探偵物語
(1979年9月18日から1980年4月1日・全27話)
(火曜21時枠・日テレ)

企画:加藤教夫、黒澤満
監督:村川透(1)(2)、西村潔(3)(4)(6)、澤田幸弘(5)(7)
長谷部安春(8)
脚本:丸山昇一(1)(5)、那須眞知子(2)、佐治乾(3)(4)(6)(7)
柏原寛司(6)、中島紘一(8)
プロデューサー:山口剛、伊藤亮爾、柴垣達郎
原案:小鷹信光
音楽:SHOGUN
音楽監督:鈴木清司
オープニングテーマ:「Bad City」 by SHOGUN
エンディングテーマ:「Lonely Man」 by SHOGUN





第8話 暴走儀式
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依頼主の元に行く途中、国道・交差点を疾走している工藤は
突然バイクの調子が悪くなり止まってしまう。
なんとか依頼主の居る
岡島自動車修理工場に着くと、早速話を
聞こうとするが、奥から車椅子の主人・
岡島正道が出てくる。
工藤は電話で連絡を受けたので来たことを告げるが、自分は
そんな連絡はしていないという。奥から長男の
達也が出てくる
と電話したのは自分だと語る。
一年前に家を飛び出した弟の
を連れ戻して欲しいというもの。
幼い頃に母親が亡くなり、寂しい思いをしている進を父が厳しく
接したこともあり、グレてしまい
暴走族"疾風"に入ってしまっ
たのだという。工藤は家庭内トラブルの仕事は引き受けない
事にしているとするが、達也に頼まれ仕方なく引き受ける。
しかし例え家に連れ帰っても、また出て行くかも知れない事を
告げその責任までは負えないとことわっておく。
工藤は序でに自分のバイクの点検を依頼する。

工藤は進が居そうな所を聞き込みして回る。
その中で"疾風"が出入りしているというディスコが有ることを
聞き、早速店主に尋ねると、疾風は半年前に解散してメンバー
もバラバラになったという。唯一このディスコに通っている
メンバーは
中井恵美だけとの事だった。

恵美から進の事について尋ねるが、暴走族を解散して以降、
メンバー間で交流が無くなってしまったのだという。
特に
柳田高志ロック歌手として有る程度の成功を収め、昔の
仲間と会っても無視しているのだという。恵美は自分はグリーン
マンションに住んでいるので、何か聞きたいことが有ればいつ
でも歓迎すると工藤に語る。

工藤は高志のバンドメンバーが居るビルへと訪れる。
ビルの入り口には暴走族「疾風」のメンバーを意味する
赤い
薔薇のマークが付いたバイク
が止めて有った。
ビルの中にいるバンドの仲間達はここには高志は居ないとい
う。もしかすると屋上にいるのではないかとすると、工藤は
屋上を覗きにいく。
すると屋上には血の付いた椅子が落ちていると共に、高志の
遺体が横たわっていた。

翌日工藤は事務所で寝ていると、二人の刑事・服部と松本が
やってくる。ドアの外で二人は工藤に対して殺人の容疑がかかっ
ている事を告げると、工藤は窓から外へと逃げ出す。
工藤はグリーンマンションを尋ね恵美から、高志が殺害された
事を語り、そのビルの外には薔薇の花の付いたバイクが止めて
有ったことを語ると、そのバイクは進のもので有ると語る。

工藤は恵美に頼むと進の居場所を知っていそうなメンバーの
元へいく話を聞いて貰う。
次郎は進の居場所は知らないとする
が、会社を早退しバイクで何処かに出かけたために、工藤は
跡を付ける。すると昔の仲間である
祐二と会い、祐二は何処か
に電話する姿があった。工藤は店にはいると祐二を脅して話を
聞き出す。すると
和夫に電話していた事を告げ、進の話を聞こ
うとしただけだという。和夫は青山でスナックを経営している
との事だったる

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■依頼人は自動車修理工場の長男

家出した弟の進を捜して欲しいという依頼。
暴走族に入ってしまったという事で、連れ戻すのは容易ではな
い事が想像されるが、暴走族ならば本人を見つけることは
意外と簡単かなと。

■岡島家の家庭の事情

父親がとても頑固な人で、母親と死別して以降男親だけで育て
られたことも有り、不良と化してしまった様だ。
今回登場する恵美もまた家庭の事情で暴走族入りしている。
昔の不良は家庭の事情によって暴走族に入ったりするのが
明確化していたな。

■暴走族「疾風」の末路

既に解散しているのだという。
解散していることと進が居なくなっている事に何らかの因果
関係が存在するのかと思ったけど、別に事件が有った訳でも
なく単純に解散していたみたい。
しかも仲間同士の繋がりが希薄になっているという。
一体暴走族たちはどうしたんだろうか?
一応社会人としての意識が芽生えたのだろうか。

■恵美は工藤に協力的

恵美がいつ工藤を裏切るのか心配していたけど、彼女自身は
とても良い子だった。
しかもとても可愛らしい人だね。演じているのは八城夏子さん
という方らしい。

■またしても工藤は殺人の容疑者に・・・

パターンとしては面白いけど、流石に似たような展開が続いて
しまっているかな。
工藤が逃げ回るのも有る意味ではこのドラマの見所の一つ。
隣に住むというナンシーとかほりの家を経由して今回刑事
たちから逃げる姿があった。二人の女性がレオタードでエア
ロビしている辺りは視聴者サービスカットか。

■昔の仲間が結集

一応分かれても仲間意識は存在していたようだ。
しかも解散してまで、暴走族のルールみたいなものが存在して
いるというかなり違和感のある展開。
儀式と称して、バイクでひき殺そうとしている辺りが凄い。

■犯人は次郎

ナンシーとかほりの活躍により、バイク専門の修理工に電話
しまくると、進が働いている店を発見。
進に今回件を問いつめると、その日バイクを次郎に貸したの
だという。次郎が高志に金を借りに行き断られた事に逆上して
殺害に及んだようだ。
刑事に取り囲まれると次郎はバイクを車にぶつけて自殺する。
何というシュールなオチなのか。

■親子の和解

進が戻り父が涙する姿があった。
恵美も故郷に帰ったとの事。
自分たちの仲間が殺人事件を起こしたことがショックだった
のかな。

■バイクの故障は整備不足

しかしあの交差点で故障したシーンを撮影していたけど、今では
考えられないようなカットって感じがするね。今は道路交通法が厳し
そうだしこういう所で撮影出来なそう。

工藤俊作 …… 松田優作 (探偵)
服部 …… 成田三樹夫 (刑事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (俊作の隣人の女性・モデル)
かほり …… 竹田かほり (俊作の隣人の女性・歌手志望)
松本 …… 山西道広 (刑事・ヒゲ)

初代イレズミ者 …… 野瀬哲男
サブロー …… 庄司三郎 (バーテン)
ダンディー …… 重松収 (情報屋・ビリヤード場)
風俗嬢 …… 三原玲奈、真辺了子、平田弘美
京子 …… 橘雪子 (トルコ"迎賓館")
飯塚 …… 清水宏 (骨董品屋・情報屋、映画好き)


岡島進 …… 加藤大樹 (次男、暴走族「疾風」)
岡島正道 …… 近藤宏 (父。岡島自動車修理工場)
岡島達也 …… 浜口竜哉 (長男、依頼主)
中井恵美 …… 八城夏子 (「疾風」、両親離婚。母は教師)
柳田高志 …… 影山英俊 (「疾風」、ロック歌手)
次郎 …… 片桐竜次 (「疾風」、デパート勤務)
祐二 …… 高品正広 (「疾風」、洋服店勤務)
和夫 …… 香山浩介 (「疾風」、青山のスナック"エグザ")

北野清治、河野存臣、大川英二、吉田丈弘


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