愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第35話
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抹茶を点てる絹はひかるに気分が落ち着くとしてそれを飲ませる。
ひかるはこれからの自分たちの事を心配するが、絹は小作人達の
暮らしのことだけは考えて、家や家財道具の全てを手放すことに
なるだろうと語る。そんなの考えられないというひかる。
絹はそんな娘に、あなたにはタケシが居るので結婚して二人で
幸せになりなさいと告げ、自分たちは三沢の叔父様の世話に
なることを告げる。文彦は恐らく東京で文学を続けるのではな
いかという事だった。家族が別れ離れになる事に悲しむが、
絹は気持ちが繋がっていれば、また必ず良いときがくるとして
励ます。

文彦は父親の元へと歩み寄り、勇作と会ってきたという。
ひかるとの結婚を認めれば全ての田畑や自宅を返すと言って
いるのに、その申し出を断った理由は何かと問いつめる。
破産した三枝家に家柄も何もないと告げ、小作人の事を一番に
考える人ではなかったのかと告げる。小さい頃から腐る程
耳にしてきた言葉なのに、何で断るのかと告げる。
文彦はひかるの方から嫁に行くと言えと迫るが、あの男は
大嫌いだとして、結婚するならば死んだ方がマシだと告げ
部屋から出て行く。

猛は外で竹刀を振り体を鍛える中、ひかるは彼の元に行き、
猛に対してこの前いざという時には私を連れて逃げてくれる
事を誓ってくれたわよねと確認する。そしてひかるは私には
猛が全てだと告げる。

猛は一人勇作の元に行くと、三枝家救ってくれるよう土下座
する。金はきっと返すとするが、勇作はお前では役不足だと
して取り合ってくれない。これをひかるに渡してくれと頼まれ
ると勇作の態度に殴ろうとするが、出来なかった。

そんな中、三枝家には裁判所からの命令で差し押さえの札
を貼りに来られてしまう。

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文彦の反撃

ここに来て文彦の態度が大きくなってきた。
今の伝右衛門だと何を言っても説得力が無いからね。
凄いことは兄貴の癖に妹の幸せを一切願うような態度を見せな
いところだ。小作人のためだと称して、実際には自分がこの家
から出たくない意図がありありと見える。

猛の屈辱

勇作の元に行き土下座するシーンが描かれた。
自分のプライドよりも三枝家の事を考えた結果なのだろうが
見ているだけで辛い状況。
ただ勇作にしても作為的とはいえ、金を貸しているのは事実で
有り、返済を要求できるのもまた事実である。

ついに家財道具が差し押さえに・・

裁判所の人たちがきて張り紙をしていくシーンはかなり衝撃的
に映る。この一帯を仕切っていた地主さんが、戦争のために
全てを失ってしまったこと。若い小作人が戦地に赴き、収穫力
が落ちたのが原因か。

ひかるは猛に逃げて欲しいと頼む。

いざという時には逃げると約束した猛。
しかしいざその時が来ても、三枝家の事を考えると逃げること
が出来無かった。ひかるからウソツキと言われてしまう猛の心
は複雑だね。

伝右衛門は和尚の元へ

伝右衛門は勇作の本性を知りつつも金を借りてしまった事を
反省する。ただあの時の状況を考えれば早かれ遅かれこういう
状況になっていたかもしれない。

ひかるは三枝家と小作人のために犠牲になる

いよいよ勇作との結婚を決意する。
伝右衛門から頭を下げられたのでは流石に断れないか。


川端猛 …… 渡辺裕之 (孤児)
三枝ひかる …… 田中美佐子 (長女)
三枝伝右衛門 …… 中尾彬 (主人、甲州の大地主)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 佐藤仁哉 (長男)

大河原勇作 …… 長塚京三
中村はな …… 千野弘美 (使用人)
ゆき …… 立原ちえみ
今村少佐 …… 今西正男
役人 …… 誠一平
小作人 …… 斉川一夫
小作人 …… 宝亀克朗
和尚 …… 内田朝雄

ナレーション:中西妙子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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