探偵物語
(1979年9月18日から1980年4月1日・全27話)
(火曜21時枠・日テレ)

企画:加藤教夫、黒澤満
監督:村川透(1)
脚本:丸山昇一
プロデューサー:山口剛、伊藤亮爾、柴垣達郎
原案:小鷹信光
音楽:SHOGUN
音楽監督:鈴木清司
オープニングテーマ:「Bad City」 by SHOGUN
エンディングテーマ:「Lonely Man」 by SHOGUN





第1話 聖女が街にやって来た
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工藤俊作は朝7時に入り口のドアのチャイムが目が覚める。
朝早く起こされたことで不機嫌な工藤。ドアには、小村冬子と
名乗るシスターが立っていた。自分は名門セイナン女学園で
シスターをしている女性で、教え子が人様の物を盗んだので、
持ち主を捜して密かに返して欲しいとの事。生徒の名はユウキ
夏子であり、ホンの出来心だという。工藤は神に学ぶ身である
ならば出来心で済ませて良いのか?と問う。
そんな中、シスターは部類のコーヒー好きで工藤が出したコー
ヒーに思わず何杯もおかわりし始める。
工藤は仕方なくバッグの中身を調べると、ネックレスやら指輪
やら高級なものが多数出てきた。身分証明書から持ち主は
横山俊江(21歳)だと判明し、中からコンドームが出てくる。
工藤はシスターに意地悪して、これは何なのか?と尋ねるのだっ
た。

工藤は俊江のマンションにいき、バッグを返そうとするが、中
から人の気配がない。しかし入り口のドアが開いていることに
気がつくと、工藤は勝手に中に入る。すると俊江が血を流して
倒れており、それを見た工藤も後ろから後頭部を殴られる。
男は二人組で指に大きな指輪をしているのを確認する。
二人組は工藤も殺害しようとするが、それを辞めて出て行く。

工藤は気がつくと、目の前で俊江が死んでいる事に気がつく。
遺体を調べていると隣人の女性が部屋に入ってきて、工藤が
人を殺したのではないかと思い突然騒ぎ出す。工藤はこの場に
居ては不味いと考えすぐに退散する。
出て行く間際に川瀬リョウタ(6歳)に見られる工藤。

急いで事務所へと戻ると、そこで隣人であるナンシーかかほり
に介抱して貰う。事務所は何者かに荒らされた様だった。
かほりたちは警察に連絡した方が良いのではないか?とするが、
その時、工藤の元に怪我の見舞いだとして男がやってくる。
ブツは何処に隠したのか?と言われると、工藤は何のことだか
分からなかったが、バッグの中に何かが入っていたのだろうと
考え取引しようと声を掛ける。今度逢ったときに具体的な話を
しようと告げる。そんな中、工藤の事務所には警察もやって
来たために工藤は裏口から密かに外に逃げ出す。

工藤はシスターの元に行くと夏子の住所を教えてくれと迫る。
バッグを返しに行ったら俊江が殺害されていた事、そしてそれ
をギャング団が狙っていたことから自分はハメられたのだと語る。
恐らく夏子は何かを盗んでいるはずだと語ると、シスターそれ
は貴方の作り話では無いかとして、自分たちを殺害しようと
しているのと勘違いする。しかしシスターたちの元にギャング
団がやってくると、シスターもようやく自分たちが命を狙われて
いる事を知る。ギャング団に詰め寄られるが偶然やってきた
巡回中の警察官のお陰で、シスターたちはその場から逃げ去る
事が出来た。

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■工藤俊作は探偵

冒頭から胡散臭い人物として描かれているけど、意外と自分の
信条を持つ探偵だった。ヤクザとの絡みや拳銃の銃弾が飛び交
う状況でもコメディチックな演出が為されている。

警察官も工藤のことは認知しており、胡散臭いとする視線を
投げかけているものの、憎んでいるとまでは行かないようだ。

■最初の依頼はシスターからのもの

シスターから生徒が盗んだバッグを持ち主に返して欲しいと
いう依頼。シスターという事でいじり甲斐の有るキャラクター
で、時折それを意図するようなやりとりが描かれている。

刑事からトルコの修道院のシスターという風俗嬢と間違われ
平手打ちする辺りは笑える。

■工藤俊作という人物

この街に来て3年。
シスターがヤクザから逃げ回る過程で、工藤に情報をくれたり
指名手配されているにもかかわらず逃がしてくれる事に疑問を
持つけど、街の住民からはそれなりの信頼と愛情を得ている
様だ。特に事務所に出入りする近隣の女性・ナンシーとかほり
の姿を見れば、工藤という人物の性格が見えてくるのかも知れ
ない。

■現代捜査からは考えられない展開

遺体に触れてしまう工藤の姿。しかも何の弁解もせずに逃げ回
っていく。
ヤクザが銃撃してくるのに対して、シスターと女子学生の女性が
銃で応戦してヤクザに弾を当ててしまう所が、なんとも豪快かも。

■カーチェイス

昔のドラマはカーチェイスシーンが多かったよなと思わせる程、
カーチェイスシーンはドラマでも比較的重要な演出として使用されて
する。

■事件の顛末

空港で遊んでいた夏子と恋人が、スチュワーデスと恋人が車の中で
キスしている隙をついて、車中からバッグを盗む。そのバッグの中には
何と偽ドルを作成するためのフィルムが入っていて、それを盗んでしま
った為に、ヤクザはスチュワーデスの横山俊江を殺害。更に夏子を
狙い始める。

工藤俊作 …… 松田優作 (探偵)
服部 …… 成田三樹夫 (刑事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (俊作の隣人の女性)
かほり …… 竹田かほり (俊作の隣人の女性)
結城夏子 …… 熊谷美由紀 (女子高生)
松本 …… 山西道広 (刑事)
小村冬子 …… 緑魔子 (シスター)
星田 …… 団巌 (ギャング団)
マンションでの目撃者 …… 千うらら (俊江の隣人)
水野 …… 佐藤蛾次郎 (ギャング団ボス)
宮下公園の浮浪者 …… 山谷初男 (外国人風?)
横山俊江 …… 高橋るみ (21歳、バッグの中に偽札のフィルム)
レナ …… 三原玲奈 (売春婦、夏子と間違える)
サブロー …… 庄司三朗 (夏子を捜す時に声を掛ける情報屋)

中平良夫
日和田春生、牛山茂、山田昌人、小寺大介、谷山三朗
川津亮太、大竹義夫、岡田勝、星野晃

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