太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第89話 地獄の再会

脚本/市川森一 監督/竹林進
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一係のボスの元に女性客・鮫島玉枝が来ていた。
捜査から戻って来た山さん、長さん、ジーパン、そして久美は
その女性が誰なのか気になる中、ゴリも戻ってくる。
玉枝はボスに対して私はこれからも一人で生きていくことを
告げ、小さな飲み屋だが息子と食べていくことくらいなら出来る
という。今更刑事の妻に戻っても昼も夜も神経をすり減らすだ
けだし、夫といればノロマだかと気が利かないとか言われる
だけで、今の方が余程自由で気楽だという。ボスの気持ちは有
りがたいとするが・・
そんなボスの元にデンカから電話が鳴る。コッチ側はまだ
話すきっかけがない事を告げ、山田署に移ってから初めての
総監賞の手柄故に話が終わらないのだという。

その頃デンカは、珈琲の店"ピノキオ"にて、山田署の刑事、
鮫島勘五郎と後輩の青木孝文が総監賞を受け取る為に本庁の
方に来ていた。青木は先輩のお陰だとして喜ぶ。
二人は女子高生を複数人殺害した強盗殺人"滝川事件"を逮捕
した為に表彰されたのである。青木は国の父にこの賞を見せたい
旨を語ると、鮫島は青木には母親が居ないことに言及し、
父親一人でも立派に育ったことを誉める。人から見れば総監賞
も紙切れ一枚のものだが、命がけで手にした誇り高きもので
ある事を語る。オヤジにとってはお前は良い息子に育ったと
告げる。鮫島は先輩風を吹かしながら、総監賞も沢山受けて
来たが、たまには本庁に来るのも良いとし、デンカやボスに
逢いたいことを語る。デンカはボスも鮫島に会いたいと言って
いる事を告げ、現在鮫島の妻・玉枝さんもボスの元に来ている
のだという。これからここにボスが玉枝さんを連れて来ると
言っている事を告げると、何でボスがそんなことをするのか
と鮫島。

一方一係では、ボスと一緒にいるのが鮫島の妻だということを
知り署員たちは気さくに声を掛ける。鮫島さんにこんなに若い
奥さんがいるとは思わなかったとすると、目下独身だという。
ボスは鮫島が玉枝をヨリを戻したいようなことを言っている
とウソを付く。妻は信じられないというが、城北署の頃は忙し
かっただけだと告げ、山田署に異動してから考え方が変わった
と妻を説得する。しかし今更だという玉枝。

デンカに対して鮫島は私に見切りを付けて出てったのは妻の方
だとして今更逢う事もないと夫も語っていた。
鮫島はボスはお節介だとすると、デンカはボスにはなんと言って
断るかと問う。すると鮫島は歯切れが悪く、ボスの顔を立てて
逢うだけは逢っても良いという。

そんな中喫茶店には鮫島に対して何者かから電話がなる。
鮫島の変わりに青木が電話に出ると、突然外から発砲が有り
ガラスが割れて青木は射殺されてしまう。
デンカたちはすぐに店の外に出て車のナンバー(品川83-75)
だということを確認。鮫島はタクシーを奪うとデンカと共に
犯人を追跡する。
鮫島は後輩を殺されたことで感情的になり、赤信号でも
無視して交差点を渡ると、必ず青木を殺したものをぶち殺すと
語る。

ボスたちは喫茶店に果て居た。
ゴリはガラスの割れ方からショットガンで撃たれたものだろう
と語る。恐らくデンカと鮫島は犯人を追って言ったのだろうこと
を告げる山さん。ボスは一緒に来た玉枝に殺されたのは鮫島の
部下だとして、いずれ連絡が入るだろう事を語る。

犯人は首都高に入る。
デンカは鮫島に対して犯人の車とはあまり近づかない方が
良い事を告げ相手はショットガンを持っている事を語る。
デンカはタクシーであることから無線を使って七曲署に連絡を
入れて欲しいと頼む。現在犯人を追って東名高速を山田方面
に走っていること。
その頃使用された銃はウィンチェスター製1400の狩猟用の
ライフルだと判明したことを語るゴリ。
ボスと玉枝は鮫島たちの元へ車で向かう。
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山田署で活躍している刑事の鮫島勘五郎は優秀な刑事で、
城北署にいた頃、ボスたちとも面識が有った。彼が山田署で
後輩の刑事・青木と共に連続女子高生殺害犯の渋沢ツトム
を射殺し事件を解決したことから、総監賞を受けることを
知る。ボスの藤堂は鮫島が妻と3年前から疎遠になっている
事を知ってこの機会に互いの気持ちを確かめようとして
引き合わせようとする。そんな中、喫茶店で待機している
鮫島のことを殺害しようとするものがいた。たまたま鮫島
にかかってきた電話を後輩の青木が出たことで勘違いされて
処刑されてしまう。鮫島は絶対に自分が逮捕するとして
勢いよく犯人逮捕の為に乗り出していく。

逃げる犯人を追いかけていくという展開だったので、かなり
長いスパンをかけて車で追いかけるシーンとして描かれた。
勿論刑事ものなので常に犯人は追っていくものだけど、"車"での
追跡シーンに割かれた時間の多さが目立つ。
都心部での追走シーン、高速道路でのカーチェイス。そして高速
を下りた後に山道に入ってのカーチェイスシーン。特に山道での
追いかけっこは見ているだけで車酔いしそうな描写だった(笑)

ネタ的には親子関係というのがベースに有り、男親、女親、それ
ぞれ片親だけで育った子供たちがどのような末路を辿っている
のか。
犯罪を犯した人物・渋沢ツトムは母親の元で育った人物。
しかもその母親は一人では育てられない為に姉から譲り受けた
もらい子だという。ホントの母はモーテル"龍泉荘"を経営して
いるとのことで捜査が展開していく。
一方捜査をしていく鮫島自身は妻・玉枝とは別れて暮らしているし、
今回鮫島の部下で総監賞を受け取り殉職してしまう青木捜査官は
父親の元で育った人物だった。

ボスが顔見知りの捜査官である鮫島刑事の夫婦関係に対して
仲を取り持つような行動を取り、総監賞で上京するのをきっかけと
して二人を再び引き合わせようとする。
前提として二人の現状がどうなっているのか分からないのだけど、
刑事の妻が如何に心労がかかっているのかということを端的に示す
ものがある。それに加えて夫・鮫島勘五郎の亭主関白っぽい
我が儘っぽさが言動からも見て取れる。
しかし部下を失った時の感情的になる姿を見ると、悪い人ではなく
親分風をふかしながらも、後身のものたちへのケアというものを
手厚くしていたのだろうね。

犯人は神戸を根城としているプロの殺し屋の鶴間邦彦と
鶴間の相棒として前科七犯の森山という人物だった。
そのサングラスをかけた二人を追って山田町へと追って行くけど、
わざわざ依頼主の田舎・住処に逃げ込むものなのかと思って見たり
犯人も捜査官も次々と車を変えて追いかけていくという構図が
面白くもあり滑稽でも有り・・・
ガソリンスタンドで銃撃戦になった時には、凄い危険なことを
しているなと。

オニヒメ山中に逃げ込む。
北は八王子警察、南は神奈川県警、東と西は第八方面警邏隊が
捜査線を貼る中、山中に逃げ込んだ犯人を追いかける。
モーテルで勤める犯人の母親は、なんと塩沢ときさん。
先日見た「気分は名探偵」でも塩沢さんと藤岡琢也さんが共演
していたなぁと。
殺された巡査・青木役には勝野睦浩さんこと、勝野洋さんだ
った。

「断腸の思いで息子を預けたんだ。男のお前に分かるか!」
って結局あなた育ててないじゃないのってオチだったけど。

「母の手を借りなくても男手一つでもマジメに警察官に育てた
人もいる。過保護に育てた子と比べてみろ!」
とのことだけど、過保護に育った人などここでは誰もいないだろう
なぁって気がしないでもない。

「世間ではなんと言われようとも息子だ」という主張はよく分かる
けど、それと過保護なのはまた別な気がするぞ。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

鮫島勘五郎 …… 藤岡琢也 (山田署・警察官)
鮫島玉枝 …… 北あけみ (勘五郎の元妻、子供は中学性、飲み屋経営)
青木孝文 …… 勝野睦浩 (山田署・警察官)
犯人の母 …… 塩沢とき (モーテル"龍泉荘"経営)

山中貞則、佐竹一男、関虎実



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