さんがジーパンに自分の中の刑事とは何かを
説こうとしていた。ただ最後になって山さんは、そんな
自分の主張を否定し、ジーパンは今のまま、人を信じる気持ち
を持って捜査して欲しい事を語っていた。

■手足が武器に。

上述したことにも繋がるけど、空手を習っているだけ有って
彼の力そのものが武器となる。
そんな腕を使って今回彼はなんと、逃げようとする犯人の
目の前で手錠を手刀で叩き切るという行動に出た。
相手が撃たない・爆発させないとする信じる気持ちや、彼の
中の良心を上手く引き出す行動を取ったところに勝利が
有った様だ。

■尾行はちょっとお粗末

毎回思うけど、どうしても尾行シーン・張り込みシーンは
距離感からすると明らかに対象者から刑事の動きが
見え見えになってしまっている感じ。この辺は当時の刑事
ドラマっぽい味付けかな。

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)

署長 …… 南原宏治(署長)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)
柴田たき …… 菅井きん (ジーパンの母、夫は殉職)

牧恭一 …… 水谷豊 (元大学生・コック見習い)
戸川組 …… 堀田真三 (組長)
工事作業員 …… 中島元 (丹沢の現場で一緒に働いた)
戸川組 …… 村山達也 (逃走するチンピラ)
梅津圭助 …… 門脇三郎 (カメラマン・死亡)
小金井四郎 …… 由起卓也 (役者・死亡)
林和正 …… 宇留木康二 (コック)
川島健太郎 …… 草間璋夫 (保全信用金庫・理事)
木下哲也 …… 今井和雄 (重傷・メガネ)
滝田染子 …… 東静子 (スナック・CHANELのママ)
平井栄三 …… 見明凡太朗 (保全信用金庫・新理事長)
池上平吉 …… 武藤章生 (竜神会組員・軽傷)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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