太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第100話 燃える男たち

脚本/小川英 監督/竹林進
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花嫁の滝沢ゆり子は政界の大物の息子との結婚式を引き替えて
美容師・板野ひろ子からドレスアップをしてもらっていた。
すると二人組の犯人が突然控え室に押し入ってきて銃を突きつけ
二人の女性を誘拐していく。
白昼堂々凶悪犯が花嫁を拉致したとしてマスコミは代々的に
取り上げる。花嫁は大物役人の娘で花婿は政界の大物カップル
だったことも有った。

七曲署のボスを呼びだす警視庁の幹部の男性は、捜査本部
(徳川家令嬢誘拐事件)は本庁に設置されたことを告げるが、
極秘裏に一部の捜査員を動かして人質救出させたいことを
言われる。ただしそれを命じることでもなく例え作戦が成功
しようとも失敗しようとも独断による行動・・・つまり暴走的
行為と捉えられる流れとして扱わねばならないことを言われ、
その役目をボスの独断でして欲しいと言われる。ボスは了承する。

その件を一係で話すとジーパンはまるで特攻隊だと告げ、シンコ
もまた責任の所在を所轄に押しつける格好で酷い話だと呟く。
極秘裏と言っても北見捜査本部長だけはこの件を知っている
とし、必要な情報はくれるハズだという。しかし「点取り虫」と
噂がある人物だとし、本当に協力してくれるかどうかと長さん
は呟く。
ヤツラが要求していることは何なのかと問うと、明日の正午
期限で、金をアメリカドルで500万ドル(※当時のレートで15億円)
だという。受け渡し方法に関しては後に連絡するとしていると
のこと。また丸山と土井の釈放を要求しているという。
我々が一ヶ月前に捕まえたデパート爆破犯で、捜査では過激派
との繋がりはなく欲求不満型だと言われている犯人ではないか
とデンカは語る。

そんな会話をしていると突然北見が七曲署に現れ、釈放しようと
している二人の資料をくれとしてボスの元にやってくる。
北見は極秘捜査は私には関係がないとし、素っ気なく出て行く。
ボスはデンカと山村に対して爆破犯を再度洗い出しをして、
ゴリは過激派の線での捜査、ジーパンとシンコは二人の被害者の
交友関係を調べ、長さんには本庁の情報を探って欲しいと告げる。

早速それぞれの捜査に取りかかる。

山村とデンカは拘置されている丸山と土井に面会に行く。
丸山は粋がりその内ここもぶっ飛ばすという。公判は来週だと
告げると丸山は俺たちは無罪だとして、証拠不十分だろうと語る。
しかし山村は爆破事件は重罪で懲役10年以上の罪であることを
語る。山村はそこで"仲間の逮捕も時間の問題だぞ"と語ると、
一瞬の静寂の後、丸山たちは「鎌をかけただろう」と告げる。
山村はデンカに対してあの二人は何も知らない事を告げる。
二人はああ見えても気が小さいヤツラで、隠していると顔に出る
タイプだという。ヤツラには仲間はいないと言いきるのだった。
通報されてきた情報をしらみつぶしに調べようと語る。

そんな中、誘拐犯が使ったとされる盗難車が発見される。
北見は急いで現場にいく。犯人の証拠採取をしている際に、
後部座席に何かあることに気が付く。ドアを開けた瞬間ブービー
トラップだと分かり爆発する。
ボスもその知らせを受けて現場に赴くと、北見は顔にヤケド
して傷ついていた。鑑識の一人が命に別状は無いが重傷を負っ
たと聞く。北見はボスに対して心配しなくてもオレが逮捕する
と言いきる。
ボスは爆弾に使われたのは鉄パイプではなく缶を使ったもの
だった為に丸山たちとは関係無いことを悟る。
そんな中、山村はタレコミ屋から、矢追町の地下駐車場にそれ
らしい人物が立て込んでいると連絡が入ったことをボスに知らせる。

松田ビルに到着する山村とデンカは銃は使わないよう相談する。
人質は十中八九一緒にいるハズだと言う山村。
地下駐車場にいくと管理人室には電気が付いているが、窓からは
人がいるようには思えなかった。クラクションを鳴らすデンカ
たち。中から犯人の一人が出てくる。間違いなくホシだと告げ
管理人室に人質もいるであろう事を悟る。デンカに対して管理人
室の前の車に一人見張りが付いている事を語る。
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花嫁を誘拐する事件が発生し、犯人からの要求は大量の金と
先日逮捕された爆弾犯の釈放に有った。
誘拐された滝沢家の娘ユリ子は大物政界の息子と結婚しよう
としていたことも有り犯人はかなりの高額な要求をしてくる。
ボスら七曲署の刑事たちはこの事件の捜査の流れとは別に
特別チームとして単独での誘拐の被害者を取り戻すミッション
が与えられる。ただし責任の全ては七曲署が持つというもの
だった。本庁の刑事・北見がこの事件の実質的捜査指揮権を
持っていたが、警視庁幹部の男に言われた通り単独で行動を
おこしていくことになる。

白昼堂々誘拐事件が発生する。
相手はお偉いさんの娘で結婚式を控えてウェディングドレス
を着ている際に美容師と共に誘拐されるというもの。

犯人が顔を隠す事もなければ堂々と誘拐していく辺りが凄い。
ドラマのテーマが人一人の命の重さを描いていたり、
組織の論理を警察署員である七曲署の面々に突きつける格好だ
ったのだろうけど、犯行が大胆過ぎる。

誘拐されたものがお偉いさんの娘。
捜査を命じる上司は傲慢さ・身勝手さばかりを所轄の刑事たちに
要求し、責任は自分にないと突き放す流れを見ると、組織とは
一体何なのかという感じだし、世の中至る所で下っ端のものたちが
割の合わず、報われないところで上層部の面々を支えているけど
上層部が下を見ることは決してないという感じ。

命の重さは変わりないのに、事件が解決し、娘が無事だったことが
取り上げられ、その背景に有る捕り物劇の中で殉職していった
ものたちは完全に無視されている状況だった。
マスコミたちも無責任に上の情報を信じて疑わない姿。

またまた北見というムカつく本庁の刑事が出てきました。
本庁の刑事というとロクな人がいない。
山村は、この人は俺たちよりも生粋刑事らしさを持っているのかも
知れないとするけど、何処に刑事らしさが見られたのか。
「だからいつも腹を立てている。現実がデカの気持ちを少しも
満たしてくれない」。
これを言ってしまうと、世の中不平不満を持つ人が謂われのない
相手に腹を立てているのを容認しているような感じにも思える。
それが今回の犯人像にも繋がっていくのか。

本庁の刑事が出てくると、防波堤となる七曲署のボスの気苦労も
絶えないという辺りの事情も存在する。
本庁からの指令と部下たちとの間に挟まれてしまう。
理解出来ないジーパンやゴリたちと意見を違わすけど、空中分解
云々を語る程、チームが割れるとも思えないし、北見という刑事
の人間性をただ疑うばかりの展開だった。

そしてなんと言っても忘れてはならないのはデンカが重傷を負った
ことか。
銃弾が飛び交う危険が有る現場で足並みの乱れが即死に繋がって
しまう怖さを改めて感じさせるところだった。

犯人が仕掛けた爆弾でも死ななかった北見も命を削って市民の為
に働いているところが有るのは分かるけど、上に立つものとして
信頼関係がないとなかなか捜査の足並みも揃わないですね。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

北見 …… 垂水悟郎 (本庁・捜査本部長・警視)
警視庁幹部 …… 鈴木瑞穂
犯人 …… 清水紘治

滝沢 …… 見明凡太朗 (花嫁の父)
滝沢ユリ子 …… 嘉手納清美
丸山 …… () 爆破犯
土井 …… () 爆破犯
板野ひろ子 …… () 美容師

西田健
上野綾子、石川真知子、久本昇、手塚しげお、遠藤征慈



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