愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第23話
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夜中、夫婦で文彦の処遇を巡って言い争いをした絹と伝右衛門。
伝右衛門は猛の居る番小屋に泥酔状態でやってくる。
絹は一晩中眠らずに起きていた。伝右衛門が何処に行ったのか
皆目見当も付かない。自分が折れて謝る事が平和を守ることで
は無いかと感じていた。

朝、二日酔いの伝右衛門。猛は奥様になんと言えばいいのか?
と問うと何も言う必要はないという。

一方ひかるは絹に父は何処に行ったのかと尋ねる。何処に行っ
たか聞かない限り学校には行かないという彼女。
猛が絹たちの元に戻ると、伝右衛門は番小屋にいることを告げる。
タバコを持ってきて欲しいと言われた事を告げる絹が届けると
いう。

絹は番小屋にいくと伝右衛門に言葉が過ぎたとして謝罪する。
文彦のことも貴方の言うとおりだという絹。伝右衛門は、ひか
ると猛の事についてもあまり五月蠅く言わない方が良いと告げる
が、先日の夜、ひかるが猛の部屋を尋ねていた事を告げる。する
とどうして報告しなかったのかと伝右衛門は再び怒りだして
しまう。

文彦に金を渡す絹。文彦は単なる夫婦喧嘩で良かったという。

一方番小屋の世話役をしていたイネ。
吾一は猛にイネはお前に気がある事を告げる。まるで夜ばいに
来て欲しいと訴えている目だという。

ひかるは帰宅すると番小屋の猛の元を訪ねる。イネに対して
もう帰って良いと告げる。吾一も気を使って番小屋を後にする
が、そこには伝右衛門がやってくる。ひかるは父親に何が有った
のかと尋ね夫婦喧嘩をしたのかと問う。今夜はうちに帰るので
しょう?と問われるが、帰りづらいという伝右衛門。何か大義名分
が有ればというと、猛を家で寝起きさせることにしたとすれば
良いのではないかと告げる。

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伝右衛門と絹の夫婦喧嘩

とても興味深いものだった。
時代性を考えると、妻が夫を立てて折れるのだろうけど、そんな
姿を見せつつも、結果的に再び対立してしまう所はハラハラ
させられるものだった。

吾一の母親の死

山に山菜を採りに入った翌日に亡くなってしまうとはちょっと
可愛そうな感じだったね。
しかし猛にしてみれば、生まれたときから亡くなる時まで一緒
に居られる現実は幸せだという。

猛の親に対する気持ち

事情が有ってやむを得ず捨てたと思いたいが、それと同時に
恨む気持ちが浮かび上がって来るという。
木彫りの像を彫っているのもそういう気持ちを静めるための
行為だった。
てっきりひかるに対する煩悩を消すためのものかと思った。

猛はひかるに説く

吾一の母親の愛情を引き合いに出して、絹も文彦やひかるの事
を同じように思っていることを告げる。
猛はくれぐれも親を心配するような事はしないで欲しいと告げる。
それを聞いていたのはひかるだけでなく、絹も又話しを聞いて
いたことで猛の誠実さを知ったのではなかろうか。
でもそんな話しを聞かせたいのは文彦なんだけどね。


川端猛 …… 吉村英哉 (孤児)
三枝ひかる …… 谷本重美 (長女)
三枝伝右衛門 …… 中尾彬 (主人、甲州の大地主)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 中村久光 (次男)

喜助 …… 江藤漢 (使用人)
トラ …… 千うらら (使用人)
うめ …… 市川千恵子 (使用人長)

中村はな …… 佐賀朋美 (使用人)
吾一 …… 笑福亭笑瓶
吾一の妹 …… 平山せい
吾一の母 …… 宮内順子
イネ …… 長島裕子
イネの父 …… 斉川一夫
医者 …… 亀井三郎

ナレーション:中西妙子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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