愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第32話
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全ての財産を抵当に当てているために、これ以上の融資はして
もらえない事を知り、金策は八方塞がり。そんな中、突然勇作
が伝右衛門の留守中に絹の元を訪れ、投資資金の件で相談が有
れば喜んで話しを聞くことを告げていく。
それを聞いた伝右衛門は、背に腹は替えられずに勇作の元に行
く。伝右衛門は娘のことで傷つけておきながら会いに来られた
義理はないことを告げ、それでも融資をお願いできるか?と
尋ねる。投資担当の社員・石川と詳しい話をすることになる。
貸しだして欲しい金は15万円。担保は二重担保になってしまう
事。しかも資金は二日以内に欲しいという。石川は資産や事業
内容を調べさせて貰うという。

一方猛は銀次を見つけると、横浜に詳しいのならば勇作の事と
沢田商会に何ら繋がりがあるかどうかを調べて欲しいと頼む。

ひかるは猛を捕まえると、現在金の件で大変なことになって
いるのでしょう?と尋ねる。そして昨日勇作が家に来たことを
告げ、まさかあの男に借りることはないでしょうね?と尋ねる。
あの人は私の気持ちを踏みつける人だという。

猛は伝右衛門の元に行くと、勇作はあの年であれだけの大金を
手にした男で油断ならない奴だが、それでもどんな事をしてでも
船を出すことを告げる。船が南の島から戻りさえすれば借金は
返せるのだと言う。

伝右衛門が忙しくしているのを知って絹は酒を持って労る。
絹はひかると猛の件で、分家させることも考えるという。
ひかるの気持ちは痛いほど分かるし、この村を守っていく人は
確かに必要だという。分家すれば伝右衛門の気苦労も軽減される
事を口にする。

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伝右衛門も背に腹は替えられない

まさか勇作の元に金を借りに行くとは・・・
かつての小作人と地主の関係が、完全に立場が入れ替わった
構図だ。
何か裏が有るかと思えば、取りあえずは貸しという事にする
感じ。ひかるを求めてこなかったところは取りあえず良かった。

銀次の活躍

銀次というと「桃鉄」のスリの銀次を思い浮かべるけど、
このドラマに出てくる銀次は、便利屋というだけあって、
とても役に立つ。三枝家の為に動くこともあれば、今回のように
勇作と沢田商会の繋がりを調べる事になる。
結果的にかつて沢田商会の経営が傾いたときに、勇作の会社が
助けたらしい事が判明する。

つまり意図的に伝右衛門たちの事を妨害して恩義を着せたことに
なるのね。

ひかるの言い分、伝右衛門の思い

ひかるは勇作が不気味で嫌な奴なので金を借りる父親のこと
を軽蔑すると言い出す。しかし伝右衛門にとっては、この事業
は白部村の小作人の為を思ってのこと。その思いが伝わるだけ
に、辛いところだね。

しらべ丸とかい丸が出航する

伝右衛門たちが投資したのはこの二艘の船。
80組の小作人がこれに乗って南の国へと渡ることになる。
白部村からは喜助を始めとした4家族が行くのだという。
果たして攻撃される事無く、無事に目的地にたどり着けるか?

絹は猛とひかるの関係を容認する?

絹が容認することは、ドラマとしてのフラッグが立ったという
事。認めたところで状況は二人が結ばれない方向へと転がること
を示唆している。


川端猛 …… 渡辺裕之 (孤児)
三枝ひかる …… 田中美佐子 (長女)
三枝伝右衛門 …… 中尾彬 (主人、甲州の大地主)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 佐藤仁哉 (長男)

大河原勇作 …… 長塚京三
中村はな …… 千野弘美 (使用人)
ゆき …… 立原ちえみ
喜助 …… 江藤漢
山崎 …… 皆川衆
石川 …… 小野泰次郎
五郎太 …… 田中孝雄
秘書 …… 伊海田彩

ナレーション:中西妙子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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