太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第96話 ボスひとり行く

脚本/長野洋 監督/斉藤光正
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ボスとジーパンとゴリは三田村鉄工を尋ねると、社長の平吉に
遭いたい事を告げる。しかし作業員たちはみんな社長の味方で
あり、三人を見るとデカだろうと告げ、お前達のことは臭いで
分かるという。しかしボスは通してもらうとして強引に中に
入って行く。
ボスは平吉の元を尋ねると、事件は未遂だったので今ならば
罪も軽いことを告げ、息子のタツジを出頭させるよう告げる。
ボスは平吉のことをオヤジさんと呼び、かつて組員をしていた
彼とは顔なじみだった。一家を率いていたオヤジさんならば
分かるだろうとして、嘘を付かないことが信条だっただろう
と語る。オレに令状を使わせないで欲しいと告げると、自分が
説得しに行くとして平吉は奧に匿っている息子の元に行く。
すると平吉は二人きりで息子を説得しようとするが室内からは
銃声が鳴り響く。すぐにボスは中に踏み込むと、息子はオヤジ
さんに向け発砲し足に擦り傷を負っている状態だった。
ボスに向けても何度も発砲するが弾は当たらず、ボスは説得が
難しいと見るや咄嗟に発砲する。息子は逃げられないとみる
や窓を破って二階から飛び降りるとそのまま息を引き取る。

ボスと平吉は墓前で話合う。
平吉は息子に母親が居なかったことが原因であり、オレのこと
を見捨てるのは良かったが息子まで捨てることはなかったと
して呟く。更に平吉はボスに対して、何故いきなりやってきた
のかと問い、オレはアイツを説き伏せて自首させようとした
のだという。アンタさえ来なければ・・・そんな平吉にボスは
達者でなと語りその場を後にする。
しかし帰り道、ボスは運転中に正面から来たトラックによって
轢かれそうになる。ハンドルをきり河川敷への車は落下して
なんとか高架橋にぶつかり車は駐まる。しかし左手を負傷する。

左手にギブスをしたボスは七曲署にいくと、長さんと久美は
ボスの怪我を見て驚く。ちょっと避け損なっただけだという。
三田村鉄工の若い奴がボスを狙っているという情報があると
してゴリさんたちは語る。社長の息子が亡くなったのはボスだ
とするものも中にはいるのだという。オヤジさんに義理を
感じて居る連中は血が上っているのだろうとすると、従業員の
中に居なくなった人物がいるという。

ボスは町中を歩いていると突然工事現場では足場が崩れて
危うくボスは落ちて亡くなりそうになる。片手でなんとか体
を支えて事なきを得る。
帰宅するボスは手紙に目を通す。冷蔵庫からフルーツとビール
を取り出し飲みながら手紙に目を通す中、額縁がずれている
ことに気が付く。テーブルやソファーが動かされた跡がある
ことに気が付き、ソファーを用心深く調べると爆弾が仕掛けて
ある事を知る。

更にボスは町中を歩いていると、ビルの看板が落ちてくる。
その光景をデザイン工房の女性・神田キミエ(28歳)が一部始終
見ていた。屋上からつり下がる看板のロープを切ってボスを
殺そうとしていた男性の顔を目にする。
神田は恐くなってバッグを持って会社を出て行く。犯人に
顔を見られていたのである。ボスも女性が落下のことを一部始終
見ていたことに気が付いていた。
神田は帰り道に人気の無いところで車で轢かれそうになる。
なんども交わすがついに頭をぶつけて重傷を負う。
女性は病院に運ばれる中、気が付くと病院のベッドにいた。
医者の話によると頭部を強く打っていて、後遺症が残る可能性
があるというのである。

現場では壁には車のボディをこすりつけた跡が有り、急ブレーキ
痕も見つける。現場の目撃証言では、何度も急ブレーキして
急発進するような音を聞いている人がいた。
現場で捜査していたボスに対して病院にいたデンカと山村は
女性の意識が戻ったとして報告する。
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ボスは事件の容疑者に出頭を勧める為に、かつてヤクザの一家
を背負っていた三田村鉄工の社長の元を尋ねる。
社長であり、ボスらベテラン捜査官は彼の事をオヤジさんと
呼ぶほどに親密な関係に有るが、ボスらが彼を信用する理由の
一つとして、嘘を付かないという信念を持っているところにあった。
警察が会社に来たことで社長に恩義を感じるものたちは警察の介入
を阻止しようとする中、ボスは社長を説得して息子さんに出頭
させて欲しいと語る。

ボスが逃げずにズカズカっと危険なところに入り込んでいく様。
更に銃弾をも恐れずに対峙する様がちょっぴり突拍子もない
展開のように思えた。

ボスがこれだけ犯罪者によって苦しめられるという辺りは面白い
ものが有る(悪趣味?)し、それに対して誰にも頼ろうとせずに
「警察にボディガードは要らない」として一人で行動することの
危うさを感じるものが有った。

今回の目撃者の女性の家族と、三田村家の事情は類似するものと
して存在しており、三田村家は母親が夫と子を残して逃げてしま
ったけれど、目撃した女性の神田には、田舎での退屈さに辟易して
都会に出てきたけど、戻る為のきっかけが欲しかったらしい。

ベッドで入院するための態度で記憶喪失のロジックを解き明かす
辺りの駆け引きは、とても面白く描かれていたし、医者がそれを
見抜けないというのはちょっと不自然だった。

看板がビルから落下するシーンを見ると、まるでヒッチコック時代
の映画にあるワンシーンを彷彿とさせる描写にも見える。

事件の流れに便乗して竜神会の幹部たちがボスを殺そうとしていた
訳だけど、最後の描写はちょっと滑稽にも思えたな。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

神田キミエ / 上村ことえ …… 赤座美代子 (28歳、工房勤務、熊本)
三田村平吉 …… 信欣三 (三田村鉄工社長)
大滝 …… 今井健二 (竜神会組長)
三田村タツジ …… 下塚一二 (平吉の息子)
高野 …… (ひき逃げ、竜神会)
上村 ……
上村タカシ ……

野々浩介、杉山元、香月淳
笹尾一行、池田宗博、茂木正、松田剣、丹古母鬼馬二



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