太陽にほえろ! 1972年7月21日から1986年11月14日・全718話 日本テレビ プロデューサー（日本テレビ）：津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山 口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫 プロデューサー（東宝）：梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟 企画・原作：魔久平（共同ペンネーム） 原案：小川英 音楽：大野克夫 http://www.teletama.jp/drama/index.html 第110話 走れ！猟犬 脚本／長野洋 監督／山本迪夫 -------------------------------------------------------- シンコはジーパンと一緒に発砲の訓練をする。 的を外すシンコに対して何か違うというジーパンは、腰が据わ っていないと語る。シンコは憤怒し私は下手かも知れないが、 コーチを受けるのならばボスかゴリさんにして欲しいと反論する。 ジーパンは確かに人にコーチ出来る程上手くはないけど・・と 語るが、シンコはそんなジーパンに対して、目の前で命中させる 姿を見せる。 二人は署に戻ろうとして車を走らせる。時間にして午後3時15分 だった。 常東銀行・新宿支店の前を通るとシンコは何か変だという。 午後3時を過ぎているのにシャッターが下りていないこと。 また店内が暗く妙にひっそりとしているというのである。 するとその直後防犯・警告を知らせるベルが辺りに鳴り響くと、 覆面をした男性が銀行から出てくる。マスクを被った男は車に 搭乗するすると逃走する。その車は女の子を轢いていった為に シンコは女の子を介抱しようと近づくが、ジーパンは車に乗って 犯人を追いかけて行ってしまう。相手はジーパンに向けて発砲して くるが、その車は衝突して止まる。運転していた男は血だらけ で、マスクを被った男は一人逃走する。裏通りに入っていき、 ジーパンは追いかけるが、逃げられてしまう。 ゴリもすぐに駆けつける中、ジーパンはホシがこの辺に逃げ込んだ 事を語る。ゴリは犯人が逃走した際に犯人が子供を轢いたことに 気が付かなかったのかとして語ると、ジーパンは急いでその子が 運ばれた中央病院へと向かう。 病院にはシンコが居たが、シンコはジーパンを殴る。 あの子は死んだのよとし、出血多量で亡くなった事を語る。 救急車が来るまでの間にどれだけの血が流れたのか。私たちの 車で運んでいれば助かっていたのかも知れないのだという。 ゴリは山村に対して手がかりはないという。 長さんはあの辺の連中はマトモに協力しないヤツラだという。 亡くなった運転手は体型からしてヤクザとか労働者ではなく、学生 かヒッピーだろうという。銃はSW32口径リボルバー、車は盗難車 で現在車の指紋を照合中だという。 ボスは何処に行ったのか?と問う。 その頃ジーパンは屋台で酒を飲む中、ボスがジーパンの前に現れる。 "オレは人殺しですね"。そう語るジーパンは、オレはホシしか 見えず罪のない子を見殺しにしてしまったと語る。あの時の オレは人間ではなかったとし、獲物を追うことしか頭に無かったと 語る。ボスはそれを聞いて泣き言はそれで終わったのかと問うと、 ボスはジーパンに対して水を浴びせ、お前の仕事は何なのか言って 見ろと語る。お前はデカであり泣き言を言って務まると思うのか という。お前の気持ちはよく分かるとし、オレにも同じ経験は あるというボスは、現在泣き言を言っても遅いのだという。忘れろ とは言わないが、今はそんなことを考えている時ではないとし、 お前が飲んだくれている間に仲間は血眼になって猟犬のように 逃げたホシを負っていること。ジーパンも猟犬になれ!とし、今 振り向いている時ではないのだと語る。 夜中ジーパンは聞き込みし、朝には公園で顔を洗う。 その頃署では盗難車からは採取した指紋は3つだが、どれも身元 が分からずその中にホシがいるかどうかは分からないとのこと。 ボスはゴリとデンカに銃の件から犯人を追うよう指示し、死んだ犯人 についてはシンコとジーパンが調べろと語る。 その頃山村は競馬場で、情報屋から先日の銀行強盗に関する噂 を聞いていた。梶田という普段は一匹狼の人物で関西のものなの でこの辺りの人では知らないかも知れないという。人手が欲しい 時には若手を一回きりで使う人物。元々はこの辺の出身だという 話だという。山村は情報屋に金を渡すと立ち去る。 駅前の公園にいる若者たちは他人に感心のないヤツラで警察にも 協力しないだろうとのこと。 そんな中、梶田のぼるの写真が届く。覆面を取った顔を誰も 見ていないので決めてにはなりにくいという。 シンコは署に戻ってくると、ジーパンはどうしたのかと問われる。 ジーパンの銃を持ってきた彼女は公園の中で潜入の形で、若者 に成りすまして情報を得ようとしていることを報告する。 ボスはジーパンらしいものだとし、シンコに対してジーパンとの 連絡係をするよう告げる。逃げたホシの素顔をジーパンは見て いないがホシはジーパンの顔を見ていること。ホシは銃を持って いるがジーパンは丸腰であることを告げ、シンコがサポートする のだという。ジーパンは女の子がはねられたことに気が付かなかった のだという山村は、ジーパンも一人で苦しんでいるのでフォロー してやってくれと語る。 -------------------------------------------------------- シンコとジーパンは射撃訓練に行った帰り道にある銀行が不自然 な状況に有る事を知る。銀行強盗が入って居たことが分かり 犯人は防犯ベルを鳴らされて逃げるところだった。 ジーパンはそんな彼が共犯者の車に乗って逃げるのを目にした ことでシンコを置いて車で追いかけるが、シンコは目の前で 犯人の車で少女が轢かれたのを見て犯人を追うよりも少女を 病院に連れて行くべきだと感じる。結果的にジーパンは犯人を 取り逃がす中、シンコからはあの時犯人を追わずに少女を助けて いたら助かったかも知れないことで責められるのだった。 ジーパンがヒッピーな格好をして潜入し、若者たちに一目置かれる というパターンは結構あるような気がするけど、今回の場合、 犯人がジーパンの姿を見ていることも有り、リスクは高いもの が有った。 そもそも今回の事件、何で犯人は銀行強盗に失敗したのかな。 車の中には盗んだ金とか入って居て、結局持ち去ることは出来なか ったのだろうか。 ジーパンとシンコがちょっとしたことで言い争いになるという 前振り感。その後まさかここまで急速に相手に対して信頼を寄せて いくところまで繋がっていくとは思わなかったけどね。 山さんの情報屋が相変わらず使える。 彼のお陰で犯人の正体がわかったようなものだよね。 最近各捜査官が監禁されボロボロにされるというシーンが多い。 デンカ、山さんに続いて今回はジーパンだった。 ジーパンならば何処かでスーパーパワー発揮して逃げられるみたい な安心感が有るのだけど、今回は反撃せず殴られている構図が 有る。 上手い事公園で目につく行動を取ってジーパンが声を掛けられる。 BAR-Kに連れて行かれると梶田はジーパンの姿を覚えて居て、 刑事だとバレる。前回のエピソードでも山村が刑事だとバレて そこからドラマが始まったことも有るけどね。 シンコもBAR-Kに入り様子を伺う中、警察手帳やバッジはトイレに 隠したものの、銃は股の中に入れていた様だ。 シンコとジーパンが刑事だとバレた際に梶田の刑事の殺し方は 如何にも猶予を与えて助かる道を与えた感じしかしなかったけど、 その間に上手い事シンコとジーパンの関係性というものを浮かび上が らせたのかも知れない。 シンコがジーパンを"純"と言ったり、シンコとジーパンが連絡を 取り合う中、シンコは美人過ぎるから目立つだろうとした際に シンコとしては満更でも無さそうだった。 最後は前回同様久美ちゃんが花束もって登場。 といっても亡くなった子供の為の初七日の為の花みたい。 殺されてしまったヒッピーで運転手のオサムくんの件では完全に スルーなのか。 藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長) 山村精一 …… 露口茂 (山さん) 石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん) 島公之 …… 小野寺昭 (殿下) 野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん) 内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ) 柴田純 …… 松田優作 (ジーパン) 永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係) 梶田ノボル …… 今井健二 (関西のヤクザ) オサム …… 石川政五郎、福崎和宏、小高まさる、花巻五郎、関虎実