太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第102話 愛が終わった朝

脚本/市川森一 監督/木下亮
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雨の晩、ボスの家にシンコが呼びだされてやってくる。
突然の雨にシンコは髪の毛や服がビシャビシャ。ボスはシンコ
にバスルームで急いで服を着替えろと語り、バスローブが置い
て有るので使うよう語る。シンコは髪の毛をタオルで拭きなが
らもボスの銃で撃たれた肩の様子を気にする。身動きが取れな
い状態だという。わざわざシンコに家まで来てもらったことに
ボスはお礼を告げるが仕事だから気を使わないでとし、女性
だからといっても特別扱いはしないで欲しいという。私は
刑事であると。
早速室内の照明を落とすと、カメラで撮影した映像を映写機で
投影する。シンコのことを女性の警察官と見込んでの仕事だと
いう。
この写真はジーパンが撮影して来たものだが、男女のカップル
らしき映像が数々撮影されていた。女性の顔に見覚えはないか
男性の方は見たことがと問うボスに対して、知らない人物だと
いうシンコ。男性は吉行昭(19歳)、覚醒剤の密造グループをし
ている人物だが、実際には何処かから仕入れた薬を水増しして
売っている組織とも言えないものたちだという。現在警邏隊
が密造所を突き止めようとしているとのこと。シンコには
女性の顔を見て欲しいとし、初対面ではないハズだという。
例え口を利いたことはなくても、すれ違ったり隣に座ったり
したことはないか?と問う。女性は少年課刑事の三好秋子婦警
とのこと。一週間前に密造所を突き止めて踏み込んだが、証拠
が現場から移された後だったのだという。情報漏れが起きて
いて、恐らく昭と付き合いのある三好が漏洩したものだろうと
考えているという。

シンコはディスコ(クラブ)で踊る二人のことを監視していると
突然二人組の男が声をかけてくる。時計を買わないかという男
たち。シンコは断る中、しつこく声を掛ける男たちの前に、
昭がやってくる。時計を買ったが信用出来ないものであり、
金を返せというものだった。金は駐車場に有るので取りに来い
と言われ昭は取りに行くと、二人組の男によってボコボコに
殴られる。三好がそれを止めることで何とか収まるが、昭は
なんだか格好が付かないとして、女性に助けられたことに
恥ずかしがる。そして彼女の肩を借りて家に戻っていく。
そんな光景をシンコは尾行・監視していた。

ゴリとジーパンが合流すると尾行を交代するという。
後は任せろというジーパンはシンコの為にお腹が空いただろう
としてハンバーガーの差し入れを持ってくる。
シンコはベンチに座りハンバーガーを食べる。その心遣いに
嬉しくなる。
翌朝も張り込みしていたが、シンコはジーパンの為にお返し
のサンドイッチを持ってくる。ジーパンに渡したものだった
がゴリは腹が減ったとして取り上げて食べ始める。

ボスはこの日から復帰する。
シンコたちは現状を報告する。夕べ小競り合いがあったが、
ヤクの流れとは関係が無さそうだと。山村も遅れてやってくると
久美に熱いお茶を入れる様要求。覚醒剤の水増しにデカイ組織は
関わった形跡はないという山村。昭を掴まえて情報を吐かせる
のはダメなのか?と問い、寧ろ婦警の三好から話を聞いたら
どうかと問う。しかし署長が責任を取ってくれれば良いのだが、
証拠もないのに疑うことは出来ないだろうという。
山村はそれを聞いて、ボスの主義には合わないかも知れないが
三好を試したらどうか?と告げる。前回彼女は昭の為に動いた
のであれば、今度はコッチの役に立ってもらうのだという。
手入れの情報をながせば、必ずまた彼らは密造所から道具などを
移すだろうので、尾行してその場所を突き止めるのだという。
あの二人が上手く引っかかるかどうか。その間にも水増しした
覚醒剤は町に出回るとしてボスを説得すると、長さんもまた
一刻も早く押収しなければならないと語る。今夜23時にガサ入れ
するという情報をながす為、警邏隊に協力要請をしにいく。

三好を尾行しているシンコに対してジーパンはおとり捜査の
ことを話す。この件は警邏部にも伝わっているので、当然三好
の耳にも入っているハズで、昭に漏らすハズだと言う。
長さんはボスに早速三好は腹痛だと言って早退した事を語る。
優秀な婦警がなぜあんな年下の男性に尽くすのか。元々非行少年
だった頃に補導したのが三好だが、所詮は男と女だったという
ことだろうと。
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覚醒剤が流通しており、その容疑者の密造所をガサ入れしよう
とした所、既に現場からは荷物が撤去されていることが分かる。
署内にいるものから情報が漏洩している可能性が有り、ジーパン
が監視していたところ、優秀な婦警であり少年課に勤務する
三好秋子ではないかとされるものが有った。

夜にわざわざシンコがボスの部屋を訪れるというのが怪しい
冒頭のシーン。ボスとシンコが実は出来ている・・と思わせる
意図が有ったかどうかは分からないけど、洗面所で服を着替える
シーンはちょっぴりドキドキ(笑)この頃の関根恵子さんは神がかって
いる可愛さがあるからなぁ。

女性警官ならではの視点・考えが欲しいとしていたけど、
特別なことは何もしていない感じがした。まぁ女性を尾行するので
女性が必要だったのかもしれないけどね。

ここに来て急にシンコとジーパンの距離が近づいた感じもする。
ハンバーガーの差し入れに対して、シンコがサンドイッチを
お返しする姿。ゴリさんはまるで人の心知らずといった感じで、
シンコの気持ちのこもったサンドイッチを食べてしまうけど、
まぁ手作りでは無さそうだし仕方がないのか。

おとり捜査の件の流れ自体は悪くなかった。

しかしシンコの尾行シーンは尾行とも言えないものが有り、
張り込みシーンに於いても、対象者と接触してしまうところは
刑事とは思えないところもある。
更には今、チーム"藤堂"がやろうとしていることの全てを
ネタ晴らしし始めるところを見ると、流石にプロ意識に欠ける
ところも有ったけど、それよりなにより驚くのは、警察は警察に
甘いということをドラマの中では、体現した流れを描いていた
ことだと思う。
やり直す機会を与えようとしているけど、まるで警察は不祥事の流れ
をもみ消すようにして、これまでの件を無かったことのようにしよう
としているようにしか見えなかった。

更生させられれば救われるけど、人をこんなにも簡単に裏切れる
ものなのかという感じで、昭は一体何なんだって感じだな。

「自分の為にケンカしてくれる男がいるのでとても嬉しくて大事だ」
と語っていたけど、昭は彼女の為にケンカしてくれていたのか?


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

三好秋子 …… 江夏夕子 (婦警)
吉行昭 …… 内田喜郎 (19歳、覚醒剤を水増し)

三井恒、向井淳一郎、石井礼子、長田純一
長橋悟



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