太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html





第143話 霧の旅

脚本/柏倉敏之、小川英 監督/児玉進
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喫茶「ラ・メール」で殿下はウィンナーコーヒーを注文しつつ
ある人物と待ち合わせしていた。時計を見ると約束の5時30分。
そんな喫茶店に宮沢からの電話が鳴る。彼は怖くてそこまでい
けないというのである。
それなら何処か別の場所で会おうとし矢追町の高速の下の駐車
場で会うことを提案する。宮沢は殿下を待つ中、突然車が
彼の前に現れると車の中から出て来た男・相良は銃で宮沢の
ことを射殺する。遺体を後部座席の乗せようとしていたところ
で殿下が到着する。相良は殿下のことを車で轢いて、トドメを
誘うとするがその現場にトラック運転手が通りかかった為に
犯人はそのまま逃走する。

七曲総合病院。
殿下が車に轢かれたということを聞いてボスがやってくる。
キズは痛むかと問うが殿下の反応が無い。ボスは殿下に対して
俺のことが分からないのかと問う。殿下とは僕の名前なのか。
頭の中が霧がかかったみたいなのだとし、自分が誰なのか思い
出せないという。

そのニュースはマスコミにも流れ「刑事、謎の記憶喪失」と
の見出しで朝刊に掲載される。それを犯人の相良も目にする。
相良は島刑事のアパートにいくと郵便物を回収していく。

一報テキサスは駐車場にいったが証拠は何もないという。目撃
者も車を見たという程度のことだけ。山村は昨日駅前でテキサ
スと殿下が別れたのは5時15分だろうと問うと人と遭う約束が
あると言っていたという。殿下の手帳には「青い帆」とだけ
書かれていた。しかし駅から30分以内の場所にそういう名前の
店はないのだという。
ゴリは病院に行ったず殿下は何も思い出せずにいるという。
医者は怪我自体は重傷ではなく何かのきっかけで思い出すと
言っているとのこと。
鑑識は現場の血痕は殿下のものではないと話しているという。

そんな中長さんからボスに電話が鳴る。
遺体が発見されたという知らせだった。
先に現場にいた長さんは駆けつけた山村たちに分かっている
情報を語るが手がかりらしいものは全て奪われていて、服は
オーダーメイドだということくらいだという。銃で撃たれて
いるが犯行現場がここではないということも分かっていると
いう。死亡時刻は解剖しないと分からないとのことだった。

一方犯人の相良は殿下に届いた手紙を読んでいた。
青森県青森市に住む矢代正明からの手紙。
九州から故郷に戻る途中で出来たら遭いにいくという城東大学
時代の同期生からの手紙だった。

長さんは鑑識の解剖の結果、現場の血液は被害者のものと一致
したという。死亡推定時刻は昨日の6時前後。殿下が襲われた
事故機だという。テキサスは恐らく殿下を車で轢いた犯人と
同一人物だろうと語る。

七曲総合病院に犯人の相良が車でやってくる。彼は背広に銃を
隠し持って病室へと向かう。
病室には山村とテキサスが居て殿下に被害者の写真を見せてい
た。山村は被害者の身元が分かればこの事件の背景が分かるハズ
だとして見て欲しいという。テキサスも思い出してというが・・
そんな中病室には城東大時代の同期で殿下とは同じ剣道部の
友人だったという矢代と名乗る相良がやってくる。新聞を見て
驚いたと。殿下に友達が来たとして話をさせる。何とか昔話を
すれば思い出すのではないかということだった。しかし山村は
矢代のことを疑念に思い素性に探りを入れる。青森に帰って
いたこと。実家は海産物の問屋をしているとのことだが、その
割りには訛りがないとして山村は矢代に問う。矢代が昔話を
している間にテキサスに言って矢代の素性を警察に調べてもらう。
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ウィンナーコーヒーって昔のドラマではよく耳にするけど
どんなコーヒーなのか。そしてなんでそんな名前が付いている
のかな気になるよね。wikiやネットなんかではその語源らしき
ものはすぐに見つかるけれど、今でも使う言葉なのか。

今回の主役は殿下だった。
殿下が自首しようとしている男から情報を聞きだそうとする
中、その男は殺され、そして殿下も車に轢かれて軽傷では
有るが頭部を打って記憶を失うというもの。殿下は犯人の
姿を目にしているので記憶が戻れば自動的に犯人は捕まると
いう寸法だ。
記憶が関わってくる事件というのは以前にもこのドラマで
扱われた気がする。大抵は目撃者とか証人が証言前に犯人に
よって襲われて・・ってパターンなんだけどね。

この犯人の男・相良も大胆で、山村とかテキサスが病室に居る中
で銃を手にして殿下を殺しに来る。当然ながら山村は相良
(この時は殿下の本当の友人の矢代正明として接触)の話に
耳を傾けて矛盾がないかどうかを精査する。この辺は流石山さん
って感じで、この時点で山さんが疑わなければ殿下は殺されて
いてもおかしくはなかった。

ただ正直相良もあの場面で殺して逃げるのであれば、殺さずに
逃げるという方が現実的だったよな(笑)
寧ろ拘る方がリスクが高くて自分が犯人だと言い張っているよう
なもの。その前に車を処分するなり無実だとする工作をして
いた方が余程建設的だ。

しかも大胆さは更に鉢植えの花に爆弾を仕込んで看護師に
頼んで病室に運ばせたこと。
常識的に見舞いに鉢植えを贈るなんてのはあり得ない訳で、
今時のドラマならば盗聴器か盗撮をして捜査状況や殿下の
記憶の状況を探るんでしょうけどね。
中には爆弾。いつ爆発するか分からない爆弾を持ってゴリさん
が走り河原で爆発させるところなど、ヒヤヒヤものだった。

捜査が進展したのは宮沢には婚約者の堀内がいたという事では
なく、失業して金が必要な状況の中で覚醒剤を売っていたと
する事実が浮かび上がったこと。そしてテキサスと殿下が
病室で将棋を指す中で銀将を目にして、その駒の形から
青い帆のマークがある喫茶店のことを思い出していく。

そして最終的に確信したのは本物の矢代が現れたこと。
グソリンスタンドの店員からグリーンの74年型のフォード・
ギャラクシーに乗っていた人物だということを聞く。

殿下は記憶がまだ完全に戻らない状況の中で相良によって連れ
出されて東名高速に乗って山奥で殺されそうになるが、
殿下も車のライトを見て完全に記憶を取り戻して、彼が犯人
だということを思い出した。


藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)

宮沢哲雄 …… (元田浦製作所勤務、殿下に自首しようとして殺される)
田浦製作所 …… 石井宏明 (半年前に工場は倒産)
中田三郎 …… (いずみ荘の宮沢の部屋から出てくるジャンキー)
矢代正明 …… (殿下の大学の同期(城東大学))
相良 …… 大門正明 (犯人、麻薬のディーラー)
堀内ケイ子 …… (宮沢の婚約者)

朝倉一、石井宏明、泉芙美子、福田真知子
千葉宏和、鳥井忍、山田太郎、丘広樹



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