太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第75話 仕掛けられた銃声

脚本/永原秀一、峯尾基三 監督/石田勝心
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片岡テツオは姉・キミエに逢う。
姉は自首した方が良いとするが、テツオはもう二度と逢えない
かもしれないので逢いに来た事を語る。これから外国に逃げる
事を告げ、密航の手はずを整えてくれる人物がいるという。
そんな中ゴリとジーパンはキミエの後を尾行しており、テツオ
を捕まえようとする。キミエはテツオを苦そうとして警察の前に
盾になる中、テツオは逃げてしまう。すぐに辺り一帯を閉鎖し
一軒ずつしらみつぶしに犯人を捜していく。
ゴリは居酒屋を調べていると、4年前まで七曲署の刑事だった
佐山卓に偶然逢う。刑事を辞めてから何をしていたのかと問う
と色々な事をしていたという。ゴリは今は仕事中なので一緒に
飲む事が出来ないが、また是非逢いたいとして、どこに連絡を
取れば良いのかと問う。自分はこの界隈の安酒を店に来れば
居るという佐山。そんな会話をしている中、近くから銃声が
聞こえてくる。

現場近くの雑居ビルは一度ジーパンが捜査したものだったが
その時には人がいなかったという。音の聞こえたビルに入る
となんとそこには男性が銃を手にして亡くなっていた。
その男性は七曲署が追っていたテツオだという事が分かる。
手にしている銃はサイレンサー用の銃の穴がついていることが
分かる。

元々この事件は、9日前の12月12日に中光商事に強盗された件
を追っていたものだった。守衛の話では2人組の男性でナイフを
所持していたという。
現場から発見された指紋などが、後藤シンヤと片桐テツオ
が容疑者として浮上し、指名手配の日に後藤がナイフによって
刺殺されて発見されたもの。そのナイフにはテツオの指紋が
付着していた事から、金の分け前を巡るいざこざから仲間割れを
起こして殺害したであろうことを掴んでいた。

山さんたちはボスら七曲署員が集まる中で、現状を報告する。
現場に他殺を臭わすものはないが、自殺だと断定していいもの
なのかというものだった。そもそも相棒を殺害した際には
ナイフを使っていたのに、何故今回は銃を使用しているのか。
既に金が入って邪魔なものも居ないハズなのに、ここに来て
銃を手に入れたという行動も不可解で、更に容疑者の姉の話に
よるとテツオには密航の手出すけをする人物がいたこと、
そして何よりも2500万円が見つかっていないのだという。

ゴリは片桐家の墓にいくと、そこでナミオと逢う。
ナミエはあの時、弟を逃がす為に警察を止めようとしたことが
間違いだったと告げ、長い目で見れば警察に逮捕された方が
良かったと語る。何よりも生きてさえいればやり直すことも
出来たのだという。ゴリはテツオに関して何か些細なことでも
良いので教えて欲しいと語ると、二週間前に印刷工場を辞めて
家でゴロゴロしていたり一日中何処かにいなくなったことも
有ったという。実は一年前にも同様のことが有り、会社を辞めた
後に泥棒に入って警察に捕まったのだという。ゴリは印刷店を
辞めた後に後藤と逢って金庫破りの準備をしていたのだろうこと
を告げる。ナミエは実は弟の行動を不審に思い素行調査を
探偵を雇って調べてもらっていたと語る。
名刺を差し出すと、そこには協立探偵社・佐山卓と書かれていた。

佐山に逢う山さん。なんと佐山は片桐が死んだ現場に来ていた
のである。
今は探偵をしているのかとして問うと、片桐の姉に頼まれて素行
調査をしていたという。現場だけは調べておかねばならないと
考えたとし、捜査には出来る限り協力すると語る。

山さんはオフィスに戻るとボスたちに対して佐山は昔の彼とは
違うという。第三の男は佐山ではないかと。
しかしそれを否定するのはゴリだった。私は銃声が有った時に
30m離れた場所で佐山と飲み屋で会話していたこと。もしも
彼が犯人ならば完全犯罪だという。
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中光商事で起きた金庫破りの強盗事件に於いて、捜査していた
ゴリとジーパンは、片桐テツオを容疑者として捕まえようと
する。彼は海外に逃亡しようとしていたことも有り、最後に
姉のナミエと逢おうとしていたことが分かる。捕まえる段階に
なりナミエが逃走を手助けしたことで取り逃がしてしまう中、
近隣を探していると雑居ビルで銃声が聞こえ、亡くなっている
のが発見される。被害者はテツオ本人で銃を手にしていたこと
から、自殺したのではないかとする見解を見せる反面、
仲間割れした際にはナイフを使って殺害しているにもかかわらず
何故ここに来て凶器を銃に変えたのか疑問に感じていた。

七曲署の元刑事というのが登場し、特にはゴリさんと懇親にして
いたことも有って、ゴリさんが今回のエピソードの主役的
役割りを果たしていく。

刑事時代の佐山は正義感溢れるもので、多少の法は破ったとしても
善行の為に行って居たことも有り、例え犯罪者であれ彼が
金目当てに人を容易に殺害するとは考えられないとする主張が
存在していく。

冒頭から佐山がクロだとして決め掛かっている状況だったので
別の流れというのも想定したけど、結果的には額面通りの展開
だった。途中でゴリのミスで目を失った被害者の4年前の事件の
ことが描かれていたので、その目を失った人物が、事件に
何らかの関わりをもっているのではないかと目を見張らせて
いたけど、残念ながらそういった伏線も存在せず、結果的には
ゴリが当時の心情では違い、銃を手にしていてその中には弾を
込めていたこと。逆に佐山は、2発の銃弾のウチ、1発しか銃弾
を込めておらず、最後は自殺しようとしていたことが判明する。

刑事と名の誇りを失った時に、人はこれ程までに人生を狂わせて
しまうものなのか。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)

永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)
柴田たき …… 菅井きん (ジーパンの母、夫は殉職)
西山隆行 …… 平田昭彦 (署長)

佐山卓 …… 土屋嘉男 (元七曲署の刑事)
片桐なみえ …… 木内みどり (テツオの姉)
片桐テツオ …… 根岸一正 (強盗、殺人)

天坊準、早坂ひとみ、夏木順平



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