気分は名探偵
(日本テレ土曜21:00 - 21:54枠/1984年10月6日から1985年3月30日)

プロデューサー:山口剛、菊池昭康
脚本:宮田雪、石原純一、岸田理生、柏原寛司、田村多津夫、金子裕
演出:高井牧人、河野和平、水島総、梅谷茂、新沢浩、中山史郎
音楽:羽田健太郎
主題歌:「人魚の誘惑」 唄:水谷豊





第3話 小さな依頼人
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圭介は吉原野探偵事務所で住み込みの探偵業を始めることにな
る。
そんな圭介の元に、聖子の娘・かおりが朝起こしに来る。
昨日は引っ越し作業で大変だったという圭介に対して、朝は
8時に朝食を取るのが約束だという。

聖子から圭介に探偵業をするに辺り給料の件で話合う。
沢山あげたい気持ちはあるが、現在の状況では15万円程度しか
月に出せないという。圭介は住み込みだしそれで問題はないと
するが、食事代は一日500円、家賃代として2万円は差し引くと
いう。手取り11万5千円である事を告げると、圭介はそんなの
酷いと訴えるが、パパが死んで私たちも親子二人で生きていく
のは大変だとして理解を求める。
そんな中、弁護士をしているパパの弟・良平から早速仕事の
依頼が来ている事を語る。離婚調停中の人妻には相手に愛人が
いるらしく、ガードが堅くて今の所相手の正体を掴むことが
出来ないのだという。その正体を掴むというのが今回の仕事だ
という。

仕事を始めようとした矢先に探偵事務所には赤い服に野球帽
を着た少年の河西実がやってくる。圭介が探偵だと知ると
父親・隆一のことを助けて欲しいのだという。父は人殺しなど
していないのに警察は父を犯人だとして扱っているという。
だから探偵に頼むしかないのだという。探偵は警察よりも頭が
良いのだろうとするが、聖子は子供の事を真に受けていたら
プロにはなれないとして、子供を追い払うのだった。圭介に
対してもこれは遊びではないのだとして、依頼を受けるかどうか
は私が決めるのだと聖子は語る。

一方店ではマスター・加納礼ネコ"キクマル"の具合が悪いと
してマスターも元気がないのを目にする。
一方浩三は娘の明子に対して、昨日は誰と飲んできたのか
問い詰める。明子はいちいち親だからと言って詮索しないで
と主張する。友達と飲んできただけだとすると、なんて名前の
子だとして激しく問い詰められる。昔の男と飲んでいたのだろ
うとし、浩三はもう一度痛い目を逢わせてやると告げる。
明子の前の彼氏は暴走族であり、浩三がぶっ飛ばしたことを知って
家出したことがあるのだという。元刑事で柔道五段ともなると
大変だと告げる中、アルバイトをしている荒木紀信の様子が
不自然だった。

圭介は素行調査の為に対象者の和服を着た女性を尾行する。
そんな圭介のことを尾行する実の姿が有った。
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いよいよ本格的に探偵業を始めた圭介。
最初の依頼は離婚調停中の女性の素行調査だった。
そんな中で飛び込む様にしてやってくる子供からの助けを求め
る言葉に聖子は子供のイタズラだとして一蹴するが・・

■浩三は娘・明子の男性関係を気にする。

過剰なまでに娘を気にする父親の姿。
刑事だったという手前、父親も気が強いし、実際に暴力を奮う
ということで、昔によくいた鬼パパって感じの設定。
ただそんな明子も元は暴走族と付き合っていたという設定が
有るらしいので、父親への反発心なども有るのだろうか。

■河西実からの依頼

小学6年生の少年から探偵に助けを求められる圭介。
少年が持っていた新聞の切り抜きによると、父親は玩具会社を
経営していて、手形詐欺師によって空の手形を掴まされて
倒産に追い込まれていたことを知る。それを恨みに思って
商事会社の岩倉を刺殺したのではないかという容疑で警察に逮捕
されているとのことだった。

本人は現場で凶器のナイフを見つけただけだと語る。

■河西陽一のアリバイ

被害者が殺害されたのは午後3時。ホテルの一室で殺害されたもの
で、午後4時に部屋から陽一が出たとする目撃証言が逮捕のきっかけ
となった。現場からは陽一の指紋も検出されているということで
アリバイをなんとか立証しなければならないということ。

少年の話では当日の足取りは、父親と渋谷のデパートの食堂に
居たとするが、それを裏付けるものが居ない。

■少年の記憶が頼み

少年の言う事を大人がなかなか信じてくれないとする事情が有る。
それを反証する為にも彼の言葉を裏付けるものが必要だった。
ちょうど3時頃には散歩で近くのガソリンスタンドを通りかかり、
そこでリリーというネコを飼う少女・まゆみと出会っていること。
足に包帯を巻いていて病院にいくということを口にしていたことが
発覚。

■病院・病気

病院をくまなく探すがまゆみという患者がなかなか見つからない。
唯一見つかったものの山口まゆみという少女で、別人だと判明する。
当時のプライバシーに於ける緩さが伺える瞬間かも。

本当に実の言葉が本当なのかを圭介も話し合っているのを聞いて
実は傷ついてしまった。
信じない訳ではないとして説得。実自身も少しずつ父親のことを
信じられなくなっていく中、今度は圭介が実に対して、お前が
信用しなくてどうするのかと問うシーンが有った。

親子が子供を信じて、子供が親を信じるというのが今回のドラマの
テーマだった。浩三は娘のことを信用出来るのか。

■荒木紀信が圭介の捜査を手伝う・事件解決

手伝う意図は明らかだったけどね。

マスターが飼っているネコが冒頭から調子悪そうにしていた為
話を聞くと動物病院に行っていたとのことでヒントを経て、
村田犬猫病院で確認すると、当日病院にいくと言っていた発言は
飼い猫のことだったと分かる。

■万年坂警察

本来圭介がしたような事は警察がやることだよなぁ。
大してアリバイの裏付け捜査も難しくないし。
探偵として儲からないという辺りは如何にもこのドラマらしい
ところだけどね。

刑事のコンビを組んでいるのが八田と大藪だったけど、
大藪を演じているのは若かりし頃の片桐竜次さんだという
辺りが驚く。「相棒」での片桐さんとは全く別人で言われない
と気が付かないかも。


夢野圭介 …… 水谷豊 (吉原野探偵事務所)
吉原聖子 …… 朝丘雪路 (妻、夫を心臓発作で亡くす)
草間緑 …… 岡江久美子 (渋谷東小学校・教師)
八田利男 …… ケーシー高峰 (万年坂警察・刑事)
加納礼 …… 草野大悟 (喫茶店のオーナー)
マリー池田 …… 順みつき (占い師)
荒木紀信 …… 船越栄一郎 (喫茶店でアルバイト、カメラ)
大藪邦彦 …… 片桐竜次 (万年坂警察・刑事)
吉原かおり …… 佐野量子 (娘、高校2年生)
津村明子 …… 一氏多佳美 (浩三の娘)
倉田早苗 …… 岩本多代
吉原良平 …… 財津一郎 (弁護士・パパの弟)
津村浩三 …… 藤岡琢也 (整体師)

河西隆一 …… 山田吾一 (玩具店社長、殺人容疑)
並木町子 …… 山口美也子 (隆一の元妻)
河西実 …… 磯崎洋介 (隆一の息子、小学6年生)
ガソリンスタンド店員 …… 伊藤克信 (芝公園前給油所)
まゆみの母 …… 中村まり子 (母)
平野まゆみ …… 村佳子 (ネコを連れた足に包帯の少女)
看護師 …… 堀佐和子、阪部芳好
少女の母 …… 佐野百合子
婦警 …… 西坂和子
和服姿の女 …… 佐久間茉知子 (浮気調査)
少女 …… 井手多香子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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