太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第111話 ジーパン・シンコその愛と死

脚本/小川英 監督/山本迪夫
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拳銃を持っている若者を見かけてゴリとジーパンは追いかける。
人気の無い工事現場に入って行く中、男・会田は来るならば
撃つぞとジーパンに銃を向ける。撃てるならば撃って見ろと
強気で責める中、ジーパンは彼の銃を手から蹴飛ばすと、そんな
ものを振り回してバカなのかとして男を殴り飛ばす。ゴリも
遅れてやってくる中、通報を受けてやってきた城西署の巡査に
男を引き渡す。

シンコとジーパンは指輪を買いに宝石店にいく。
ジーパンはシンコに指輪を買うぞというが、相手は誰なのよと
いうシンコ。オレだというジーパンに対して私たち婚約した
のかと問う。
店員はエンゲージリングについて、最近の人気だと女性の誕生日
を贈るものだという。シンコの誕生日は4月なのでダイヤだった。
ジーパンは値段を見て2万ならば安いじゃないかとするが、よく
みると200万円と書かれていた。店員も笑う中、二人は店を出て
いく。
二人は夕陽の見える屋上へといくと、ジーパンはシンコに対して
先ほど言ったことは本気だと告げる。シンコもまた嬉しかった
とし、いつ言ってくれるものかと待っていたという。しかし一つ
気になることが有るとし、父さんが反対していることだという。

シンコとジーパンはシンコの父が経営する小料理店"宗吉"に
いく。シンコに対して刑事と結婚するのは普段からダメだと
言っているだろうと語る。ジーパンはなんで刑事はダメなんだ
というと、オレはオヤジさんがウンと言ってくれるまで店から
出ないと語る。
しかしそんな中、店にボスから電話が鳴る。
ジーパンが電話に出ると、昼間に銃の不法所持でジーパンが
逮捕した男に関して、連行中のパトカーが行方不明になった
のだという。そして先ほど大橋の下で発見されたこと。

すぐに現場に行くとアイツの単独犯行だろうとし、警察も手錠
をしていたので安心していたのではないかという。ハンドルを
後ろから奪われて土手からパトカーが滑り落ちていること。
そのショックで体の自由が奪われて銃を奪い二人の警察官を射殺
していること。二人は即死で、男は取り上げられた銃を回収して
逃げ去ったという。

会田ミノリのことを知っているSANDRIA勤務の女性に話を聞く。
会田は私と一緒にここで勤めていた智子と付き合っていたこと。
しかしここで知り逢ったお得意さんの金のある人と結婚し、
今ではブルジュア気分で生活しているのだという。
ジーパンは智子から話を聞きに行くと、ネコにブラシをかけ
ながら話をする。会田なんて男とは付き合っていないとし、
彼は無口だったという。しかしジーパンはもしかして彼とは結婚
の約束をしていたのではないかと問うと、彼を捨てて結婚した
のかという。ずっと条件の良い人に結婚を申し込まれれば誰
でもそうするでしょという智子。それで彼はヤケになっていた
であろうことを知る。

ジーパンが会田を過剰に殴ったとして城西署では問題にしている
という。会田はヤクザでもなく若者が普通の状態で警察を殺害
するハズはなく、ジーパンに過剰に殴られ逆上していたのでは
ないかというもの。ジーパンはそれを聞いて冗談じゃないとし
オレが陰口をたたかれているのは知っているがそんなことはしな
いという。ボスもジーパンは"命がけでぶつかっていくのにイチイチ
相手の人権を考えるゆとりなどない"んだろうとし、それでも限度
は必要だぞと問われる。自分は限度を超したとは思わないと
するとそれならばボスは良いとしオレから城西署に話すという。
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ジーパンとシンコはいよいよ婚約することになるが、シンコ
の父・宗吉は娘が刑事の男と結婚することは決して許さないと
いう。ジーパンはなんとかして認めてもらおうと努力する。
一方ジーパンが冒頭で逮捕した容疑者の男がパトカーで連行
される際に、捜査官二人を銃で撃って逃走した事を知る。パトカー
は大橋の下で発見されたこと。ハンドルを後ろから取られて
土手から滑り落ちる中で、体の自由を奪われた隙に、銃を
奪い取り殺したのではないかという。
彼の恋人の智子と同僚だったサンドリアの女性は、会田は
智子と付き合っていたが、お得意さんの男性と突然結婚したこと
を聞く。会田が銃を振り回していたのは降られたが故におかしく
なっていたのではないかと疑いを持つのだった。

いやぁついにジーパン編ラストとエピソード。

太陽にほえろ!の各捜査官の殉職シーンだけはよく見かけるのだけ
ど、ドラマの流れを通して見る殉職シーンは始めてかも知れない。
当然ながら本放送では見られないので、見ているとしたら再放送で
見ているってことになるのだけどね。

ジーパンが殉職するだけでなく一係のアイドル・シンコさんが
居なくなるのが寂しい。出来ればもっとシンコとジーパンの
絡みを見ていたかったのだけど、なかなかそういうシーンも
少なかったな。当時の事情はわからないけど、互いに忙しかった
人たちなんだろうね。

ジーパンは確かに型破りだけど、そんなにムチャをする人物には
思えなかったし、確かに結婚に際して宗吉に対して彼が初期の頃の
ジーパンに比べて成長した姿を見せなければならなかったこと
とを考えれば、ジーパンが山村みたいなことをして、犯人に対して
信じて付き合っていくみたいな流れは必要だったのかも知れないけど、
その結果裏切られるという辺りは切ない。
会田は今で言うところのPTSDのような状態になっていたのだろうか。
会田が竜神会に脅されて、その結果にジーパンを裏切るというので
有ればまだしも、破れかぶれに撃たれた感じでちょっと納得出来ない
ところも有ったね。

銃を撃てなくなった原因がシンコと婚約したからではないかとして
いたけど、その結果、シーパンがジーパンらしさを失ってしまった
のだろうか。

亡くなることは分かっていたので、途中で一係の面々にからかわれる
辺りの流れはその後を思うと切ない感じがしたし、みんなが宗吉
さんの店に集まって、シンコとジーパンの関係を後押ししようと
するところもまたなんとも言えなかった。

光ストアから逃げる会田を撃ち殺していたとしたら、ジーパンは
幸せだったのだろうか。

銃を渡せと近づいた際に、会田は無情にもジーパンを撃ってしまった。

「なんじゃこれわ!!」
「オレは死にたくないよ」
「ちょっと待ってくれよ、どうして逃げるんだよ。」

ポケットからタバコを出すも口にくわえる直前に息絶えてしまった。

逃げ去る会田を見て、絶望感を感じたのかな。

前回のエピソードでもジーパンは絶望感を味わっているだけに
二話連続で辛い話でしたね。二度目の奇跡は起きなかったという
ところでしょうか。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
内田伸子 …… 関根恵子 (シンコ)
柴田純 …… 松田優作 (ジーパン)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

内田宗吉 …… ハナ肇
柴田たき …… 菅井きん

会田ミノリ …… 手塚しげお  (智子に振られた)
智子 …… 皆川妙子 (ブルジョア生活)
前岡 …… (竜神会)

石井宏明、鳥井忍、辻義一
鹿島信哉、苅谷俊介、浅野謙次郎、森正親、西健司


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