愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第12話
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はなは絹から文彦の5月人形を出すよう言われる。
棚から人形を取り出そうとすると、はなの手にトゲが刺さって
しまう。猛はそれを知ると彼女の手を取りオレが抜いてやると
するが、はなは猛が急接近してきたことに好意を抱く。
そんな光景をひかるは見ていた。
そしてすぐに猛に人形を運ぶよう指示し、はなは台所の手伝い
をしなさいと告げる。
ひかるは猛に誰にでも親切な猛は好きだが・・・と嫉妬する。
ひかるは台所に行くと、はなは猛に手当てして貰った指を見て
ボーっとする姿に益々嫉妬心を抱く。突然猛なんて嫌いだと
して部屋に戻りピアノを引く。

そんな二人のやりとりを聞いていた母・絹は、ひかるに声を
かける。明日から女学校に通うことになっており、自転車通学
ではなく、うめに付き添ってもらって徒歩で行かないかという。
しかし徒歩では1時間も掛かる行程故に嫌だという。
絹は猛との関係に於いてももう少しケジメを付けるべきで、
家の中のことは女中に手伝わせるものだと告げる。

一方伝右衛門は、白部村の用水路の建設の件で、村長と技師の
鈴木を交えて話し合いが行われていた。問題はどのような
ルートで建設するのが最適なのか。話し合いをしているのを
猛が聞き、彼は突然伝右衛門に提言する。話し合いが行われて
いるルートでは、他の村の事を一切考慮に入れていない事。
猛は鈴木に言われて自分の見解を述べると、的確な指摘だと
して感心される。

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ひかるが猛とはなが近づくことに嫉妬する。

はなの存在がひかるの心を揺さぶるわけだけど、とても面白い
シチュエーションになったな。
しかしひかるは13歳なのに、自分の感情を包み隠さず表すところ
などはやっぱり、三枝家の血を引き継いでいるなと感じる
ところ。

猛がモテキャラ

猛に手当てしてもらうだけで、はなの心は猛で満たされてしま
った感じ。昭和の初期の頃の恋愛事情なのか。
手を繋いだだけで顔を赤らめるというのは、とても純粋で良い
感じだね。

猛は意外な才能

なんと用水路建設に於いて口添えするほど、物事を見る目に
長けている様だ。

猛は初等教育だけ受けて、中学には行かなかったけれど、勉強が
好きで文彦の中学の教科書を全て勉強し尽くしている程。
そんな彼の事を見て、伝右衛門は自分が学生時代に勉強をして
いた母屋を猛の部屋にすることになる。

ひかるの入学式

この日は文彦の入学式でもあるのだけど、朝、彼の姿が無かった。
随分遊びほうけている様で、まさに穀潰しの道を確実に歩んでい
る。
最後に泥酔しながら女郎を連れてくるところなど、若くして
終わっている気がする。

猛と文彦、対照的に成長していく。

文彦が確実に人生から脱落していく中で、猛は生まれこそ恵まれ
なかったけれど、しっかりとした意識を持って生きている感じ
だね。


川端猛 …… 吉村英哉 (孤児)
三枝ひかる …… 谷本重美 (長女)
三枝伝右衛門 …… 中尾彬 (主人、甲州の大地主)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 中村久光 (次男)

喜助 …… 江藤漢 (使用人)
トラ …… 千うらら (使用人)
コマ …… 長谷川純代 (使用人)
うめ …… 市川千恵子 (使用人長)

琴子 …… 奈良富士子 (横浜一人気の芸者)
銀次 …… 辻三太郎 (便利屋)
お竹 …… 安達秀子
吾一 …… 笑福亭笑瓶
中村はな …… 佐賀朋美
村長 …… 松村彦次郎
技師・鈴木 …… 趙方豪
尚子 …… 丘裕子

ナレーション:中西妙子


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