気分は名探偵
(日本テレ土曜21:00 - 21:54枠/1984年10月6日から1985年3月30日)

プロデューサー:山口剛、菊池昭康
脚本:宮田雪、石原純一、岸田理生、柏原寛司、田村多津夫、金子裕
演出:高井牧人、河野和平、水島総、梅谷茂、新沢浩、中山史郎
音楽:羽田健太郎
主題歌:「人魚の誘惑」 唄:水谷豊





第4話 消えたダイヤは八千万!?
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吉原野探偵事務所に一人の女性依頼人・北小路綾乃がやって
くる。8千万円の家宝のダイヤが盗まれたので探して欲しい
いうもの。警察には届けたのかと問うが、届けていないという
彼女。恐らく盗んだのは家族のものだと告げ、誰がどういう
理由で盗んだのか調べて欲しいのだという。もしも売られてい
れば密かに買い戻すという。調査料は幾らでも払うので、住み
込みの家庭教師ということで北小路家に来て欲しいと語る。

北小路綾乃(50歳)、貿易会社の女社長だった。
圭介は北小路家にいくと、三男の冬彦とこの家に30年間勤めて
いる執事の有助が広い庭でキャッチボールをしていた。

圭介は綾乃に再び邸宅内で会うと、指輪が盗まれた時のことを
尋ねる。指輪を最後に確認したのは先週の日曜日の午前11時。
この日は三時からパーティーが有るのでその時に身につけてい
こうと思って確認したという。毎日12時の時計の音と
共に家族全員で食事することになっているのだという。
ご飯を済ませて部屋に戻ったのが1時半でその時に無くなって
いるのに気が付いたとのこと。

綾乃はディナーの際に家族に対して圭介のことを紹介する。
冬彦の家庭教師としてこれから住み込みで働いてもらうという
こと。綾乃はそれぞれ家族のものたちを紹介していく。
長男の春彦(25歳)は会社で専務をしてもらっているという。
圭介の印象は根暗な人物だった。次男の夏彦(23歳)は大学生
だという。圭介の印象は軽薄さだった。秋乃(20歳)白薔薇
短大の2年生だというと、優しそうだが男に媚びそうな感じが
する。三男の冬彦、そして有助は30年間北小路家に尽くしてくれ
ている人物だと語る。現在は60歳を超えたとのことだった。

圭介はマリーに水晶占いで犯人のことを探ってもらう。
すると水晶玉には3人の人物・春彦・夏彦、秋乃の姿が映し出さ
れる。一方素行調査の為に、聖子は荒木に対して次男の夏彦を
尾行して欲しいと頼む。圭介が長男を尾行し、聖子が長女の秋乃
を尾行すると語ると、荒木はどうせならば僕が秋乃を尾行して
聖子が次男を尾行したらどうかと告げる。聖子はそれも有りだと
語るが、浩三は大反対するのだった。

春彦を尾行していた荒木は公園で彼が女子トイレに入る事を
知る。なんと女装して出てきて、喫茶店で男性と会う姿が有った。
一方聖子は秋乃を尾行すると、彼女はアパートの一室で経営
しているモデルルーム"キャンパスメイツ"に入って行く。
聖子は自分もバイトしたいとして室内を尋ねると、熟女も
需要はあるとして中に入れてもらえる。4人の女子大生たちは
会話している中で、秋乃はジミーというミュージシャンに入れ込
んでいて金を貢いでいる事を知る。そしてこのモデルルーム
が実は愛人バンクであるという事を知るのだった。
一方圭介は長男を尾行していると、なんと彼は一郎という息子
妻・美佐子がいる事が分かる。4年前に綾乃に別れさせられ
念書にも書かされたが、実は籍も入れて子供もいる生活を
送っていたのである。
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今回の探偵の依頼は富豪の家で起きた家宝の宝石盗難事件。
果たして盗んだ犯人は家族の中に居るのか。

親の心、子知らず。子の心、親知らず。という感じのエピソード。

随分と年齢差の有る子供が4人居るなという感じだったけど、
どの人物も如何にも思わせぶりな感じがして、一番犯人そう
ではない人物が犯人なのだろうなと思う所だった。
それ故に視聴者の多くも子供が家族の心を取り戻す為に
意図してダイヤを隠したのではないかと思っていたけど、
実際には執事による犯行だった。

他殺ではなかったにせよ、これだけの金のある家庭に於いて
何故30年も尽くした執事が盗まなければならなかったのか
がちょっぴり違和感も有り、ちゃんと給料はあげていたのか
人ごとながらも気になる。
住み込みで働いている限り、あんまり出費もないだろうしね。

母親はとても子供思いだけど、仕事のために構ってあげられな
かったことが子供たちを奔放に成長させてしまったものなのか。

母親が楽しみにしているという家族揃った食事についても
ある程度大人になればそれぞれの生活スタイルが確立する
ので一緒になれなくなるのも分かるけど、一緒に時間を
つくって互いに協力して欲しいところ。
特に旦那さんもいないしね。

ドラマとしては圭介に対してすがる気持ちの三男の姿を見る
とこの家の現状が分かるというものだった。
圭介が家庭教師ではなく探偵だと知って裏切られた思いが
したのだろうけど、それでもまだ信じたい気持ちが有る分
だけ切迫した状況でもあったのかな。
圭介の気持ちが伝わり、最後になって子供が真実を語ると
いう流れは悪くは無かった。

しかしまぁどの人物も確かに妖しいね。


夢野圭介 …… 水谷豊 (吉原野探偵事務所)
吉原聖子 …… 朝丘雪路 (妻、夫を心臓発作で亡くす)
草間緑 …… 岡江久美子 (渋谷東小学校・教師)
八田利男 …… ケーシー高峰 (万年坂警察・刑事)
加納礼 …… 草野大悟 (喫茶店のオーナー)
マリー池田 …… 順みつき (占い師)
荒木紀信 …… 船越栄一郎 (喫茶店でアルバイト、カメラ)
大藪邦彦 …… 片桐竜次 (万年坂警察・刑事)
吉原かおり …… 佐野量子 (娘、高校2年生)
津村明子 …… 一氏多佳美 (浩三の娘)
倉田早苗 …… 岩本多代
吉原良平 …… 財津一郎 (弁護士・パパの弟)
津村浩三 …… 藤岡琢也 (整体師)

北小路綾乃 …… 加藤治子 (50歳、貿易会社社長)
北小路春彦 …… 小倉一郎 (25歳、長男、貿易会社の専務)
北小路夏彦 …… 草川祐馬 (23歳、大学生、女装趣味)
北小路秋乃 …… 石田みゆき (20歳、白薔薇短大生、デートクラブ)
北小路冬彦 …… 六浦誠 (3男)
有助 …… 奥村公延 (北小路家の執事)
美佐子 …… 久保田民絵 (春彦の妻、"沼沢荘")
女子大生 …… 大川直子、大林真由美、佐々木みどり、梶塚秀子
刑事 …… 高橋桂三
一郎 …… 坂田有規 (春彦と美佐子の子)
男 …… 平野実 (夏彦の男)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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