太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第130話 鳩が呼んでいる

脚本/柏倉 敏之、小川英 監督/澤田幸弘
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山村は事件の有った中光開発(株)にいく。
先に調査していた長さんによると、ガードマン2名が撃たれた
とし、1人が死に1人は助かったという。助かったのは中谷伸夫
で、彼によると犯人は中肉中背の男が一人、覆面を被っていた
という。廊下の窓が破られておりここから侵入したこと。そして
警備員の一人、小泉勇と鉢合わせて銃で発砲したのだとい
う。金庫からは500万円以上盗まれているとのこと。銃はSWの
38口径だという。時計に弾が当たって止まっていることから犯行
時刻は午前6時5分だろうと、山村はボスに報告する。
テキサスは机の下に社員用のバッジがあるという。山村にバッジ
を見せるとこれは丸三百貨店のものだとし、持ち出しを洗い出
すよう告げる。

テキサスは丸三百貨店にいくと、バッジの持ち主だろう前川
克巳を呼ぶと唐突にお前がやったのだろうとし、強盗傷害だ
という。
前川を署に連れて行き取り調べをするが、ボスは前川には犯人だ
とする証拠はないとし、現場にバッジが落ちていただけでは
逮捕状は取れないという。しかしテキサスはここに彼を連れて
来てから一言も話さないなんて明らかに不自然だというが、ボス
は日本では黙秘権は法律で認められているのだという。山村が
前川と話をする間に、テキサスにはその間に容疑固めをしろと
告げる。

長さんとテキサスは生き残った中谷に対して前川の写真を見せ、
この男が襲ったのかと問うと、マスクをしていたので分からない
という。似ている様だがハッキリそうとは言えないという。

前川の自宅を調べるテキサスとゴリ。
二人は隅々まで捜すが銃と金は見つからなかった。テキサスは
ある仮説を語る。それは共犯者がいたのだという。中谷が一人
しか見なかったとしているが外で待っていたのだとし、その人物
が銃と金を持っているのではないかということ。
そんな中部屋の外に鳩を飼っている事を知る。訓練された伝書鳩で
足には手紙がついていた。その手紙には

「前川克巳君へ。もうすぐ君の誕生後だな。君に素敵なプレゼントを
するので二人で頑張ろう。親友Kより」

と書かれていた。コイツが共犯者だというテキサス。

山村は話す気はないかとして前川に語りかける。
すると凄い形相でテキサスは取調室に入ってくると、Kとは誰なのか
として今にも殴りかかりそうだった。Kはどこに住んでいるのか、
そして何故隠すのかと声を荒げると、山村は前川がまだ犯人とは
決まったわけではないのだとして、バッジも余所で無くしたと言って
いるのだという。それ以上の証拠が有るのかと山村に問われると、
その証拠を持ってくるというテキサス。

テキサスは丸三百貨店にいくと、前川の上司から履歴書のコピー
を受け取る。その文字を見ると手紙の文字と同じだと気づく。
文字を正式に照合してもらうと同一の筆跡だとする鑑定結果が戻って
くる。
そんな中、5時頃中光開発ビルの屋上から前川が出てくるのを見た
ものがいるという。自分宛の手紙を書いたのだろうというボス。
山村は前川のアリバイが成立したとして、同僚の従業員が犯行時刻に
前川が河原にいるのを目撃しているとのことだった。前川の犯行に
見せかける為に犯人が現場に意図的に落とした可能性があるとし、
前川は釈放だという。

そんな中、前川は警察に取り調べをうけたことで会社を首になる。
元々他の従業とは折り合いが悪かったので、理由付けにされた感じ
だった。それでも職を失わせたのはオレのせいだとしてテキサス
は落ち込むのだった。
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再びテキサスに対する試練の回。
テキサスの暴走っぷりが少々鼻につくもので、後先考えないところ
は、このポジションの刑事の特性ではあるのだろうけど、現場に
落ちていたボタンだけで前川だと判明する流れとか、その後も
現場にボタンが落ちていたから犯人だと決めつけての捜査が続いて
いくところ違和感が有ったな。

家捜しの流れにしてもまだ容疑の段階で何の令状も出ていないのに
勝手に部屋に入っても捜査を続けてしまう。

共犯者説も最終的には当たったけれど、見切り発車で後づけ感有り。

伝書鳩を使う流れは悪くは無かったけど、今時のアパートならば
そんなの認めてないだろうな。

どこからとも無くS&Wの38口径を所持している人物を特定してきて、
その家の中からゴミ箱に中光開発の経理課の見取り図がある。
それを捨てずにゴミ箱に破っているだけという辺りがまた酷い。
銃に関しても隠している場所はどうにも怪しいところだった。

しかし今回はカーチェイスシーンは相当凄かった。
今までの「太陽にほえろ!」にもないような程の迫力のエピソード。
勿論意図的に仕掛けられたダンボールとかトリック性はわざとらしい
部分も有るけどね・・。

テキサスの暴走によって前川が仕事から辞めさせられた結果、
テキサスはストーカーのようにつきまとい前川と話し合おうとして
近づく。チンピラに絡まれて殴られているところをテキサスが
助けることで免罪符としようとしたのか。

助けた後には突然テキサスは気晴らしをしようとしてバイクに誘う。
誰でもバイクに乗れる訳ではないだろうにどうして乗れると知ったのか。
突然バイクの流れに場面が転換したかと思えば、いきなり道路交通法
ほ無視するような流れ。

一緒に青春ドラマよろしくとばかりに波打ち際のところをバイクで
走り、そして砂浜を走って倒れる。二人は一緒に語り合い、互いに
地方からきてきた仲間のような格好で同士のようになって居た。
テキサスは熊本、前川は青森出身。
テキサスは東京に出てきた際に、前川の伝書鳩と似たようなことを
していて、共感を得ていた。

一緒に訪れた河原の貸しボートの小屋では前川が居場所にしている感じ
だけど、そこでのペンキ後が道しるべとなった。
容疑者の中谷に見つかることになった道しるべも鳩の羽だったし、
ゴリたちが見つけたのは鳩の羽だった。

末長と中谷の繋がりを探しだし、中谷は結局自作自演の形で被害者
を装っていただけだった。

黄色いスカーフが目印になる映画は合ったけど、黄色いペンキがまさか
の居場所を示すものとして伝わるとは思わなかったね。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)

前川克己 …… 武岡淳一 (青森出身、鳩好き、丸三百貨店の従業員)
中谷伸夫 …… 長谷川明男 (中光商事の警備員、犯人)
前川の上司 …… 石山克己 (丸三百貨店)
末長マサル …… (バーテン、SW38を持っている、泉アパート)
小泉勇 …… (中光商事の警備員、被害者)

永井政春、亀井三郎
仙波和之、男喧太、伊奈貫太



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