愛の嵐 (1986年・フジテレビ昼ドラ) 原作：「嵐が丘」（エミリー・ブロンテ） 企画：出原弘之 音楽：坂田晃一 脚本：大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美 演出：山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次 プロデューサー：松村明、平野一夫、小野俊和

第27話
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銀次が満州から戻ってくる。
剛田の家に居たときにひかるの噂を聞いたので戻ってきたと
いう。なんでも来月に結婚するとか言っていたとして、とうとう
結婚するのかと呟く。猛をそれを聞いて薪割りをして、気を紛
らわす。

伝右衛門と絹はこの縁談に好感触を抱いているが、ひかるは
見合いするだけの約束なので断って欲しいと告げる。結婚する
気になどなれないという彼女。

一方伝右衛門は大山に呼ばれて3、4年ぶりに再会する。
伊達から国のために働いてくれないかと頼まれる。
現在の日本軍は南進し、東南アジア一帯を占領下に収めている
という。必要な物資であるすずや石油、ゴムや食料品が豊富で
南方から物資を運びたいが、国では兵に若者を費やし人手不足
との事。民間の手を借りて海運業で力を貸してくれる人を探して
いるという。大山は三枝に力を貸してくれないと告げる。
ただ海運業を行うためにはそれ相応の投資額が必要だという。

文彦が東京の大学から一時帰宅する。
文彦は雑誌に自分が書いた詩が掲載された事を絹に報告。
詩人として今後雑誌に載るようになると告げる。
ひかるは踊りの稽古に出掛ける所だった。文彦は絹にひかるに
は縁談の話が無いのか?と問うが、ひかる本人が結婚する意思が
無いのだという。文彦はまだ慌てる年ではないと告げる。
猛との関係はどうなのか?と問うと、二人は立場をわきまえてい
ると伝右衛門は告げているというが、絹は半信半疑だった。
文彦は猛は狡賢い人間なので、本音は決して言わない奴だと
告げる。

一方伝右衛門は剛田家に縁談の件を断りを入れてきたという。
相手は半年でも一年も待つと言うが、ひかるにその気がない為
断ったという。
伝右衛門は文彦に会うと、文学をこのままつづけたい事。
地主としての三枝家は継がない事を語る。ひかるに婿でも貰って
くれという文彦に対して、地主とは小作人の苦労や土地の事情
を知っている人ではないとダメだという。文彦は猛が居るだろう
と告げ、自分の人生をそんな理屈で縛られたくないという。
自分は猛のせいで身の狭い思いをしてきた事を告げる。
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★ひかるは縁談を断る

まぁ当初から見合いはするだけだと言っていたし、猛との件も
有るので決断できないのは当然のことか。
ただ今回の一件で猛の中にも複雑な思いが生まれたことだろう。

★文彦が帰宅

成人になって初めて文彦が登場した。
今でも東京の大学に通っている様子。しかも本好きだった彼は
文学少年になりたい様だ。
伝右衛門がそれを知ると、詩など女・子供がするようなものだ
として激怒。長男は当然三枝家を継ぐ物だとするが・・・

★家計は火の車の三枝家

戦地に若者が出兵するために、小作人の労働力・生産性が落ちて
ますます農家の収益が落ちている。三枝は小作人を助けるために
自らの私財を切り売りしてなんとかもっている状況。

起死回生の事として、海運業への転身の話がある。
ただそれを行うには、まさに全財産を投げ打つ必要があるという
事で、三枝家存亡の危機だ。

★伝右衛門と文彦は激しいやりとり

伝右衛門は当然家を継ぐよう迫るが、正直地主としての文彦
は適任者ではない。猛こそまさに適役だが、奉公人の彼には
それを任せることは出来無い。

猛の事を文彦の相談役にしようとしていた伝右衛門だが、その
思惑は外れて、逆に比較されてきた文彦は家を出て行った事を
告げられ、伝右衛門にとっては複雑な心境になる。

★猛はひかるを迎えに行く

喫茶店でお茶を飲んでいると、男性2人から声を掛けられ、
ひかるを侮辱する発言をする。喧嘩して警察沙汰になるが
伝右衛門は猛のことを誉める。
文彦とはまさに逆の状況だね。


川端猛 …… 渡辺裕之 (孤児)
三枝ひかる …… 田中美佐子 (長女)
三枝伝右衛門 …… 中尾彬 (主人、甲州の大地主)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 佐藤仁哉 (長男)

大河原静子 …… 福田公子 (旅館の女将)
大河原勇作 …… 長塚京三 (旅館の若主人)
剛田鈴江 …… 行友勝江 (見合い相手の母親)

中村はな …… 千野弘美 (使用人)
ゆき …… 立原ちえみ (使用人)

銀次 …… 辻三太郎 (便利屋)
大山 …… 久遠利三 (伝右衛門の仕事仲間)
伊達 …… 宮田光 (大山の知人)
若者 …… 薄根敏明 (喧嘩を売る)
若者 …… 羽田典夫 (喧嘩を売る)

ナレーション：中西妙子

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)