太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第124話 仰げば尊し

脚本/田波靖男、安斉あゆ子、小川英 監督/小澤啓一
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ゴリとテキサスは夜道を車で巡回していた。バカに静かな日だ
とすると、ゴリはこんな晩に限ってとんでもないことが起きる
のだという。矢追町派出所の前を通ると、突然老人が派出所か
ら出てくるのを目撃。ゴリとテキサスは派出所を覗くとタケイ
オサム巡査が頭から血を流して倒れていた。すぐにテキサスは
そこから立ち去った老人を抑える。
七曲署へと連れて行くゴリとテキサス。ワシは何も悪い事は
していないという。老人はボスに対してこの街ではたまたま
交番を覗いただけでタイホするのかと問う。こんな礼儀知らず
でメチャクチャな捜査には協力しないという。それどころか
老人は捜査官たちに対して並んでヘソを出せ!とし、ヘソが
ねじ曲がっていると根性もねじ曲がるのだという。それを聞いた
長さんは、ヘソデン・田村正俊先生ではないかという。
若草小学校で教わった野崎太郎だと語ると、あの修学旅行で
寝小便した太郎かと語る。先生に対して警察殺しの犯人だと
思われていることを語ると現場の派出所にいたからだと告げる。
現場での事情を聞きたいことを語ると、どうして交番に行った
のかと問う。散歩の途中で道を聞きに立ち寄っただけだという。

そんな中、山村が鑑識からの報告が入ったとしてみんなに知ら
せる。被害者は矢追町派出所のタケイオサム巡査。死因は鈍器
による後頭部の打撲で、死亡推定時刻は午後10時30頃だという。
銃が盗まれていることから狙いはそれではないかという。
表にバイクのタイヤ痕が有り、犯行時前後についたものだと
いう。オートバイの型も分かっているとして写真を見せる。
田村にオートバイのことを聞くが知らないとのことだった。
ボスはオートバイの持ち主を捜すよう指示する。

聞き込みして回る一係。
ゴリとデンカはバイカーから話を聞こうとすると、なんと女性
ライダーだと知る。
バイクショップで話を聞く長さんとテキサス。店の前では
"カミナリ族"がたむろしていた。
店員の長門にこの種のバイクに乗っている客がいないか尋ねる
と確かに該当する人は居るが、客のことに関しては、あんな
連中でも客なので情報は話せないと言われる。しかし相手は
警察官を殺害した重罪犯であることを告げると、長門は先日外
で山口イサムというバイカーが警察に捕まりやり合っていたと
いう。山口を交番の方に連れて行ったとのことだった。

山口が働く溶接会社にいくと、対応に出た責任者の男性は、
確かに臨時工として働いているという。工場の方で今でも
働いているハズだとする中、山口がバイクで逃げるのを見かけ
る。テキサスと長さんは車でバイクを追いかけるが、バイクは
細道に入りこれ以上の車での追跡は無理だった。しかしバイク
に乗った山口も二人の子供が通りかかるのを見てハンドルを
切ると思わず横転し、バイクのエンジンがかからない為に乗り
捨てして逃げる。それに気がつきテキサスと長さんも走って
追いかけると、あるアパートに入っていったことが分かる。
この部屋の何処かに逃げ込んだものではないかとして、一軒ず
つ探すことになる。すると女性住民の一人がそこで物音が聞こ
えたとのこと。ドアを開けようとすると鍵がかかっていた為に
テキサスは強引に開けようとするが、中から突然ドアが開く。
なんとそこに住んでいたのは田村先生だった。
長さんは恐縮したように謝罪する中で、ここに若い男が逃げて
来なかったかを尋ねる。知らないという田村だが、テキサスは
紙袋に入った銃を発見する。どうして先生の元にこれがあるの
かという長さん。山口が来たのかと問うと、彼はそんなヤツ
ではないという田村。どうして彼の名前を知っているのかと
問うと、どういう知り合いなのかを尋ねる。ワシが小学校で
教えた最後の生徒だという。悪い仲間に騙されて非行歴はある
が悪い奴ではないという。だからと言ってもここは先生の家
で銃が見つかったということは、正直に言わないと先生が銃の
不法所持で捕まることになる事を語る。
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今回は長さんが主役のエピソード。
教師役の田村を演じた松村達雄さん。なんだか久しぶりに見た
気がする。長さんの恩師役としての登場で、その恩師に対して
嫌疑をかけることに複雑な思いをさせられるというもの。

この元教師の男性は、殺された巡査の居た派出所から出て
きたことも有り疑惑をもたれる。更に家宅捜索された際には
アパートから銃が出てきた為に、容疑者の山口を隠しているの
ではないかとされるも、田村のペースでドラマが進行するの
だから凄い。

昔の教師とか目上の人はこういうガツンとパンチのある人が
居たのだろうけど、偉そうなことを言っている割に、警察官が
倒れていたのであれば通報しろよって感じがしたし、警察を
責めるだけ責めるけど市民の捜査協力の義務なんかも同時に
唱える必要はありそう。

都合が悪くなると「ヘソを出せ!」で済まされてしまう感じもする
し(笑)

山口は真犯人によって罪をなすりつけられていた。
凶器のスパナと銃を山口の道具箱の中に入れたこと。
その山口はなすりつけようとする意図が有ったのかは分からない
けど、田村の家に銃を置いていくという変なリレー形式の流れ
が有る。

他人を信用するということが如何に難しいことなのか。

教師が信念として生徒たちに教えていたのは儒教の5つの教え。
「仁・義・礼・智・信」
ただその人物を信頼に足る人物なのか見る目を養う必要がある
のだろうね。

人を信じることが教師ならば、人を疑うのが刑事の仕事。
そんな対立的立場にいる師弟関係を不可思議な形で描いた感じ
でした。
いつもとは聞き慣れない効果音まで飛び出していたしね。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)

田村正俊 …… 松村達雄 (元小学の教師、野崎の恩師)
長門 …… 柳生博 (バイクショップ"オートアクセサリー店")
山口イサム …… 千葉裕 (バイクの男、容疑者)
イサムのバイク仲間 …… 愛田純
タケイオサム …… 巡査
女性ライダー ……

野瀬哲男、八木和子



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