太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第82話 最後の標的

脚本/長野洋 監督/高瀬昌弘
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公園で若者たちの乱闘騒ぎが有り通報を受けた一係は総出で
それを止めに入る。ジーパンがその内の一人を捕まえるとそこ
にはかつてジーパンが射殺した犯人の妹・町田和子の姿が有っ
た。町田の姿を見てジーパンの脳裏には"兄ちゃん"と叫ぶ
和子の姿が思い浮かぶ。

ジーパンが落ち込む中、ボスはゴリに対してジーパンを射撃場
に連れて行くよう告げる。
射撃場にいくと、ゴリとジーパンは練習するが、後ろから声を
かけてくる老人の姿が有った。ジーパンは見知らぬ人物だった
が、ゴリは彼のことを根来さんと呼ぶ。現在本庁の庶務課に
勤務しているが、その前は一係の室長をしていたという。元
射撃学校の教官であり、銃の神様だと言われた人だと聞かされる。
ゴリも警察学校時代に教わったことで、銃について少しは自信が
ついたのだと語る。

ジーパンに対して根来は質問する。
警察は何の為に銃を持っていると思うのかということ。
プロと対決する際に君のように肩口だけを狙うやり方で勝てる
と思うのかと問われる。君自身が的になりたくなければ相手を
一発で仕留めるのだという。
根来は庶務担当は外回りをしてきた刑事にとって事務職は
退屈だとして今日限りでジムは止めることにしたのだという。
銃とも今日限りで終わりだということ。ジーパンに対して射撃
の訓練に付き合ってみないかと誘う。
銃の撃ち方を学びながら標的に向けて二人は発砲する。
「横ばかりみて歩くな」「スピードがまだ遅いが狙いは良い」
しかし右の肩口を何故ねらうのかと問うと、ジーパンは俺たち
が射撃訓練をしているのは人殺しのためではないという。
そんな甘い考えで敵を倒せると思っているのかと問われ平行線に
終わる。

一方マンションに入ろうとしていた男女のウチ、男性が銃弾
で撃たれて亡くなる。警察はすぐにかけつけるが、女性は涙
でパニック状態。長さんもジーパンも女性から話を聞き出そう
とするがまるで手が付けられなかった。デンカがやってきたの
で頼むと、デンカには口を開く女性の姿が有った。
彼女の名前は須藤エミ。一緒に居たのは脇田さんだという。
暗がりの中から撃たれたので犯人のことは何一つ見ていない
とのこと。心臓を一発で打たれていることが分かる。
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公園での若者たちの乱闘騒ぎの通報を受けて検挙にいくと
ジーパンはそこで捕まえた女性が町田和子だと知る。
ジーパンは当時医療従事者を殺害する被疑者で逃走を繰り返して
いた町田勇一に対して投降を呼びかけるも反抗てしきた
為に射殺していたことが有った。例えどんな命であれ、人の
命を奪った重みを感じて居たジーパンは落ち込む中、ゴリと
共にボス命令で訪れた射撃場で、銃の神様だと言われる、銃に
心血を注いできた引退間近の刑事と出会う。

ジーパンと根来という対象的関係の存在。
銃を使う限りは一発で相手を仕留めなければこっちが殺される
とする根来に対して、ジーパンはあくまで銃は命を奪うモノで
はなく肩口を狙うという姿勢を貫くモノがあった。

次々と繰り返し犯罪が起きて、銃の名手が犯人だとする流れを
見れば明らかにその犯人が根来であることは分かるものが有る
んだよね。それが一係のメンバーに分かるまでに、どれだけ
多くのことをジーパンに対して伝えられるものがあるのかという
ところに繋がって居るエピソードでは有った。

殺された脇田(金融ブローカー)、矢野ケンタロウ(不動産業)
岩井(殺し屋でルガーを好んで使う)が殺されていくが、それに
共通するものは一体何なのか。

捜査中にもジーパンは岩井を捕まえる際には、自分の撃った銃弾
はかすりもせず、根来からの指導を受ける。
更に食事まで呼ばれることになり、そこで初めて、根来が犯行を
繰り返していることを知る。

そして次なるターゲットもセカンドハウスで住んでいる産業開発公団
の富山平太郎と、娘のアキ子。

ジーパンとしては38口径での命中精度では勝つことは出来ないし
殺傷能力から考えて、彼が昔使っていたS&W ミリタリー&ポリス
の22口径であり、威力が弱いが精度の良い銃だという事を聞く。
元々は射撃競技のものだとしていたけど、今のジーパンにとっては
人を殺さずに敵意を失わせる事の出来るこの銃が似合っているの
かもしれない。

銃の是非については過去にも書いたけど、このドラマの刑事ならば
誰でも一度は悩む問題だよね。

ドラマとして興味深いのは、ジーパンが犯人に気が付いたのは勿論
のこと、それ以外の捜査官が何処で容疑者に気が付いたのかという
ところだろうね。

最近久美ちゃんがちょっぴり感情的対応をして、うっかり不謹慎
な発言をしてしまうというシーンも出てきたな。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
早見淳 …… 萩原健一 (マカロニ)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)

永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)
柴田たき …… 菅井きん (ジーパンの母、夫は殉職)
西山隆行 …… 平田昭彦 (署長)
柏木麻江 …… 有吉ひとみ (デンカの恋人)

根来新平 …… 北村和夫 (元刑事、銃の神様、末期がん)
町田和子 …… 北原一実 (町田勇一の妹、#76で殺される)

西川敬三郎、池田生二、松下達夫、吉田静司、府川房代
清水石明美、国井正広、折尾哲郎、佐藤勝貫、森下明



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