気分は名探偵
(日本テレ土曜21:00 - 21:54枠/1984年10月6日から1985年3月30日)

プロデューサー:山口剛、菊池昭康
脚本:宮田雪、石原純一、岸田理生、柏原寛司、田村多津夫、金子裕
演出:高井牧人、河野和平、水島総、梅谷茂、新沢浩、中山史郎
音楽:羽田健太郎
主題歌:「人魚の誘惑」 唄:水谷豊





第22話(23) 猫を愛した老女
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幸福荘。
荒木と圭介は依頼の為にここに住むアパートの住民・種田家を
尋ねる。ドアにはセールスお断りの紙が貼られていた。
ドアを叩くと中からはセールスマンはお断りだとする声が聞こえ
る。圭介たちはここに来た理由を話す。町内で子供の遊び場
を作りたいが種田家の使用していない土地を貸して欲しいと
いうものだった。しかし種田はウチには子供も孫も居ないし、
子供の遊び場など興味が無いという。一人で生きているのだとし
余計なことはしないでくれとのことだった。圭介たちは
種田に対して、ガンコ、ケチ、意地悪だとするが、別に関係
ないとする種田。しかし暫くすると部屋に入って良いよと
言われドアを開けた瞬間水が飛んでくる。圭介は回避するが
荒木は水を被ってしまう。

依頼人である町内会でアパートの大家の久保寺に説得が失敗
したことを話す。どうしても町内の子供の遊び場にはあの種田
家の使用していない土地が必要だが、圭介がダメとなると
説得は難しいかもしれないことを口にする。私の顔を見る度に
泥棒扱いされるという。種田は、一人暮らしで身寄りがない
が土地が有って金持ちの人物だった。
種田は飼い猫には松阪牛やキャビア、兎のパテを食べさせて
いるという程のネコ好きだった。

改めてほったらかしにしている土地の件で交渉に行く。
しかし私の土地を貸すなんて嫌だという。人間は信用しない
、信用するのはネコだけだという。圭介はいくら久保寺の
頼みでももう交渉するのは嫌だと語る。

しかしその頃種田は圭介のことを初恋の男に似ていたとして
好感を持っていた。部屋には圭介そっくりの写真が飾られて
いたのである。
そんな圭介は悪夢で目覚める。緑を思わずベッドから落として
しまうほど心地の悪い夢だった。

種田はネコの"ナポレオン"を連れて銀行へといく。
そんな種田のことを男が尾行していた。たまたま圭介が種田が
歩いていたのを見て嫌な顔をする中、目の前でひったくり
されるのを目にする。圭介が追いかけてなんとか捕まえると
警察に引き渡す。
種田は警察署に呼ばれると八田から盗まれたバッグを返還され
る。種田は圭介にお礼がしたいとして、3万円引き出した一割
の金を置いていく。圭介も八田に呼び出されて警察署にいくと
そこで種田と鉢合わせる。3日前に遭ったというのに種田は
とぼけた振りをする。種田は圭介のことを見直した事を告げ
一割の金を渡すというが、圭介はその受け取りを拒否して帰宅
するのだった。
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町内で子供の遊技場が足りないことを受けて、使用していない
誇大な土地を持つ種田良江から土地を借りようとする久保寺
たち。しかし所有者の種田は人と関わることを拒絶し、自分は
迷惑をかけている訳では無いので放っておいて欲しいと告げる。
しかしそれを頼みに来た圭介は種田にとって初恋の相手に似て
いる為か、心を開いていく。そしてある時ひったくり犯を捕まえ
たことから、種田は圭介に対して有る提案をしていく。

人情話として見ると面白いのだけど、よくよく考えるとシナリオ
は相当無茶なことを互いに要求している内容だった。

まず土地を貸して欲しいと願うのは分かるにしても、そう無理に
要求することは出来ないこと。使用していないのだから貸して
くれても良いじゃないかと思うのは、借りる側のエゴにも思え
貸してくれるまでは決して離れないくらいの勢いが有り、ちょっと
驚く。

更に今度は突然圭介に好意を抱いた種田が彼の事を養子にしたい
と言い出すこと。その感覚はまるで意味が分からず、当時の養子に
関する価値感は現代のそれとは違うものが有るのか。

ネコを愛して人間を愛さずという人は居ると思う。
この世の中で信用出来るのは金だけだという人もいるくらいだし、
ネコが彼女にとっての象徴するものだというのも分からないでも
ない。

話を聞いていくウチに、人間不信に至る原因なり、子供に対する
ちょっぴり悲しい人生があることを知って、意固地になる姿が
あるも、これだけ周りが支えてくれる人がいる街というのは、
ウザイのも通り越してうらやましい物があるね。こういう街の
光景は今の日本では無くなってしまったようだ。

野村昭子さんって懐かしいな。80年代くらいのドラマでは常連の
人だった気がする。室井滋さんも若いな。



夢野圭介 …… 水谷豊 (吉原野探偵事務所)
吉原聖子 …… 朝丘雪路 (妻、夫を心臓発作で亡くす)
草間緑 …… 岡江久美子 (渋谷東小学校・教師)
八田利男 …… ケーシー高峰 (万年坂警察・刑事)
加納礼 …… 草野大悟 (喫茶店"占い喫茶マリーのオーナー)
マリー池田 …… 順みつき (占い師)
荒木紀信 …… 船越栄一郎 (23歳、喫茶店"占い喫茶マリー"でアルバイト)
大藪邦彦 …… 片桐竜次 (万年坂警察・刑事)
吉原かおり …… 佐野量子 (娘、高校2年生)
津村明子 …… 一氏多佳美 (浩三の娘)
吉原良平 …… 財津一郎 (弁護士・東大を首席で卒業、聖子の義弟)
津村浩三 …… 藤岡琢也 (元刑事)

種田良江 …… 野村昭子 (土地を持つ)
久保寺正 …… 南利明 (アパートの管理人)
新田京子 …… 木瓜みらい (近隣住民)
小宮マミ …… 藤山律子 (近隣住民)
田川光子 …… 室井滋 (近隣住民)
大村医師 …… 平野稔 (医者、精神科医)
矢萩 …… 佐古雅誉 (動物病院の医師)
看護師 …… 堀佐和子
主婦 …… 矢野いづみ
少年 …… 中野智行、竹内紀美子、大和田英理、北尾伊織
村野将史、永倉一幸



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