愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第10話
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自分を見下したものたちに復讐すると怒りを露わにした猛に
対して和尚は罰を与え、寺の境内の木に猛をロープで括り付け
る。それを知ったひかるは猛を一人で助けに来る。
その際ひかるは指を負傷する。猛はひかるにお礼を告げる。

猛と文彦は剣道で勝負することになる。
伝右衛門からは勝ち負けを競うのではなく、真剣にぶつかり合う
事で何かをつかみ取るのが目的で、勝負の後には決して怨みを
持つなと告げる。伝右衛門は正々堂々闘った方に木刀を授ける
と告げる。

いざ勝負が始まるが、文彦は勝負から下りてしまう。猛の剣道
は剣道ではなく、これでは単なるケンカになるという。
和尚もその意見に納得し、同じ土俵で闘うには少々無理が有った
かと悟る。すると文彦からは今度の学校の成績で通信簿に
"甲"が多い方に木刀を得られる権利を与えてくれないかと父親
に提言する。猛は三年生に編入されたばかりだから無理では
無いかとするが、猛はその勝負を受けるという。
猛は必死になって仕事の合間や睡眠時間を削って勉強をする。
夜中に勉強しているとうめからは、学校に行かせて貰うだけで
も有り難いと思えと言われ、ランプの油も無料ではないとして
消されてしまう。

そうしている内に7月の半ばへ。
猛は成績表を持って和尚の元に行く。和尚は通信簿を見なくても
顔を見るだけで結果が分かるという。猛の通信簿は全て甲だった
のである。しかし和尚は戦いの勝ち負けや文彦に勝つためだけに
勉強していることを指摘する。人生負けるが勝ちという言葉も
有るが今のお前では分かるまいと告げる。勉強は誰かのために
するのではなくお前自身の為だと告げる。人間らしくなれたのは
あの家のお陰であり目先の勝ち負けに拘れば大きな男にはなれ
ない事を聞かされる。人間の器の大きさこそ必要だと言われる。

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木に吊される猛。

この描写があまりに滑稽で、ドラマとしてどうかと思う。
ある意味現在こんなシーンになると問題になってしまうのだろう
なと考えさせられる。

猛と文彦は剣道で勝負

当然ながら相手になるハズはない。
大人だけが盛り上がって、全力でぶつかれば何か見つかるはず
だとするけれど、文彦の方がよっぽどしっかりしている。
こんな戦いではケンカしてより憎しみがわくだけ。
今更気がつく和尚も相当マヌけだ。

学業で競う二人。

とてもいい形でライバル関係になるけれど、猛は3年生、文彦は
5年生ということで、単純に勝負になるのかな。
文彦は理科と体育が甲ではなかった様子。猛は全てが甲だった
との事。今まで勉強もしてこなかったのに、三年生の問題が
分かったのかな。

またしても文彦の魔の手が・・・

この子供の意地汚さ、性格は相当ひん曲がっているな。
子供の頃からこんな性格をしていると、どんな大人になるのか
不安だ。
猛の成績表を躊躇無く燃やした。しかしひかるがそれを見て
いるところなど上手くできているね。

伝右衛門は猛に、将来当主になる文彦のサポートを願う。

なんだか早くも伝右衛門は亡くなったときの事を話すけれど、
昭和2年っていうと平均寿命は50歳中盤から後半くらいだった
ので別に早いって訳でもないのかな。


川端猛 …… 皆川鉄也 (孤児)
三枝ひかる …… 小泉朋子 (長女)
三枝伝右衛門 …… 中尾彬 (主人、甲州の大地主)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 山本真二 (次男)

喜助 …… 江藤漢 (使用人)
トラ …… 千うらら (使用人)
コマ …… 長谷川純代 (使用人)
うめ …… 市川千恵子 (使用人長)

琴子 …… 奈良富士子 (横浜一人気の芸者)
銀次 …… 辻三太郎 (便利屋)
お竹 …… 安達秀子
文彦の友 …… 高井祐介
文彦の友 …… 住吉真沙樹
和尚 …… 内田朝雄

ナレーション:中西妙子

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