俺たちの旅
(1975年度10月期・日曜20時枠)

企画:岡田晋吉
プロデューサー:中村良男、奈良邦彦、山本剛正
脚本:鎌田敏夫(1)(2)(4)(5)(6)(7)(10)(14)
畑嶺明(8)(9)(11)(15)、桃井章(3)(5)(12)(17)、水木凡(13)
剣持亘(16)
監督:斉藤光正(1)(2)(5)(6)(11)(12)(15)(16)、出目昌伸(3)(4)
小山幹夫(13)(14)、土屋統吾郎(7)(8)、恩地日出夫(9)(17)
大森健次郎(10)
音楽:トランザム



第17話 父親は淋しい生き物なのです
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ワカメはアパート前に流れる川の流れを見つめているのをカー
スケが声を掛ける。川の流れを見ながら、時の流れと人の世の
無情さをうれいているのだというワカメに対して、カースケは
自分には明日のご飯の心配しかないと呟く。

オメダは大学のバスケットコートで一人佇んでいると、そこに
洋子がやってくる。落ち込んでいるのか?という問いかけに、
18社受けて全て就職試験に落ちたと告げる。洋子はカースケを
探していたが、オメダに対してNBCの放送局で手伝いをしてみない
か?と誘う。手紙の整理などの簡単な仕事だと告げ、上手く行け
ばそこから出世した人もいると聞かされる。
オメダはカースケとアルバイトしているレストランにいくと、
今日でこのバイトは辞めると告げる。洋子が放送局のアルバイト
を紹介してくれたとすると、カースケも自分のことのように
喜ぶ。
レストランの厨房を抜け出した二人は、お腹が空いたために
近くのおでんの屋台で食事をする。店の主人・
深原千吉は、
二人が学生でお金が無いと知ると、ちくわをサービスしてくれ
るのだった。

一方グズ六は紀子とデートする。
今日も紀子の父・健太郎は、グズ六と会ってくれずに居た。
紀子はこうなったら駆け落ちして既成事実化するしかないのでは
ないか?とするが、グズ六は紀子さんを育ててくれた両親にそんな
事をするのは申し訳が立たないとし、いつか必ず説得するからと
紀子に告げる。紀子も両親のことを考えてくれているグズ六に
感動し、別れ際にキスを迫る。

洋子はNBC放送局のラジオブースで仕事をしていた。
現在ラジオDJをしている
安西かずみが、この局の看板アナウン
サーだった。仕事が終わると洋子はかずみに声を掛けられ、
思った以上に仕事は大変でしょう?と告げられる。洋子は自分が
本当にアナウンサーになれるのか心配だという。かずみは
洋子をお茶に誘う。

カースケたちが帰宅すること、グズ六は寝ていた。
布団の周りにはグズ六の好きなエロ本が散乱していた。
カースケはグズ六の顔にはいやらしさが一杯出ていると告げる。

オメダはラジオ局でアルバイトする事が決まったので散髪に
いく。するとそこで紀子の父・健太郎と偶然出会う。就職が
未だに決まらないことを話すと、健太郎も自分の頃も就職する
のが難しかった事を語り、頑張れで激励される。
帰宅するオメダはカースケやグズ六に、健太郎と会ったことを
語り、とてもいい人だったと告げる。まるで本当の父のようだ
とすると、何で俺には会ってくれないのかとグズ六は落ち込む。
カースケはいやらしさが顔ににじみ出ているからだとすると、
グズ六は怒って出て行ってしまう。

ラジオ局での仕事を終えた洋子とかずみが出てくる所に
カースケが声を掛ける。オメダにアルバイトを紹介してくれた
洋子にお礼を告げる。洋子はカースケにかずみの事を紹介する
と、カースケはとても綺麗な人だと思わず見取れる。気を良く
したかずみは、カースケに食事をごちそうするのだった。

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紀子との関係を紀子の両親に認められたいグズ六だが、彼女の
父・健太郎はなかなか会うことさえ許してもらえない。
そんな中、カースケはおでん屋台のオヤジ・深原千吉との
出会いがあるが・・・

親子関係についての物語が展開された。

両親を幼い頃に亡くしているカースケにとっては、生きている
のに会わずにする関係に難色を示すが、なかなか言葉と態度と
心が一致せずに、上手く行かない現状が描かれる。

カースケは安西を見たときに彼女に魅了され、その後も彼女に
対する特別な視線というものが存在していたけど、それを見た
洋子は何故嫉妬心を抱かなかったのだろうか?

今回はNBSで働く洋子の姿が描かれた。
まだ大学を卒業していないのに、随分活躍する姿があったな。

健太郎との絡みも今回は描かれ、娘の事を抜きにしたときの
若者とのコミュニケーションには、相当良いお父さんっぷりが
描かれるもやっぱり娘のことになると、厳しい視線が存在する
のね。

会いたいけど会えないとする辛い境遇が目の前で展開され、
何処かに屋台を引いて歩いていってしまう所など、ちょっぴり
寂しさに包まれた話だった。

津村浩介 …… 中村雅俊 (カースケ、修学院大学)
中谷隆夫 …… 田中健 (オメダ、修学院大学)
熊沢伸六 …… 津坂まさあき (グズ六、紀子の彼)
山下洋子 …… 金沢碧 (バスケ部のマネージャー)
中谷真弓 …… 岡田奈々 (オメダの妹)
中谷美保 …… 八千草薫 (オメダの母)
竹内紀子 …… 上村香子 (グズ六の彼女)
竹内健太郎 …… 北村和夫 (紀子の父)
竹内綾子 …… 津島恵子 (紀子の母)

谷昌彦 …… 穂積隆信 (世界教育販売・営業部長)
野中順子 …… 丘淑美 (クズ六の同僚)
森田和子 …… 関谷ますみ (クズ六の同僚)
山下茂夫 …… 瑳川哲朗 (洋子の父)
山下幸子 …… 小林千登勢 (洋子の母)

坂田大五郎 …… 名古屋章 (たちばな荘の大家・食堂いろはの主人)
坂田奈美 …… 水沢有美 (大五郎の一人娘)
浜田大造 …… 森川正太 (ワカメ、浪人生"たちばな荘")


安西かずみ …… 宇都宮雅代 (NBCラジオ、DJ)
深原千吉 …… 下條正巳 (屋台おでん屋の主人)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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