愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第15話
--------------------------------------------------------
和尚に呼び出される伝右衛門と絹。
伝右衛門に勘当された文彦が和尚の元に助けを求め、現在ここ
で修行をしているというのである。昔から文彦はその場限りの
反省と都合の良い言葉を繰り返してきたが、今回は朝四時に
起きて寺の周りを掃除することを5日間も続けているという。
伝右衛門に対してもう一度話をしてやっても良いのではないか
という。絹は今まで見たこともない文彦の姿に声を掛けたい思い
にかられるが、今は見守るしかないと我慢する。
しかし文彦に対して思わず語りかけてしまう絹。自分は文彦を
心配する辺り二日間は眠れなかったこと、伝右衛門はあれ以来
酒を断って心配していると。しかしこういう言葉を掛けること
が、文彦をダメにしてしまったと告げる。

絹は帰宅すると伝右衛門と話し合う。私達は文彦に対して多く
を望みすぎたのではないかという。そして物心を付く頃から
文彦に制限を求めてしまったと。拭き掃除をしているあの子の
手はヒビ割れていたが、見て見ぬフリをしてきた事を告げ、
痛みの一つ一つがあの子を成長させてくれるものだと語る。
伝右衛門に対して文彦を許してあげないかと語りかける。

文彦はまた自宅に戻ってくることになる。
ひかると文彦はまた仲良く学校に登校することになる。

そんな中、コマが結婚のために銀次と一緒に満州に渡る事に
なった。ひかるはコマを祝福すると共に大事にしていた人形を
彼女にプレゼントする。これを私だと思って可愛がって欲しい
と告げると、コマは感激する。嫁になるとはどんな気持ちなの
か?写真を見ただけで結婚を決めても良いのかと問うひかるに
対して、コマは出会いは運命だと思っているので、賭けてみよう
と思ったと告げる。ひかるにもいずれピンと来る人物が現れる
だろうと語る。

--------------------------------------------------------

文彦の改心

なんと和尚の元で修行していた文彦。
ただたったの5日だけで、改心したと思っている親とか周りの
視線が彼をダメ人間にしていることは明らかだな。

コマが結婚のために満州へ

はなが入ってきたことで一人退出するのが余儀なくされたの
だろうか。ちょっとイモトアヤコ似のコマだったけど、満州
にまで行くハメになるとはね。しかも銀次も商売のために
満州に行くとか。

ひかるのピアノを指導する男

文彦の同級生でドイツに留学していた信治という男性。
文彦はひかると彼を結ばせようとしているのだろうか?
ひかるが目を輝かせていたのは、果たして彼自身のことなのか
それとも自分の知らない世界を知る男の境遇なのか。

ひかると猛の関係が揺れる

ひかるは、はなと猛の関係に嫉妬し、猛に信治の事を語る。
しかし猛にとっては使用人という手前、ひかると恋仲に落ちる
のは許されないって事で、一昔前の設定にありがちなもの。
まだ14歳なのにこの時代、随分大人っぽい役目を果たしているな。

山梨県西部の夜叉神峠に咲くリンドウの花

ひかるが突然無理難題を言い始めた。
私のことを思っている証拠としてこれを取ってきて欲しいと
いうもの。外は凄い嵐という設定がまた、上手く今回の展開を
盛り上げた感じで、朝に猛がそれを届けに来る辺りがなかなかの
感動ものだ。


川端猛 …… 吉村英哉 (孤児)
三枝ひかる …… 谷本重美 (長女)
三枝伝右衛門 …… 中尾彬 (主人、甲州の大地主)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 中村久光 (次男)

喜助 …… 江藤漢 (使用人)
トラ …… 千うらら (使用人)
コマ …… 長谷川純代 (使用人)
うめ …… 市川千恵子 (使用人長)

中村はな …… 佐賀朋美 (使用人)
尚子 …… 丘裕子 (女芸者・文彦の女)
信治 …… 柄沢次郎 (沢村病院の息子、文彦の友達)
和尚 …… 内田朝雄

ナレーション:中西妙子


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system