探偵物語
(1979年9月18日から1980年4月1日・全27話)
(火曜21時枠・日テレ)

企画:加藤教夫、黒澤満
監督:村川透(1)(2)、西村潔(3)(4)(6)(11)、澤田幸弘(5)(7)(9)
長谷部安春(8)(10)、加藤彰(12)(13)
脚本:丸山昇一(1)(5)(11)(13)、那須眞知子(2)
佐治乾(3)(4)(6)(7)
柏原寛司(6)、中島紘一(8)、宮田雪(9)、白坂依志夫(10)、和久田
正男(12)
プロデューサー:山口剛、伊藤亮爾、柴垣達郎
原案:小鷹信光
音楽:SHOGUN
音楽監督:鈴木清司
オープニングテーマ:「Bad City」 by SHOGUN
エンディングテーマ:「Lonely Man」 by SHOGUN





第13話 或る夜の出来事
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在る夜、道玄坂の宝石店に強盗が入る。
警備員を殴り飛ばす犯人は、宝石を奪うとトイレの窓から脱出
し、下水道を伝って安全な場所へと逃走。しかし逃走する際に
彼は手を負傷する。

一方弁護士会のパーティから帰宅途中の
相木政子は、タキシー
ドを来た紳士風の男・
高村隆太郎が、人気の少ない夜道で一人
佇んでいるのを見かけ、声を掛ける。高村は一緒に参加した
パーティーで出会った女性に送ってもらう際に喧嘩したので
途中で車を降ろされて困っていたという。口の上手い男は話を
しているウチに、政子の心を掴んでいく。
そんな中、政子が運転する車は検問に引っかかる。
緊急配備が敷かれている事を聞かされ、犯人は恐らく単独犯だ
という。高村は自分が宝石を盗んだとして、宝石のケースを
警察官に見せるが中身はなく、ジョークだとして笑い飛ばす。

行きずりの女に宝石を取られたという高村は、政子に現在は
バハマに在住しているが、時々里帰りの為に日本に帰国する
という。四季のある日本の良さを得々と語る。
高村は政子の家で飲みながら彼女をくどくと、政子も本気に
なり始める。しかしマティーニを飲んだ次の瞬間睡魔が訪れる。

政子は気がつくとソファーの上で寝ていた。
外は明るくなっており、高木の姿がないことに気がつく。
政子は機嫌良く朝食に田楽風のシチューを作り始める。

そんな中、ドアのチャイムを鳴る。
政子は高村かと思えば、ドアの前に立っていたのは二人の刑事
服部と松本だった。二人は昨晩宝石強盗が有り、その手口は
怪盗103号こと高村隆太郎(35歳)の仕業で間違いないという。
何処から聞いてきたのか、昨夜政子が高村と一緒に検問に居た
との話を聞いて彼女を問いつめに来たのである。
松本によると、3年前に一度掴まえるも証拠不十分で釈放された
という。一昨年にも3件、去年も3件宝石強盗が起き、高村が
日本に帰国したのと同時にそれらが起きている事を告げる。
高村は強盗が起きる夜には、必ず女と共に居てアリバイを完璧
にしているのだという。

二人の刑事が帰った後、政子は服のポケットを調べるとそこに
は高村からのメモが残されており、
"素敵な夜をありがとう"
書かれていた。

一方工藤は、ダンディーの協力を経て女性の浮気調査を行って
いた。喫茶店で不倫相手の男性との会話を盗聴するダンディー
と工藤。
そんな中、政子は工藤の事務所に行くと、昨夜不思議な男と
出会った事を告げ、その男を探して欲しいと頼む。その男に
関する写真や資料を持ってきたとして工藤に手渡すが、工藤は
今は依頼されている案件で忙しいとして断る。他ならぬ私の
頼みだとして、政子は工藤に頼むが、工藤は浮気調査をしている
事もあって、男女の関係にはウンザリだと語る。

そんな中、怪盗103号は二度目の宝石店強盗に入ったとラジオ
から聞こえる。政子は工藤にその男は怪盗103号かも知れない
事を口にするが、工藤は本気にしない。そういう事は警察に
任せた方が良いと語ると、政子は在ることを思いつく。

政子は松本に電話すると、彼を自宅に招いて誘惑し、高村の
事を聞き出す。すると昨晩の彼は、
赤木ユリという女性と
共にホテルに居た事を知る。

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■相木政子が強盗に利用される

今まで工藤が事件に巻き込まれる事は多かったけど、相木が
巻き込まれるというのが興味深いところ。
しかも強盗を掴まえるのが目的だと思われたが、実際には
その流れが途中で旋回していくところも面白く出来ていた。

■工藤の流れ

今回完全に脇役に徹してしまった工藤。
浮気調査を熱心にしていたけど、なんと高村の動きを"偶然"
キャッチする為にこのエピソードの流れが存在している。
巻き込まれてしまったダンディー。

■切ない松本

相木から個人的に部屋に呼び出されて、その気になってしまう
松本刑事。バラの花束まで買って相木の家に行き、相当
密着されて誘惑されるも、単純に高村の動きを掴むための罠
だった。まぁいつもの松本らしいオチ。

■怪盗103号

高村は35歳という設定だけど、どう見ても50歳過ぎの役者さん
って感じの人が演じていたな。でもwikiで調べると岸田さんは
43歳の時に亡くなっているとか。1939年生まれの人だから、
そんなに年齢的には遠くはないのか。

■高村に仕返ししようとする相木

しかし相変わらず上手く口説かれてその気を失わされてしまう。
睡眠薬を飲ませようとしたのも警察に突き出すのではなく、
新たな犯行を辞めさせようとする意図から。
あまりにベタな流れだったので、誰が見ても酒を飲み交わす
シーンで相木が酒に薬を入れたであろう事はバレバレだったね。

■高木の手の怪我

今時の科学捜査ならば一瞬で犯人だと判明されてしまうだろう
な。当然当時はそんな捜査は確立されていない。
わざわざ逃げる際や忍び込む際に、下水道を使わなくても良い
のではないかと思わせる所があった。

工藤俊作 …… 松田優作 (探偵)
服部 …… 成田三樹夫 (刑事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (俊作の隣人の女性・モデル)
かほり …… 竹田かほり (俊作の隣人の女性・歌手志望)
松本 …… 山西道広 (刑事・ヒゲ)

初代イレズミ者 …… 野瀬哲男
サブロー …… 庄司三郎 (バーテン)
ダンディー …… 重松収 (情報屋・ビリヤード場)
風俗嬢 …… 三原玲奈、真辺了子、平田弘美
京子 …… 橘雪子 (トルコ"迎賓館")
飯塚 …… 清水宏 (骨董品屋・情報屋、映画好き)
花山チー子 …… 花井優子 (オカマ)
山崎 …… 榎木兵衛 (宝石の故買屋)


相木政子 …… 倍賞美津子
高村隆太郎 …… 岸田森

工藤明子、八代康二、木島一郎、団巌、重松収、大平忠行


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