気分は名探偵
(日本テレ土曜21:00 - 21:54枠/1984年10月6日から1985年3月30日)

プロデューサー:山口剛、菊池昭康
脚本:宮田雪、石原純一、岸田理生、柏原寛司、田村多津夫、金子裕
演出:高井牧人、河野和平、水島総、梅谷茂、新沢浩、中山史郎
音楽:羽田健太郎
主題歌:「人魚の誘惑」 唄:水谷豊





第7話 愛されすぎた男
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圭介と聖子は最近顧客がこないことで暇を持て余していた。
クロスワードパズルで遊んでいる中、突然一人の和服の女性・
狭島優子(32歳)が探偵事務所を尋ねてやってくる。
女性は夫・有二には愛人が出来たらしいので調べて欲しいこと
を告げる。一週間前に私宛に届いた手紙だとして、その手紙を
二人に見せるとそこには「あなたの夫には愛人が居ます。親切
な隣人より」と書かれていた。優子は夫と別れたい事を告げ
その為には愛人がいることを証明すれば離婚に有利になるの
だと語る。金ならば幾らでも払うという女性は、結婚して8年
にもなるので倦怠感も有るのだろうとのことだった。

夫の有二は婦人服チェーンを経営していた。
探偵としての契約は10日間。有二のことを46時中尾行して
逐一接触した女性の写真を撮影していく。
有二が女性とホテルに入って行く姿を見て、今回の件は意外と
すぐに片付く問題かに思われたが、暫く監察していると、
ホテルには次々と女性が室内に入っていくことが判明する。
婦人服のチェーン店をしているだけ有ってモデルの女性たち
であり打ち合わせだと思われた。

一方、探偵事務所では入社面接が行われる。
24時間の張り込み作業を圭介一人が行う事は難しいものが有った。
面接としてやってきたのは一階の喫茶店でバイトをしている荒木
だった。カメラマン好きな彼はそれをアピール材料として面接
に挑む。そしてこの事務所の魅力はなんといっても所長の人間性
に有ると語る。聖子は現在職員は間に合っているとするか、
圭介は彼が居れば利益と効率が上がるとして助言し入社させよう
とする。すると聖子も入社を認めるが当分は見習いとして日給
3000円だと語る。

ブティックを経営している関係上、彼は女性と一緒に居ること
が多かった。調査して3日目、有二が女性と共にCLUB"華"
入っていくのを見かける。会員制のクラブだった為に圭介たち
は門前払いにされてしまう。

ブティックから出た後にはまた別の女性と逢っていることを
見かけると、この女性こそ本命かと思われたが、なんとそこに
は依頼人である優子もやってくるのだった。

そんな中優子からまた手紙が届いたとして新たに事務所の圭介
に知らせる。圭介は一週間調査した結果では、有二が女性と
二人きりで逢っていた形跡はない事を告げ、女性と逢う時は
必ず複数人と逢っている事を語る。
手紙に関しては中傷するものではないかとして、誰か夫を恨んで
いるものや憎んでいるものはいるのかと問う。優子は夫は
気が強いし強引な人なのでその可能性は有るが、私には何も
はないをしてくれないのだという。過去に於いて女性との
いざこざが起きたことはないか?と尋ねると、圭介はこれまで
撮影した女性の写真を見せる。
写真の中で知っている女性は、夫の秘書の佐野、医師の北野
そして婦人の優子と共に三人で写っている女性は、生駒真澄
高校時代からの親友なのだという。彼女はデザイナーをしていて
夫のブティックの六本木支店で働いているとのこと。
真澄は私が夫にないがしろにされていることを知って、よく
ストレス解消の為に射撃場に連れて行ってもらっていると語る。
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離婚を考えているとする女性から夫の不貞の証拠を掴んで欲しい
といわれて調査を開始する。46時中、対象者を監視している中で、
圭介は耳を疑うことを聞く事になる。なんと婦人が話していた
内容とはまるで正反対のものだった。

今回のエピソードはなかなか面白かった。

夫が不貞を働いていると見せかけて、実際には婦人側にも問題が
あることが描かれた。
しかし不貞を働いている事実に間違いはなく、婦人が夫から束縛を
受けて暴行を受けていたとする事実はまるで逆の状況だった。

親切な隣人と書いていることで、親友が裏切っていることは
ある程度想像出来たけれど、こうなってくると何が悪いことなのか
分からなくなってくるな。

一人で寂しいのであれば夫の仕事を手伝えば良いのに・・・とか
思いつつ、和服を着た姿を見ると、夫は昔ながらの女性像を
求めているのかと思わせる。

愛人で妻の親友の女性が保険金を掛けていること。
新作発表会の席で愛人と有二の会話を聞いて、優子側の問題にも
触れたことでなかなか面白いことにはなったけど、愛人という
設定ではなく、相談相手だとする設定の方がしっくり来ていたの
かも。

圭介のことを警察だと思い込んで対応する人が多いという辺りの
要素もこのドラマでは面白いのかな。

タイプライターの件は何で圭介が拘ったのかなと思ったけど、
あの手紙は手書きではなかったのね。



夢野圭介 …… 水谷豊 (吉原野探偵事務所)
吉原聖子 …… 朝丘雪路 (妻、夫を心臓発作で亡くす)
草間緑 …… 岡江久美子 (渋谷東小学校・教師)
八田利男 …… ケーシー高峰 (万年坂警察・刑事)
加納礼 …… 草野大悟 (喫茶店"占い喫茶マリーのオーナー)
マリー池田 …… 順みつき (占い師)
荒木紀信 …… 船越栄一郎 (23歳、喫茶店"占い喫茶マリー"でアルバイト)
大藪邦彦 …… 片桐竜次 (万年坂警察・刑事)
吉原かおり …… 佐野量子 (娘、高校2年生)
津村明子 …… 一氏多佳美 (浩三の娘)
吉原良平 …… 財津一郎 (弁護士・パパの弟)
津村浩三 …… 藤岡琢也 (整体師)

狭島優子 …… 二宮さよ子 (32歳、婦人)
狭島有二 …… 入川保則 (ブティック経営、夫)
生駒真澄 …… 真木洋子 (デザイナー、ブティックの六本木店支店長)
老婆 …… 北城真紀子
医師 …… 森田順平 (薬の効用を聞く)
ドアマン …… 木場剛
真澄の助手 …… 影山真弓
佐野道子 …… 宮田直美 (有二の秘書)
用心棒 …… 団巌
体格の良い男 …… 久慈英郎
ピアニスト …… 飯吉馨
モデル …… 小松八重子、壱岐たづ子、原久未子、木村その子
小山寿枝、黒木咲紀子、仲村直子
ナレーション …… 山下美津子


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