太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第137話 ありがとう、テキサス坊や

脚本/田波靖男、四十物光男 監督/竹林進
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女性が中華料理店の予約席へとやってくる。ボスが既に店では
待っていて、呼んだのは女性・村岡女史の方だった。
食事は何を注文するかというボスに村岡は任せるという。
テーブルを囲みながら話とは何かと尋ねる。
すると内偵中の麻薬密輸捜査のことだという村岡。彼女は厚生
省の麻薬捜査官だった。取引現場を押さえある組織を根こそぎ
取り押さえたいこと。その為にボスの管轄で多少警察の目に触
れるようなことがあるかも知れないが、手を出さないで欲しい
という。ボスは心得て置くがあまり派手に行わないよう告げ、
放っておけなくなることもあるという。それにしても今日の
あなたは源派が無いのではないかと問うボス。以前のあなたな
らば自分でメニューも決めて人任せにはしなかったこと。少し
休んだらどうだという。来期の異動で麻薬捜査の一線から退く
よう言われていること。後進の指導官になるよう内示が有った
という。捜査官を外されるということで、そうなればいっその
こと辞めようかと思っているという。今度の事件をあげれば今
までマークしていた麻薬組織のボスがあげられるとし、私にとって
は良い潮時だという。
そんな中ボスに長さんから電話が鳴り、矢追町路地で身元不明
の死体が見つかったという。
被害者は車にはねられたみたいだという。しかし被害者の所持品
が何もないこと。身元が分からぬ様に抜き取ったのかという
デンカ。交通事故に見せかけた殺しというのかというテキサス。
今は事故か他殺か結論は出せないが、決して細かいことにも見逃す
なと語る山村。

聞き込みして回る中、あの死体は厚生省の麻薬捜査官の大宮大輔
であり、村岡女史の部下だという。大宮は海外への団体ツアーで
5泊6日で行ってきたとし、ツアーを企画した旅行代理店には
村岡が店員として潜入しているという。厚生省の狙いは旅行代理
店なのか。しかし厚生省は何も話してはくれないハズだとし、ボス
は村岡を尾行するよう告げる。しかし七曲署の刑事は面が割れて
いるというと、適役が一人いるじゃないかというボスはテキサス
を尾行役に指名する。

村岡が潜入しているのは極東観光だった。
そろそろ退社時間だとして車の中で待っていた山村はテキサスに
語る。オールドミスの麻薬捜査官なんて背筋も凍るという
テキサスに山村は女性だからと言っても甘く見るなと告げ、
厚労省きっての麻薬捜査官。麻薬捜査に於いてボスも一目置いて
いるのだという。所詮は女でしょとテキサス。

そんな中彼女が会社から出てきた為にテキサスは尾行に付く。
エレベーターに乗ったテキサスと村岡。二人きりになった村岡に
テキサスは凝視される。そして彼女は女性専用のサウナに入ってし
まう。恐らく変装するつもりだろうと。
食事にいくところを尾行するテキサス。村岡はトイレに入るとトイレ
の中で変装し、テキサスに気がつかないところで、会計をテキサス
に付けて外に出て行ってしまう。

それを知ったテキサスは署に戻るとプライドが傷つけられショック。
ゴリとデンカは笑うが・・

そんな中、極東観光で働いていると、突然女性が山内のスーツケース
を返しておくとしてもってくる。話を聞くと東南アジア旅行の際に
スーツケースが紛失し、添乗員だった山内がケースを貸してくれた
のだという。結局ホテルのポーターが車に積み忘れて、帰国して無事
に荷物は戻ったとのことだった。村岡はそのスーツケースに麻薬が
入っているであろうことを悟る。
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厚生省の麻薬捜査官の村岡は藤堂を呼び出すと、近く麻薬の
取引があり、その際多少藤堂の管轄区で目に余る行動がある
かもしれないがその事を気にとめて置いて欲しいと言われる。
長年追っていた組織を取り押さえられる可能性があるとの事。
しかし管轄区内で殺人事件が発生し、七曲署としても捜査
せざるを得なくなる。しかもその人物は麻薬捜査官で村岡と
仕事をしていた大宮大輔だと知る。

麻薬捜査官の村岡房江の3度目の出演。
4話「プールサイドに黒いバラ61話「別れは白いハンカチで
に続いて今回は137話。
4話はマカロニ、61話はジーパン、そして137話ではテキサスとの
絡みである。

いずれの2話も色を意識したタイトルだったけど、結局今回は
そんな拘りは無くなってしまった様だ。
かつての捜査でも信念を取るか、それとも若者の命を救うために
信念を捨てるかを捜査の中で選択させるものが有ったけど、
今回も同様にその信念を捨ててテキサスを助けに入るも、テキサス
から言われた言葉をきっかけに一線からは下りるものの、後進の
育成のために働いていくようだ。

尾行シーンでテキサスにちょっとしたお灸を据えるというのも
ある意味ではお約束だなと思いつつも、潜入捜査官としての
テクニックをさらりと見せる流れが有り、当時のドラマでは
斬新に写ったのかな。

しかしまぁ密輸の仕方も相当アバウトで今では考えられないスーツ
ケースでの持ち込みだけど、意外と最近まで素人の女性を運び屋にする
ことは有ったよな。

箱根/すすき野山荘を舞台にして取引。
相手は竜神会の会長。

彼女としては最後となるかも知れない現場捜査だったことも有り
なんとか検挙したい気持ちも伝わってくる。この辺は前回のエピソード
136話の長さんのガン疑惑が出た時にも最後の捜査かも知れないという
ことで長さんが最後に張り切る捜査が有ったよね。

しかしドラマとしては今回の捜査の失敗がテキサスの責任みたいに
されていたけれど、そもそも村岡が鍵の付いた部屋に入っていたのを
見つかったことが問題で、テキサスは彼女の潜入を助ける為に、
泥棒を装っただけだよなぁ。
敵に捕まりボコボコにされるテキサスを助けに来たのは、馬に乗って
飛び込んできた村岡。「スクールウォーズ」の伊藤かずえさんとは
違い一応馬に乗るだけの意味は有ったかな。

ボスと村岡。共に部下を失っている気持ちを共感していた。
富士山の光景をバックにテキサスが「生きて居るからこそこんなキレイ
なものを見られる。生きて居て良かった。すみません、オレのために・・」
と語る。そして「キレイなのは富士山だけじゃない。仕事をしているあな
たはキレイだ」と名言を残していった。

ボスに対してラストで三上君の方が余程ステキな言葉をかけてくれた
としてチクリ。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
長山久子 …… 浅野ゆう子 (チャコ)

村岡房江 …… 浜美枝 (麻薬捜査官)
山荘管理事務所の男 …… 佐藤京一
山荘管理事務所の男 …… 団巌
山荘管理事務所の男 …… 中庸介
竜神会会長 …… 野口元夫
山内 ……
大宮大輔 ……
スーツケースを運んでくる女性 ……

石崎二郎、松風はる美、塚田末人、鹿島信哉、大島光幸



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