太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第114話 男の斗い

脚本/柏倉 敏之 監督/斎藤光正
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山村が出社すると署員たちが談笑していることに気が付く。
テキサスは産まれた時に未熟児だったとし1800gしかなかった
のだという。今ではデカイ図体しているのに、親は心配した
だろうと問うと、母か体が弱かったという。そんな話題を聞い
て山村は妻のことを考えてはちょっぴり辛い影を落とす。

そんな中署に電話が鳴り山村に電話をかわって欲しいという。
電話して来たのはかつて山村の情報屋をしていた城所信吉だった。
話したいことがあるという信吉に対してちゃんと働いている
だろうなと問う。10時に例の場所に来て欲しいとのこと。
信吉は誰なのかと問うとタバコの銘柄"ピース"の箱を使って
連絡を取り合っていた情報屋だという。しかし信吉の娘・チエ
が年頃になった頃、山村が職探しをしてあげて、今ではカタギ
だった。
山村はずっといつもの密会の場所にしていた公園のベンチで
待っていたが10時を過ぎても彼はやってこなかった。
ポケベルが鳴り署に連絡を入れると、製作所の裏で信吉の遺体
が発見されたという。

遺体は胸・鎖骨を撃たれたことで死亡。使用された銃はSWの45
口径だった。遺留品もなく空き箱もなかった。目撃者も居ない
ということ。犯行は10時前後だという。何かを掴んで山村に
知らせようとして死んだのだろうという長さん。娘のチエが
現場にやってくると父の遺体を目にして号泣する。
チエに対してオヤジさんが狙われる思い当たることはないかと
問うが、彼女は山村に対してあなたが父を利用したせいだと
して"人殺し"呼ばわりする。

信吉が働いていた小宮商事にいくと、親しくしていた人物が
いるということで話を聞くが特に知っていることはないという。
山村は心当たりをくまなく聞き込みして回る中、再び山村のポケベル
に連絡が入り、テキサスがSW45を持っているヤツを発見したと
いう。西沢ツネオという中光海運の社員で、テキサスが山村が応援
に来るまで待機しているとのこと。
すぐに山村も合流すると既に責任者には話してあり、従業員は
避難させていた。警察が社員寮に入ってきたことに勘づくと
西沢は逃げようとする。銃を手にする彼は袋小路に追い込まれる
と、山村に向けて銃を撃つぞと脅す。少しずつ近づく山村に対して
発砲し威嚇。特に銃弾がかすっていくが、山村は西沢にたどり着き
彼を取り押さえる。その光景を見ていたテキサスは圧倒される。
テキサスは山村に傷のことを語るが大したことはないという。
テキサスはみんなにあんな山さんを見たのは始めてだと語る。

そんな中、署に久美がやってくると、今し方山村の奥さん・高子
と逢ったとし、彼女現在おめでただとして3ヶ月の状態だった
という。

西沢の取り調べを行う山村。どのようにしてハジキを手に入れた
のか。そして信吉を殺したのかどうか。しかし彼は殺しを否定する。
信吉さんを撃つはずはないという。彼とは飲み屋で知り逢ったとし、
自分は恐がりなのでハジキを持っていたら自信が持てるだろうと
言ったら彼が売ってくれたのだという。デンカは取調中の山村
の元にやってくると、弾痕検査のけっん、信吉を撃った銃とは
一致しなかったことを報告。デンカは山村の奥さんの事情を知って
いて、今回の事件は俺たちに任せて欲しいとするが、七曲署の
署員たちはそんなことで山村が捜査から下りないことも知って
いた。山村にもしものことが有ったらみんな心配しているのだ
と語る。

山村は帰宅すると奥さんが明るく出迎えてくれる。
精密検査の結果、心臓はもう大丈夫みたいだとして赤ちゃんも
順調だったという。病院の帰りに久美ちゃんに逢ったと語る。
山村はどうしても奥さんに顔向けできない状況だった。

信吉が西沢に銃を売ったとなるとタレコミはただのことじゃない
とし、銃を何処から手に入れたのか。自分がやっていることが恐ろ
しくなったので密売グループにメカが割れるのが恐くなり
殺したのではないかという。山村は娘のチエに逢ってくると語る。

花束を持ってアパートにいく。
チエは不快な顔をして山村を迎える。お父さんに悩み事はなかった
かを尋ねる。そんなことはないとし、父は悪いことは何もして
いないという。犯人を捕まえる為にも協力して欲しいとするが、
父は利用されて殺されたのに、貴方は父を悪者扱いしていると
いうチエ。それは責任逃れだとして帰ってくれと言われる。
山村は最後に一つ教えて欲しいと告げ、ピースの箱を見た事はない
か?と尋ねる。
そんな山さんの元にテキサスがやってくると、奥さんに流産の恐れが
あるとので、奥さんの元に行ってあげてくれと語る。
山村と娘がアパートの外に居る間に一人の男が鍵を使って
信吉のアパートに入り込む姿が有った。
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山村の元にかつて情報屋を務めていた信吉から連絡が入る。
いつもの場所で逢う約束をするが、信吉は来る直前にSW45口径
で殺害されて発見される。
信吉を殺したのは誰なのか。そして信吉は何を自分に伝えよう
としていたのか。山村は妻が流産の危機にあることを知りつつも
犯人逮捕を優先して捜査をしていく。

当初の「太陽にほえろ」に比べて仲間同士の連絡方法も確立
してきた訳だし、もう少し連携を取って捜査をしても良いのでは
ないかという感じがする。この事件を指揮するのが山村だと
しても、他のメンバーをもう少し上手く活用すれば良いのに
と思わせるシーンが実に多かった。

テキサスが未熟児で生まれてここまで健康的で成長した姿を
見せているとなれば山村にとっては心強いものを感じるけれど、
その前に奥さんが出産前に亡くなったらシャレにならない。
ボスが今回、山村の変わりに奥さんのことを見守っていたみたい
だけどね。

銃を発砲する相手に無防備に近づく山村の行動が猟奇じみていた。
でもその辺の犯人との駆け引きが山さんの得意とするところで
威嚇発砲しかしないだろうことを見抜いての行動というところ
なのかな。

城所信吉の流れはなんとも言えないね。
チエは山村の責任にしているけど、更正させたのもまた彼である
ことを考えれば何故そこまで責めるのかって感じもするし。
そもそも信吉が銃を売ったのって、娘にネックレスをプレゼント
したいが為に金を得る為にちょっとした危険なものに手をつけて
しまったみたいな流れが有るのだろうけど。

溝口が犯人だと分かった後の流れはちょっと雑な感じもした。
ただここのところ、捕らわれている山村が仲間たちが助けに来て
くれると信じて待つ流れは描かれるシーンが時々有る。
結構難しいロジックでここまでたどり着いた割りに正確に、仲間
がもうすぐ来ると感じて居る辺り、信頼しているのだろうけど、
山村がもっと頻繁に仲間と連絡を取っていればこんな面倒にはなら
なかったのではないかという気がする。

テキサスも作戦なしに溝口の邸宅前で大声をあげていたね。



藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動)
永井久美 …… 青木英美 (七曲署の庶務係)

山村高子 …… 町田祥子 (山さんの妻、妊娠3ヶ月、元心臓が悪い)

城所信吉 …… 花沢徳衛 (元山村の情報屋、現在小宮商事勤務)
城所チエ …… 服部妙子 (信吉の娘)
西沢ツネオ …… (銃を持っていた、信吉の飲み友達、中光運送社員)
溝口 …… (世田谷区松城町在住、小宮商事)
マスギ …… (銃を持っていた、信吉殺しの銃)

中山昭二、三島史郎、石山克己
石川敏、山本純一、みやけみつる、小坂生男



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