愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第34話
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横浜の大山から伝右衛門の元に電話がなり、船が沈んだと無線
で連絡があった事を聞く。今日の夕方、敵の潜水艦から魚雷の
攻撃があり、搭乗していた小作人たちは全て生存は無理だろう
たの事だった。喜助や五郎太たちも亡くなっただろうとの事。
崩れ落ちる伝右衛門に対して、猛は横浜の大山の元に行こうと
告げる。すぐに猛と伝右衛門は横浜に発つことになる。

文彦はこの事態に、この家はどうなるのかと問い、三枝家が
大事だとか、お家が大事だと言っていたのにこの様だと告げる。

小作人たちは絹の元を訪ねる。絹はきっと何人かは生きている
ハズだと告げ、小作人たちの心配に対して、お前たちに迷惑が
掛からないよう、伝右衛門が取り払ってくれるはずだと告げる。

大山の元に行くと、午後5時頃無線でSOSが入り、その後通信が
途絶えたという。一時間後に海軍が現場を調べるも、生存者は
発見されなかったとの事。大山は伝右衛門を仕事に引き込んだ
事を謝罪すると、伝右衛門も信じ切ってやった事で、判断を
誤ったばかりに小作人のの命を奪ってしまったと後悔を口にする。
大山はせめて伝右衛門の投資金が少しでも戻ってくるように、
政府と補償金の話をしてくるという。

その頃勇作は石川を呼び出し、伝右衛門の投資する船が沈んだ
ことを大喜びする。勇作は伝右衛門の所有している土地の全て
の担保を買い上げるとするが、石川は田舎の土地を持っていて
も何の利益もないと拒む。しかし勇作はこの土地に一大歓楽街
が作り、戦後全国から観光客を集める構想を明らかにする。
何としてでも三枝家の家を買い叩けと指示する。

日本国の拓務省は保証金は出せないと猛たちに告げる。
元々投資に関して援助金を出している事もあり、その後は
一切関知しないとのこと。伝右衛門は屋敷のことなどどうでも
良いので、みんなの葬儀の手筈をするよう絹に電話するよう
指示する。

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ついに運命の日

船が沈んだとの報告を受ける。
その事実は変わらないとしても、搭乗する小作人の安否が
気になるところ。
伝右衛門が屋敷など要らないので小作人のことを考える地主
っぷりが素敵だった。

大山、そして三枝の終焉

とても良い人たちだったのに、戦争という事実によって状況が
一転してしまったね。
当然ながら国が保証金を出してくれるはずもなく、全ては終わる。

文彦の主張

未だに親に育てて貰おうとしている所が笑えるけど、
三枝家という家紋や格式を気にしていた伝右衛門を責める姿は
とても酷な物があったな。
彼は父親の事を責めるけれど、投資しようがしまいが結局
遅かれ早かれ三枝家は、疲弊していったのだろうけどね。

月々の利息を払う力もない三枝家

まさに完敗と言って良い状況。
でも大物の地主ならば助けてくれる横の繋がりが有りそうな
気がする。金持ちには金持ちが集まってくるものだし、
伝右衛門の人間性を考えると、もう少し救済してくれるものたち
が有っても良さそうだね。

勇作は大笑い

全てをこのままにする条件としてひかるとの結婚を求める。
当然ながら即否定する伝右衛門。
絹の実家に身を寄せれば良いんじゃないかという気がするが、
ダメなのかな。


川端猛 …… 渡辺裕之 (孤児)
三枝ひかる …… 田中美佐子 (長女)
三枝伝右衛門 …… 中尾彬 (主人、甲州の大地主)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 佐藤仁哉 (長男)

大河原勇作 …… 長塚京三
中村はな …… 千野弘美 (使用人)
ゆき …… 立原ちえみ
喜助 …… 江藤漢
山崎 …… 皆川衆
石川 …… 小野泰次郎
五郎太 …… 田中孝雄
秘書 …… 伊海田彩
小作人 …… 斉川一夫
小作人 …… 宝亀克朗
和尚 …… 内田朝雄

ナレーション:中西妙子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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