気分は名探偵
(日本テレ土曜21:00 - 21:54枠/1984年10月6日から1985年3月30日)

プロデューサー:山口剛、菊池昭康
脚本:宮田雪、石原純一、岸田理生、柏原寛司、田村多津夫、金子裕
演出:高井牧人、河野和平、水島総、梅谷茂、新沢浩、中山史郎
音楽:羽田健太郎
主題歌:「人魚の誘惑」 唄:水谷豊





第8話 ヤア! と言った男
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マスターは妻のマリーから激しく問い詰められていた。
話を聞くと、マスターが先日浮気したのだというもの。
荒木はマスターには前科もあるとしつつ、反省しているのだ
から許してあげたらどうかという。マスターは圭介に助けを
求め、浮気はしていないことを訴える。マリーによると若い
女性と7時頃ラブホテルから出てくるのをマリーの占いの客が
目撃しているのだという。マリーは夫が嘘を付いているとして
家から追い出す。
荒木は圭介に放って置いても良いのか?と問うと、夫婦の問題
だからという理由で放置するのだった。

探偵事務所に深夜電話が鳴るが無言電話だった。
圭介は起こされたとして文句を愚痴る。眠れぬ夜を過ごす中で、
圭介の事務所に何者かが進入してくるのを知る。物音に気が付
いて用心しているとなんと来たのはマスターだった。マスター
は圭介に対して自分の潔白を唱え、浮気はしていないので証明
して欲しいと頼む。
そんな会話をしていると聖子も起きてくる。まさか二人はそんな
関係に有るのか?と問うがそれを否定し、ことの経緯を語る。
聖子は悪あがきせず離婚しなさいとアドバイスするが、絶対に
人違いだと語る。圭介はマスターの夕べ7時のアリバイを尋ねる
と、神宮坂にいた事を告げ、そこの喫茶店でヒマラヤ密教の研究会
が有ったのだが、実際には日時を間違えていたことに気が付いて
帰宅するところだったという。帰り道に知っている人にでも
逢っていない限りは証明が難しいのではないかとすると、そう
いえば駅の近くの橋の上で、近所に住む変わり者の小林教授と
逢ったと告げ、「やぁ」と声を掛けたという。小林教授は東西大
の教授だった。
マスターは圭介に明日一緒にいって証言してくれるよう話を
つけて欲しいと頼む。以前に教授とはコーヒーの注文で言い争い
になったことがあるのだという。二人きりで逢うのは気まずい
とのこと。聖子は圭介に同行してあげるべきことを語る中、
これも仕事だから金は頂くという。基本料金は5万円で交通費も
別途徴収すると語る。

荒木も同行させて小林教授のマンションにいく。
一昨日の7時にマスターと逢ったかどうかを尋ねる。マスターは
そこで教授と逢って「やぁ」と話していることを語っているの
だという。もしもそこで逢っていれば、マスターは丸山町の
ラブホテルには行っていないことになるのだとし、現在離婚騒ぎ
になっているのだという。マスターは小林に対して誤解を解くの
に協力して欲しいとするが、私はそんな所には行っていないとし
人違いだと語る。私は仕事で忙しいとしてこれ以上は取り合って
くれなかった。

マスターを目撃したという主婦に話を聞くと、確かにあれは
マスターだったという。その時どんな服を着ていたのかと
問うと、赤いセーターだったという。私はそんな色のセーター
は持っていないとして否定する。
一体どういうことなのか。圭介はマスターが嘘を付いている
とは思えないことを語るが、そうなると小林教授が嘘を付いて
いるといものなのか。

マスターと教授が逢った橋の上を調べる。
するとそこには八田と大藪刑事が警察車両で来ていた。
話を聞くとここのマンションで女子大生が殺害されたのだとし
新聞にも掲載されていただろうと問われる。
早速圭介は新聞を見てみると、小柳礼子(21歳)が自宅マンション
で殺害され発見されたことが書かれていた。
荒木によるとマンションの管理人の話では教授は8時頃帰宅した
が青白い顔をして慌てていたようだという。女子大生は東西大
の文学部の4年生であり、小林教授のゼミの生徒だということ
が分かる。
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身内の浮気調査をしている内に殺人事件の流れに遭遇すると
いうもの。
アリバイの証言など決して難しくはないのに、何故ウソをつくの
かということを着眼点に、捜査が開始されていく。

まぁこの流れからすれば最初に気が付くのは当然警察だよな。
彼氏の加藤ということを尋問してしまうという相変わらず
抜けている警察官たちの姿。

アリバイ証言に関しても、マスターと喧嘩していた人物だから
こそウソの証言をする訳がないとは思われがちだけど、
よくよく考えると、別の男性に嘘の証言を頼んでアリバイ作り
をさせることだって可能だと思うと、わざわざ小林教授に拘る
必要もなかったのかも。

再現実験と称して、現場検証を行ったり、八田さんからここだけ
の話だとしたネタをみんなの前で話してしまう辺りはちょっと
違和感が有ったのかも。

みんな問い詰めると素直に証言してくれるところが素直だね。
二度に渡って繰り返し同じ逃走シーンを描いたところは面白かった
かも。

女子大生役で野沢直子さんと財前直美さんが出演していた。
野沢さんは重要な証言をしていたけど、財前さんは一瞬だけの
登場だったな。



夢野圭介 …… 水谷豊 (吉原野探偵事務所)
吉原聖子 …… 朝丘雪路 (妻、夫を心臓発作で亡くす)
草間緑 …… 岡江久美子 (渋谷東小学校・教師)
八田利男 …… ケーシー高峰 (万年坂警察・刑事)
加納礼 …… 草野大悟 (喫茶店"占い喫茶マリーのオーナー)
マリー池田 …… 順みつき (占い師)
荒木紀信 …… 船越栄一郎 (23歳、喫茶店"占い喫茶マリー"でアルバイト)
大藪邦彦 …… 片桐竜次 (万年坂警察・刑事)
吉原かおり …… 佐野量子 (娘、高校2年生)
津村明子 …… 一氏多佳美 (浩三の娘)
吉原良平 …… 財津一郎 (弁護士・パパの弟)
津村浩三 …… 藤岡琢也 (整体師)

小林兵吉 …… 桜井センリ (東西大学・英文学科教授)
斉藤洋介 …… 鈴木正幸 (東西大学・小林ゼミの助手)
主婦 …… 角田淑子
女子大生 …… 野沢直子、福山美津子、財前直美、今里直子
主婦 …… 加藤陽子


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