太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第94話 裏切り

脚本/鎌田敏夫 監督/木下亮
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下着売り場で万引き事件が発生し、女性・高村八重は逃走を
図るが海岸に追い詰められ砂浜で逮捕される。

ゴリは出社するが、久美が挨拶したにも関わらず無愛想な
態度を見せる。眠そうで不機嫌なゴリ。ジーパンは二日酔い
なのかと問い、デンカはまた振られたのではないかと問う。
するとゴリは突然口を開き、オレの方から振ったのだという。
見合いした女は二股をかけていたのだという。オレには結婚
しても良いと良いながら別の男と天秤にかけていたというと、
久美はそんなの当然のことだという。結婚は女性にとって
一生のもの。他にも良い人がいたら両手にかけるのは当然の
ことだという。ジーパンはゴリさんの良さが分からない女性
なんて・・・と語る中、ボスはデンカに対して、神奈川の
江の崎署に行って来て欲しい事を語る。万引きで捕まった
女性・高村八重は、中光産業の売り上げを誤魔化し2億5千万
円を着服した人物だという。しかしそれだけ大金を盗んだ女性
が万引きするものなのかと問う。しかも盗んだのは下着との
こと。ボスはゴリもデンカと同行して、海にでも行って
少しのんびりしてこいと語る。

デンカとゴリは小田急・特急ロマンスカーに乗って現地へ
向かう。デンカは色々とゴリを慰めようとして色々と声を
かける。ゴールデンウィークなのでアベックばかりだという。
あそこにいるカップルはどう見ても不釣り合いだというデンカに
対して、ゴリは女なんてのは可愛い顔をしてても何を考えている
のか分からないと告げる。

一方七曲署では山村がタレコミ屋から妙な情報を耳にしたと
してボスに報告する。2億5千万円の使い込み事件が発生した
中光商事に下田ゲンのような前科のある恐喝屋が嗅ぎ回っている
とのこと。中光商事には何か有るのかどうか。それを調べる様
告げる。

江の崎署にいくと、高村は護送される時には手錠をされるならば
どちらの人と一緒に行こうかとしてゴリとデンカを見定めよう
とする。ゴリはそんな高村の態度に激怒すると、強引に手を
引っ張ってパトカーに乗せる。署員に駅まで送ってもらう。
すると車の中で高村は腹痛がするとして訴えるが、ゴリはデタラメ
だと語る。女の言う事など信用出来るかというものだった。

その頃山村たちはどうやらタレコミの件はデタラメではなさそう
だという。使い込みをした高村八重には大阪のアパートに同棲
している人物がいて、男のモンタージュが作成されたという。
その顔はまさに下田ゲンそっくりだという。高村は金を使い込んで
また恐喝するなんて変ではないかとジーパンは語る。

駅ではゲンが高村が連行される姿を見ていた。それに気が付いて
いた高村。帰りもまた小田急に乗る中、同じ車両にはゲンも
搭乗する。突然高村はデンカやゴリに対して私とロマンスしよう
と語る。ゴリは急にはしゃいだ彼女に違和感を覚えて何か有るのか
と勘ぐる。ゴリは高村に対してそのセーターは幾らしたのかと
問うと、高そうなものには見えない事を告げ、何千万もの金を使って
そんな服を着ているということは男に吸い上げられているのか
と問う。私には男なんていないという高村。下田がトイレに入る
のを見ると、高村は自分もトイレに行きたいと迫る。ゴリはそれを
止める。こいつは逃げることばかり考えているというのである。
それならば一緒にいけば良いというが・・・
トイレに入る高村は、その中に手錠の鍵を外す鍵が置いて有ること
に気が付き密かに手にする。
新宿までは40分。高村は少し眠りたいと語る中、眠ったふりをして
手錠を外す。そして停車駅に泊まると突然逃げ出す。
なんとか捕まえると、ゴリはデンカに対して、これでも疑っては
ダメなのか?と問う。
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ゴリは見合いした女性が結婚を前提として付き合いにも関わらず
他にも男性と付き合っていたことを知り女性不信に陥る。
久美によると女性にとって結婚は一生のものなのだから、選択する
為にもそうなるのも当然だと言われる。
そんな中、神奈川の方で女性万引き犯が逮捕される。
その女性は中光産業の金・2億5千万を横領したとする疑惑が存在
するが・・・

今回はゴリさんがメインのエピソード。
女性不信に陥るゴリさんは、今回連行してくる女性の高村八重が
共犯しているであろう下田ゲンのことを妄信しており、そんな
彼女を見てどう感じるのか。
八重は隙があるとみるやすぐに逃亡を図ろうとする為、連行する
デンカとゴリは再三の苦労を強いられていく。

手を変え品を変え逃げようとする女性の姿。
こういう姿を見ているとこのドラマに於ける警察の甘さを感じるけ
ど、このドラマの特性柄、逃げる人を追いかけるシーンと聞き込み
して回るというカットは必ず比重多きものとしてドラマのシーンに
挿入されるのでそれも致し方ない。そして人を邪険に扱わないという
のもこのドラマの良さなので、騙されやすい体質にはあるのかも。

人を信じては裏切られるゴリ。
突然列車の中で江ノ島で新婚旅行をしてきたという男女が、
ゴリたちの前にやってきては一緒に祝って欲しいとする姿に
相当強引なものが有った。駆け落ちの形で式を挙げたので
誰かに祝って欲しかったとするけど、誰がどう見ても如何にも
怪しい人物だったな。人間不信に陥る今のゴリさんに信用させる
というのは無理が有る。

騙されても騙されても人を信じてしまうというのがゴリさんの
キャラクターなのか。
愛している女性は恋人だとされる下田が殺そうとしているにも
関わらず、彼が居なければこの世にいる価値はないと考えている
様子。だからと言っても彼に殺されるならば本望だとするのは
ちょっと違うような印象も受ける。

ゴリは弁当を渡してきた男女の特徴を覚えて居て、手にインクの
跡があることから印刷業の男。そして弁当にはサルモネラ菌が
混入していたことから女性は医療従事者ではないかとの疑いを
もって捜査する。ただサルモネラ菌なんて、特に珍しい菌では
ないような気がするし、リツ子とフミオたちの繋がりを聞き込み
ではなく、もう少しスリムな流れで見つけて欲しかったかも。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

高村八重 …… 横山リエ (ゲンの彼女)
飯野 …… 宮川洋一 (中光産業部長)
下田ゲン …… 山口嘉三 (恐喝師)

所雅樹、遠藤孝子、菅原慎予、菊地正孝、河合良子



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