探偵物語
(1979年9月18日から1980年4月1日・全27話)
(火曜21時枠・日テレ)

企画:加藤教夫、黒澤満
監督:村川透(1)(2)(14)、西村潔(3)(4)(6)(11)
澤田幸弘(5)(7)(9)
長谷部安春(8)(10)、加藤彰(12)(13)
脚本:丸山昇一(1)(5)(11)(13)、那須眞知子(2)
佐治乾(3)(4)(6)(7)
柏原寛司(6)、中島紘一(8)、宮田雪(9)、白坂依志夫(10)、和久田
正男(12)、那須眞知子(14)
プロデューサー:山口剛、伊藤亮爾、柴垣達郎
原案:小鷹信光
音楽:SHOGUN
音楽監督:鈴木清司
オープニングテーマ:「Bad City」 by SHOGUN
エンディングテーマ:「Lonely Man」 by SHOGUN





第14話 復讐のメロディー
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雨の夜、劇場の前にいた工藤の元に女性がやってくる。
仕事の依頼ならば明日にしてくれないか?と声を掛けるが、
私の命は今日終わると言われ工藤は仕方なく事務所で話を聞く
事にする。

女性の名は、
大杉亜木子。世田谷に住むという彼女は、有る
事件を調べ直して欲しいという。半年前に弁護士をしている夫
が、依頼人の妻を暴行殺人した罪で捕まったのだが、夫は絶対
にそんな事はしていないと告げる。殺された女の夫から、
離婚の慰謝料の件で雇われた夫は、女性が高額の慰謝料を要求
した為になかなか話がまとまらなかったが、殺人事件の起きた
晩には突然女性の方から話し合いに応じても良いと言われて
会いに行ったという。女性は夫を誘惑して有利に丸め込もうと
して来たがマジメな夫はそれをはね除け帰ってきたとのこと。
女は訴えるとして脅してきたが、勝手にしろと言って夫は帰っ
たとの事。警察から取り調べを受けるが、警察側は女性から
誘惑したのは嘘で、襲った後に口封じのために殺したのだろう
とされたという。取調中に夫に不利な証言をする人物が多数
現れたために、ノイローゼのようになり、今日自殺してしまっ
たのだという。亜木子は本当の犯人を捜して欲しいとの頼む。
しかし工藤は法律のプロが無実を証明できずに自殺したという
事は、罪を認めたと取られても仕方がないという。

亜木子は結婚して5年間一緒にいたので夫のことはよく分かって
いるとするが、工藤は所詮は他人なので夫のこととはいえ
知らない一面があるのではないかと反論する。
夫は二年前に、自分たちの
子供・ゆかりが私が目を離した隙に
交通事故で死なせてしまった時にも決して怒ることなく許して
くれた人だと告げ、工藤以外にも探偵社を尋ねたが、何処も
警察には楯突きたくないとして断られたという。自分にも何も
残っていないので捨てる物は何もなく、一人でもやるという。
工藤はやれる事はやると約束するが・・・

大杉弁護士について、政子から色々と事情を聞き、当時の捜査
調書などを取り寄せて貰う。
そこには事件の詳細が書かれていた。

事件が起きたのは11月23日の勤労感謝の日。
城東署に通報が来たのは24時で、担当したのは西田治彦という
刑事で、被害者は・
土井カオル。ネグリジェ姿で発見された
というもの。夫はカメラマンをしており、被害者から検出され
た体液にはO型を示すものが残されていたとのこと。
容疑者の大杉弁護士がこの家を訪ねたのが23時40分だという。

工藤は当時証言人だった人物から改めて話を聞いて回る。
律子は大杉がカオルの素行調査をしていたので、それを知った
カオルは散々大杉の事を罵っていたとし、嫌な女だと告げ、
ああいう女は強引に従わせるのが一番だと語ったという。しかし
工藤は嘘をつくと偽証罪に問われることを告げると、嫌な女だ
と言ったのは確かだが、それ以外は警察の誘導尋問に乗せられた
事を認める。
一方カメラマンの夫・土井から話しを聞くと妻は悪知恵に長けて
いたのだという。

工藤は政子の元に行くと再び事件について話し合う。
西田刑事は
霧ヶ峰の西田牧場の息子で閻魔の西田と呼ばれる
辣腕デカであるという。被害者の交友関係を調べたが、みんな
アリバイが有り殺すほどの動機を持った人物は居なかったと
いう。似たような事件が無いか調べてみたらどうか?と言われ
工藤は資料をひっくり返すと、クラブホステス・
黒沢みつ子
(28歳)を殺害した事件が2年前に八王子起きており、そこでも
O型の体液が検出されているという。一人暮らしの女を狙った
犯行で有る事から同一犯の可能性も高かった。

工藤は骨董品屋の
飯塚の元を尋ねると、二年前に被害者から
奪った指輪を売りに来た人物を調べて欲しいと頼む。

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■夫を殺害された妻からの依頼

子供を失い夫までも失った女性・大杉亜木子。
彼女がどういう思いで工藤の元を尋ねてきたのか。
全てを失った彼女ならば犯人が見つかれば復讐しかねない事
は明らかなのかも。

■政子に協力を依頼

こういう時に弁護士が居ると役に立つね。
ただ今回の政子は工藤と会うときは常にトレーニングして
いた感じ。ダイエットする必要もないのにね。

■2年前に類似する事件

共通するのは数あれど、なんといっても担当したのはどちらも
西田治彦だという事。しかもどちらの事件も第一発見者は
警察官だという事で、容疑者を西田に狙いを付けていく。

しかも当時の証言者は西田の誘導尋問によって、弁護士に
罪をぬすりつけるように誘導されていたことが判明。

■亜木子の一度目の復讐劇

西田の家に侵入し、彼の帰宅を待って包丁で刺し殺そうとする。
包丁で刺すことは出来なかったが、西田から銃を奪い殺そうと
する。自宅にまで銃を持ち帰るなと小一時間だけど、大抵の
刑事は一発目は空砲にしておく事は常識か。

■姿を消す亜木子

復讐に失敗した亜木子は姿を消す。
工藤の元に現金書留で現金が送られてきて、調査の打ち切り
の断り状が入っていた。消印から彼女は蓼科に居ることが判明。

蓼科では銃の練習をしていた。

■飯塚からの情報

山本という人物が西田が当時殺害したのを目撃しており
西田の影に怯えて逃げ回っているのだという。

■亜木子の2度目復讐劇

休暇で霧ヶ峰の西田牧場に居る西田をライフル銃で射殺しに
いく亜木子。工藤も止めようとするが一歩間に合わず。

工藤俊作 …… 松田優作 (探偵)
服部 …… 成田三樹夫 (刑事)
ナンシー …… ナンシー・チェニー (俊作の隣人の女性・モデル)
かほり …… 竹田かほり (俊作の隣人の女性・歌手志望)
松本 …… 山西道広 (刑事・ヒゲ)

初代イレズミ者 …… 野瀬哲男
サブロー …… 庄司三郎 (バーテン)
ダンディー …… 重松収 (情報屋・ビリヤード場)
風俗嬢 …… 三原玲奈、真辺了子、平田弘美
京子 …… 橘雪子 (トルコ"迎賓館")
飯塚 …… 清水宏 (骨董品屋・情報屋、映画好き)
花山チー子 …… 花井優子 (オカマ)
山崎 …… 榎木兵衛 (宝石の故買屋)


相木政子 …… 倍賞美津子 (弁護士)
大杉亜木子 …… 范文雀 (依頼人)
西田治彦 …… 長谷川明男 (城東署刑事)
小林 …… 江角英明 
土井 …… 村松克己(カメラマン、殺害されたカオリの夫)
律子 …… 前野曜子 (証言者、パーマの女性)
牧場の従業員 …… 水木京一

浜口竜哉、岩波とも子、橋田良江


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