太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第135話 ある敗北

脚本/小川英、浅井達也、四十物光男 監督/山本迪夫
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踏切前で荷物を抱えた証券マンが飛び込む。
それをコートを着た男が確認しそして車に乗り込んで立ち去る。
翌朝、現場検証が行われる。
テキサスはボスに被害者はタケミコウゾウ(41歳)、山谷証券に
勤務している人物で自殺の動機は分からないという。しかしボス
はまだ自殺と決めるのは早いとして現場を調べる様告げる。
テキサスは現場に子供が入り込んでいるのを知り追い出そうと
するが、ある男が突然そっとして置いてやれとし、タケミさん
の息子だという。テキサスはゴリと共にあの人は本庁の人なのか
とするが・・遺体が運ばれる事になり、子供はパパ〜と叫ぶ。
ゴリはパパは遠いところに行ってしまったとして一緒に家に帰
ろうと送っていく。
テキサスに対して男は自殺を報告していたが、そう思う動機は?
と問われ一人で飛び込んだのは確かなのかという。頭からのめ
り込むようにして電車に飛び込んだのだという。
そんな中山村がやってくるとテキサスにその人物に答える必要
はないという。その人はスッポンの北さんと呼ばれる人物だと
いう。山村は遺留品に勝手に触れて困ると告げる。彼は東洋日報
の記者・北山圭介だと語る。

検死官から死因は飛び込んだ時に列車にぶつけた際に頸骨の骨折
で、動機は調べているとしてボスに報告する。タクミは親一人、
子一人の人物で親戚に引き取られたとのこと。テキサスは父親
が運ばれる時の子供の声が今でも頭に残っていると語る。山村は
この件は何かがあると語る。タケミと北山は3日前に逢う約束
をしているという。現在の北山の地位からすると本社の人間で
滅多に現場捜査をすることが無いのに余程のことが有ったので
現場捜査に乗り出しているのではないかということ。

ボスは喫茶"ルミエール"で北山と会う。
大事な情報源を失ったのではないかというボス。北山とは長い間
刑事と事件記者の関係だった。
しかし会話の最中に北山から電話が鳴る。
電話の相手はクラブ"アショカ(ahoka)"の春美だと名乗る人物から
で、相模市郊外の土地の裏情報に興味はないかという。
北山はボスに仕事があるので行くと語ると、ボスはこの件では
人間が一人死んでいるのでどんな事をしても調べ上げると語る。
例え相手があんたでもだと。

喫茶店から出た北山のことを尾行するゴリだがあっさりと気づか
れて、プライバシーの侵害だと言われる。変わって尾行する
デンカもまた北山がバスに乗り出発する直前に下りて行ったことで
巻かれてしまう。

北山は春美と喫茶店で会うと、私が知っている記者はあなただけ
だという。彼女はここで話をするのはマズイとし、近くに私の
マンションがあるので来ないかという。何故そんな情報を知って
いるのかと問うと私の店に来るのは実力者の客が多いからだと
語る。
部屋に行くと春美は北山がブランデー好きだと知ってそれを出す。

一方亡くなったタケミは相模市から来るで2時間の土地を200万円
で購入していることが分かる。そこには新しく東神鉄道が開通する
予定地となっていて、電車が通れば東京から1時間のベッドタウン
になるのだという。そうなれば土地は値上がり、今でも当初の3倍
の値段・価値になっているとのこと。しかし話によるとタケミは
急に土地の値下がりを気にしていたみたいだという。大金を投じて
ノイローゼになったのか。しかし山村は証券会社の営業マンが
訳もなくそんなウワサを気にするハズはないとし、何かあると
いう。しかしこの土地には一体何が有るというのかと。

北山はいつの間にかベッドで寝ていた。
隣に寝ていた春美はナイフで刺されて死亡していた。
北山はボスに電話すると、女性が殺されたことを語る。
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商社の営業マンの男性が列車に飛び込んで死亡する。
自殺に見られるが、現場には東洋日報記者で七曲署でもベテラン
の山村やボスたちは彼のことを良く知る、"すっぽんの北さん"
として有名な記者だった。デスクとして昇格して現場に出ること
が殆どなかった彼が動いていたことを受けて、相当大きな事件が
関係しているのではないかとされる。
被害者の男は、相模市郊外に土地を購入していて、その土地は
新線の開通予定地として地価が上がり、東京への通勤圏内として
期待されて販売された土地だということが判明する。

最近チャコちゃんがまるで登場しない(笑)
当時の浅野さんは忙しかったのか。学業優先だったのか分からない
けど・・・

記者とのやりとりだということも有り、裏取り・裏取り、証拠は?
立証は?と常に問いかけるようなやりとりばかりで、肝心の詰めの
証拠がなかなか掴めず、そのやりとりを心理的なものだとして見る
と楽しいとはいえ、少し野暮ったい上に、捜査規模がたちまち殺人
事件から土地を巡る政治家と企業の癒着の構図が有り、大規模な
事件へと発展していくというものだった。

当時の政治家などが関与してくると必ず名前では呼ばれずに、
「箱根の人」など抽象的に呼ばれることが多いね。ハッキリと名前
を特定しないところに当時の流行があるのか・・


珍しいのは何と言ってもボス自らが足を使った捜査をしたこと。
これは記者の北山もデスクなのに動いたことと同様にボスも同期
して動いたのかも知れないけど、スケール感の大きい事件の割りに
はイマイチその解明の仕方はこれまで通りの手順だったかな。

当時の東京証券取引所の光景が写るとか凄く貴重で良い物を見せら
れた感じがするし、捜査の流れで、国土庁、運輸省、建設省と
足を運ぶところがあるのもまた時代を感じさせる。

今までも下手くそな尾行だなと思ったけど、今回は刑事たちをよく
知る記者故に尾行をまかれるという辺りもちょっぴり斬新だった
けど、当時の流行なのかは分からないがみんな同じようなコートを
着ているところが気になる。そしてあの刑事たちが乗っている
車もスポンサーの影響だとはいえ、色が派手すぎて尾行にはまるで
向かない色をしているところもまたちょっと考えるべき余地が有った
ところだろうか。

最後は念願だった政治家を捕まえることが出来たのか。
過去のボスはそんな男を逮捕する寸前まで行ったとするが、ボスが
命がけで逮捕する寸前に権力の向こうの壁に逃げ込んだヤツだと
称していた。今回は彼の家まで訪れて猶予は3分だとして問い詰めた
こと。刑事と記者が連携し政治家にペンの力で立ち向かうという
流れで追い詰めていった。

しかし最初に殺された人って何か脅されていたんでしょうか?
殺し屋は遠くから見て居たようにも思いましたが・・・


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)

箱根の人 …… 宇佐美淳 (大臣級政治家)
北山圭介 …… 草薙幸二郎 (東洋日報記者、"すっぽんの北さん")
殺し屋 …… 高杉玄
"アショカ"ママ …… 桜田千枝子 ("ashoka")
木浦正人 …… 幸田宗丸 (木浦経済研究所)
春美 …… 鹿沼えり (クラブ"アショカ"のホステス)
東神電鉄社長 …… 入江正徳
喫茶店マスター …… 若尾義昭

伊藤洋子、並木静夫、加藤茂雄



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