気分は名探偵
(日本テレ土曜21:00 - 21:54枠/1984年10月6日から1985年3月30日)

プロデューサー:山口剛、菊池昭康
脚本:宮田雪、石原純一、岸田理生、柏原寛司、田村多津夫、金子裕
演出:高井牧人、河野和平、水島総、梅谷茂、新沢浩、中山史郎
音楽:羽田健太郎
主題歌:「人魚の誘惑」 唄:水谷豊





第15話(16) お見合いなんてイヤ!!
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上野駅。
緑は急いで新潟から上京した祖母の草間フミの迎えに行く。
渋滞に引っかかってしまったという緑は遅れたことを謝罪する。
27年ぶり上京だというフミは皇太子ご成婚の祝いのために
上京して以来だという。

圭介は探偵事務所に荷物を抱えてやってくる。
聖子と浩三はどういうことか尋ねると、緑の祖母が上京して
来て二、三日緑の部屋に滞在するので自分はここに泊まらせて
もらうという。緑の実家にはまだ自分のことは話していない
のだとし、この前母への手紙の中で書くつもりだったようだ
が書けなかったのだという。祖母は昔気質の人で今年72歳。
突然彼氏がいて同棲しているなんて分かれば不味いことになる
のだという。様子を見てショックを受けないやり方で緑が
自分の事を伝えると語っているのだという。その為みんなには
自分と緑の関係については話さないよう頼むと語る。浩三も
事情を理解し、箝口令を敷くことを約束する。

そんな中緑を尋ねてくる男性・黒原一郎の姿が有った。
圭介が対応に出て伝言があるならば伝えるというが、男は
何も言わず立ち去ってしまう。

いよいよ緑がフミをマリーの店に連れてくることになる。
圭介は緊張して店の中をウロウロしていたが、みんなは圭介
に心配ないと語る。緑の祖母はそんなに厳格なのか。
なんでも女系家族で、代々学校の教師をしているらしい
こと。そして現在全権を祖母が握っているのだという。孫を
東京にはやれないとして反対していたことを告げる。

そんな中フミと緑がやってくる。
緑はみんなに祖母を紹介する。祖母は女子校で英語の教師を
していたこと。するとフミはまだ挨拶程度しか交わしていない
のにその場にいた人の名前を次々と良い当てる。全員当たって
いた事に驚くが、彼女は手紙に書かれていた名前だけで
それを言い当ててしまったのである。教師をしていた関係も
有り、初対面の生徒の名前を当てるのが上手くなったのだという。
キッチンで後ろを向いていた圭介はすっかりと無視される中で
フミをホットコーヒーをのんで一休みしたいという。
そんな中圭介の存在に気がつくと、アナタは荒木さんでしょ
と言われる。するとそれを否定し夢野だと語りこの探偵社
に勤務しここで住んでいると語る。緑に対して夢野さんの
事が書かれていなかったと指摘すると、忘れていたのだという。
そんな中事情の知らないマスターが入ってくると、緑の祖母
が来ているのを知っていよいよ圭介も結婚なのかと言いかける。
祖母は圭介に対して結婚相手は誰なのかと問い詰める中、
緑は初対面の相手に失礼だとして祖母を止める。

祖母は緑の部屋に戻ると、祖母は見合いを薦めてくる。
上京の目的はそれだったのかとして呆れる中、教え子の
一人で県会議員の夫人の息子さん・黒原一郎だという。
年齢は28歳、東大を出て一流商社で働いているエリートだが
いずれ田舎に戻り県会議員となる予定だという。
緑は見合いなどしないと言うが、祖母はもう72歳であり
死ぬ前になんとかして緑の相手を決めるのだとして聞かなか
った。
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緑の祖母・草間フミが新潟から上京してくることになる。
しかし緑の実家は昔気質の女系家族で、全員が教師という堅物が
多く、緑が東京に上京しただけでも一大事だったのに、圭介と
付き合い同棲している事実を話せずにいた。
そんな中、このタイミングになんとか同棲している事実を話したい
と考えるが・・・

峰さんはこの時代から女性に弱く、かかあ天下的イメージとして
売り出していたのか。

圭介のことを話したいが話せない。
探偵という職業を考えればそれも分からないでもないけど、
問題は本人の人間性にあるということがよく伝わるエピソードだっ
たのかな。

荒木とかマスターがうっかり圭介と緑の関係を話してしまいそう
になるという流れはお約束だったにしても、見合いさせようとして
いた黒原の姿があまりに情けないことも有り、圭介にも部が有る。

昔の時代と違って両親が子供の結婚相手を探すという時代でも
ないのだろうけど、如何に堅物の祖母たちを説得させることが
出来るのか。

一郎自体が既に結婚をしていて妊娠している彼女がいるという
のだから、止めようもない気がするのだけど、ここまで来てその
事実を母親に言えないという流れは少々説得力は無かった。
しかし圭介の存在を抽出するためにも、彼の見せ場をつくり、
直前で裏切る一郎に対して
「いい加減な男では彼女は幸せに出来ない。」
「幸せにしたいのであれば何故母親とぶつからないのか。」
「子供が出来るのだろう、父親になるのだ。男として責任を取れ。
一生母親から逃げて子供に自慢できる親になれるのか」
と説得する。

親のエゴで子供の人生や結婚相手を決めて良いのか。
そういえる時代になったことは喜ばしいことだけど、逆に今の
時代、そんな後押しが無くなり結婚に消極的になってしまった
という流れもまた社会現象として出てきている。

アジア系というと未だに外国のドラマの中では許嫁の存在を重要視
される描写があるけど、流石に日本ではその範疇からは外れて
いるよね。

最後にフミさんも圭介の意見に賛同する。
まぁ赤ちゃんが生まれてまで否定することは出来なさそうだけど・・


夢野圭介 …… 水谷豊 (吉原野探偵事務所)
吉原聖子 …… 朝丘雪路 (妻、夫を心臓発作で亡くす)
草間緑 …… 岡江久美子 (渋谷東小学校・教師)
八田利男 …… ケーシー高峰 (万年坂警察・刑事)
加納礼 …… 草野大悟 (喫茶店"占い喫茶マリーのオーナー)
マリー池田 …… 順みつき (占い師)
荒木紀信 …… 船越栄一郎 (23歳、喫茶店"占い喫茶マリー"でアルバイト)
大藪邦彦 …… 片桐竜次 (万年坂警察・刑事)
吉原かおり …… 佐野量子 (娘、高校2年生)
津村明子 …… 一氏多佳美 (浩三の娘)
吉原良平 …… 財津一郎 (弁護士・東大を首席で卒業、聖子の義弟)
津村浩三 …… 藤岡琢也 (元刑事)

草間フミ …… 初井言栄 (緑の祖母、元英語教師、新潟)
黒原鈴子 …… 塩沢トキ (一郎の母、県会議員)
黒原一郎 …… 峰竜太 (東大出身、一流商社)
神崎妙子 …… 木村秀美 (一郎の婚約者)



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